マルチマスターレプリケーションでは、ほかの各マスターも、レプリケートされるデータに対してコピーする権限を持っています。現在のレプリカの内容が反映されていない可能性があるため、古いバックアップを復元することはできません。可能な場合は、レプリケーションメカニズムにより、ほかのマスターの内容を使用してマスターを更新するようにしてください。
それが不可能な場合は、次のどちらかの方法でマルチマスターレプリカを復元してください。
もっとも簡単な方法として、バックアップから復元する代わりに、ほかのマスターの 1 つを使用して目的のマスターを初期化し直します。これにより、目的のマスターに最新のデータが送られ、データはすぐにレプリケートできる状態になります。「LDIF からのレプリカの初期化」を参照してください。
数百万のエントリを持つレプリカの場合は、バイナリコピーを作成して、ほかのマスターの 1 つから作成したより新しいバックアップから復元することで、時間を短縮できます。「バイナリコピーを使用したレプリケートされたサフィックスの初期化」を参照してください。
このマスターのバックアップが、ほかのどのマスターに対しても更新履歴ログの最長保存期間を過ぎていない場合は、このバックアップを使用してマスターを復元できます。更新履歴ログの保存期間については、「マスターレプリカの更新履歴ログ設定を変更する」を参照してください。このようにバックアップからマスターを復元すると、ほかのマスターはそれぞれの更新履歴ログを使用して、このマスターを更新します。これにより、バックアップの作成時以降に加えられた変更内容がすべてこのマスターに反映されます。
復元や再初期化の方法にかかわらず、初期化後のマスターレプリカは読み取り専用モードになります。この動作により、このレプリカとほかのマスターとの同期をとったあとに、書き込み操作を許可できます。詳細は、「マルチマスターモデルでのマスターの復元」を参照してください。
復元または初期化し直したマスターに書き込み操作を許可する前に、すべてのレプリカを反映させることができるので、ハブサーバーやコンシューマサーバーを初期化し直すことが不要になるという利点があります。