Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.3 管理ガイド

Directory Server Enterprise Edition のソフトウェア配布

この節では、利用可能なさまざまな Directory Server Enterprise Edition のソフトウェア配布を比較します。

図 1–3 2 つのソフトウェア配布

すべてのソフトウェアをインストールする場合は、両方の配布を入手します。

Java Enterprise System の配布

この節では、Java Enterprise System の配布 を紹介します。この配布には、Java ES インストーラが付属しています。

Java ES インストーラには、ネイティブでパッケージ化されたソフトウェアをシステムに追加するために、グラフィカルウィザード、コマンド行形式の対話型ウィザードが用意されており、サイレントインストール機能も用意されています。この配布はネイティブのパッケージに基づいているので、Java ES インストーラでインストールを実行するには、root である必要があります。

Java ES インストーラでは、Solaris および Linux で Directory Server Enterprise Edition 6.3 の新規インストールができます。Directory Server Enterprise Edition 6.3 を Windows にインストールする場合は、『Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.3 Installation Guide』「Installation Procedure Quick Reference」を参照してください。HP-UX 版の Directory Server Enterprise Edition 6.3 は配布されていません。

すべての Java ES ソフトウェアは、基本コンポーネントとライブラリの共通フレームワークに依存しつつ、連携して機能できます。したがって、すべてのソフトウェア製品を単一のシステムに一緒にインストールできます。

Java ES インストールソフトウェアは、共有コンポーネントのインストールも促進します。このソフトウェアはシステムと統合されるため、オペレーティングシステムの再起動時にディレクトリサービスが自動的に再起動するように設定できます。ネイティブパッケージベースのインストールにより、オペレーティングシステムの一部になっているパッケージバージョン管理ツールとパッチツールの恩恵を受けることができます。

このガイドでは、Java ES インストーラの使用時に利用可能なすべての代替インストールについては説明しません。ただし、このガイドでは、Directory Server Enterprise Edition 6.2 ソフトウェアインストールに関連した Java ES インストーラウィザードの主要な画面について説明します。Java ES インストーラのすべての機能の使用方法の詳細については、http://docs.sun.com/coll/1286.3 にある Java Enterprise System のマニュアルを参照してください。

ネイティブのパッチ

この節では、Directory Server Enterprise Edition 6.0 および 6.1 インストールのアップグレードを可能にするネイティブのパッチを紹介します。

ネイティブのパッチを使用してインストールを行うには、root である必要があります。これらのパッチは、既存の Directory Server Enterprise Edition 6.0 または 6.1 インストールの最上位に適用されます。ネイティブのパッチには、Java Enterprise System の配布の場合と同様、Directory Server Enterprise Edition のすべてのコンポーネントが含まれていますが、Directory Server Enterprise Edition 6.0 または 6.1 インストールの一部としてすでにインストールされているコンポーネントだけがアップグレードされます。Directory Server Enterprise Edition のどのコンポーネントも、ネイティブのパッチを使用して新規インストールを行うことはできません。

Directory Server Enterprise Edition 6.3 を Windows にインストールするには、ネイティブのパッチを Directory Server Enterprise Edition 6.0 インストールの最上位にインストールします。Java Enterprise System の配布では、Directory Server Enterprise Edition 6.3 の Windows への新規インストールはできません。

ZIP 形式の配布

この節では、ZIP 形式の配布を紹介します。この配布には、dsee_deploy(1M) コマンド行インストーラが用意されています。

この配布には、書き込みアクセス権のあるローカルディスク上の任意の場所にインストールできる自己完結型ソフトウェアが用意されています。root 以外のユーザーとして ZIP 形式の配布ソフトウェアをインストールおよび管理できます。

ZIP 形式の配布ソフトウェアは自己完結型なので、ZIP 形式の配布から実行するソフトウェアのインストールはそれぞれ独立しています。したがって、複数の ZIP 形式の配布バージョンから同じシステムにソフトウェアをインストールできます。システム管理者は、インストールされたソフトウェアがオペレーティングシステムの再起動時に再起動するように手動で設定する必要があります。

さらに、ZIP 形式の配布では、インストールしたファイル、および適用したパッチを注意深く追跡し続ける必要があります。

Java Enterprise System の配布と ZIP 形式の配布の比較

この節では、各配布でサポートされるソフトウェアを示します。

Java ES の配布でも ZIP 形式の配布でも、Directory Server インスタンスと Directory Proxy Server インスタンスを root で作成および設定できます。

Directory Server Enterprise Edition のソフトウェアコンポーネント 

Java Enterprise System の配布 

ZIP 形式の配布 

Directory Service Control Center 

用意されています 

用意されています。アプリケーションサーバーで WAR ファイルを配備することで設定できます 

Directory Server 

用意されています 

用意されています。dsee_deploy でインストールできます

Directory Proxy Server 

用意されています 

用意されています。dsee_deploy でインストールできます

Directory Editor 

この配布では用意されていません 

用意されていますが、dsee_deploy ではインストールされません

Identity Synchronization for Windows 

この配布では用意されていません 

用意されていますが、dsee_deploy ではインストールされません

Directory Server Resource Kit 

この配布では用意されていません 

用意されています。dsee_deploy でインストールされます


注 –

サーバーインスタンスを管理できるのは 1 つの DSCC だけです。


Identity Synchronization for Windows ソフトウェアと Directory Editor ソフトウェアが ZIP 形式の配布にバンドルされていますが、dsee_deploy コマンドを使用してもインストールされません。このガイドでは、Identity Synchronization for Windows のインストールについて説明します。『Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.3 Installation Guide』のパート II「Installing Identity Synchronization for Windows」を参照してください。

このガイドでは、Directory Editor ソフトウェアのインストールについては説明していません。Directory Editor ソフトウェアをインストールする場合は、『Sun Java System Directory Editor 1 2005Q1 Installation and Configuration Guide』に記載されているインストールに関する指示をお読みください。