Sun GlassFish Portfolio 2009.12 は、Sun オープンソース JavaTM コンポーネントのセットで、Web アプリケーションとエンタープライズアプリケーションの開発および配備の土台となるものです。ポートフォリオは、Web プラットフォームの重大な側面を入手、管理、および保守するためのコスト効率の高い方法です。
オープンソースコミュニティーから入手できるコンポーネントのうち、最も完全なアプリケーションプラットフォームのスタックである GlassFish Portfolio を使用すると、小規模で低価格の配備のほか、大規模で基幹業務の配備を行うことができます。GlassFish Portfolio を構成するコンポーネントは、個別に提供されるほか、各種サポートレベルでも提供されています。組織のニーズにもっとも合ったライセンスの種類を選択できるだけでなく、必要なコンポーネントを選択することもできます。
GlassFish Portfolio は、Sun Java™ Enterprise System 7 (Java ES 7) プラットフォームをベースにしています。こちらは、ソフトウェアからサポート、プロフェッショナルサービス、教育サービスまでを組み合わせて登録制のサービスを総合セットにし、1 つのパッケージを単一価格で提供するものです。Java ES 7 のソフトウェアコンポーネントは、相互運用性と信頼性を高めるために厳密に試験されています。
GlassFish Portfolio 配布のコンポーネントセットは、購入した登録ライセンスのレベルに応じて異なります。本製品の最新リスト、および GlassFish Portfolio 2009.12 で使用可能な製品のバージョンについては、「GlassFish Portfolio 2009.12 に含まれている製品」 を参照して ださい。
Java ES 7 ベースに搭載されている製品の最新リストについては、『Sun Java Enterprise System 7 リリースノート』の「Java ES 7 Base に搭載されている製品」も参照してください。
このドキュメントの残りの部分では、次の項目について説明します。
Sun GlassFish Portfolio 2009.12 には、Web アプリケーションを企業全体に配信するのに必要なミドルウェアサービスとソフトウェアが備わっています。GlassFish Portfolio 2009.12 に搭載されているコンポーネントは、表 1–1 にまとめたとおりです。
表 1–1 GlassFish Portfolio 2009.12に搭載されている製品
製品 |
説明 |
---|---|
Enterprise Server は、次世代のアプリケーションとサービスを構築して配備するための、最先端のオープンソースプラットフォームです。GlassFish Enterprise Server の詳細 |
|
Web Stack は、Apache HTTP サーバー、MySQL、memcached、PHP および Ruby といった、人気のオープンソースである Web 層のインフラストラクチャー技術を統合したものです。Web Stack の詳細 |
|
Web Server は、Web のセキュリティーを改善し、エンドユーザーエクスペリエンスを向上させ、さらに Web アプリケーションの配備と管理に掛かるコストを削減してその複雑さを緩和します。Web Server の詳細 |
|
Web Proxy Server は、電子商取引ソリューションや企業顧客、またはインターネットサービスプロバイダ (ISP) が使用する Web コンテンツをキャッシュに格納し、フィルタリングします。Web Proxy Server の詳細 |
|
Message Queue により、疎結合したアプリケーション間でメッセージを確実に交換し、コスト効率のよい拡張が可能になります。Message Queue の詳細 |
|
Web Space Server は、ユーザーが自分自身の Web スペースを定義できるようにする、新しいクラスのポータルです。Web Space Server の詳細 |
|
ESB は、疎結合したコンポーネント同士が標準ベースのメッセージを介して通信し合えるようにする Java Business Integration (JBI) 規格を組み込んだ、プラグイン可能な統合プラットフォームです。ESB の詳細 |
|
アドオン製品の HADB は、Enterprise Server が高可用性のデータ格納として使用するデータベースで、HTTP セッションおよびステートフルセッションの Bean データに使用されます。 |
|
アドオン製品の Enterprise Manager は、パフォーマンスの監視とチューニングを行うツール群です。Performance Advisor、Performance Monitor、および SNMP Monitoring があります。Enterprise Manager の詳細 |
GlassFish Portfolio 2009.12 ソフトウェアは、サーバー単位または無制限の 2 種類のライセンス形式で提供されます。
「サーバー単位の登録」とは、GlassFish Portfolio ソフトウェアコンポーネントの配備先となる物理サーバー数または仮想サーバー数に応じた年間登録です。
「無制限登録」とは、企業の従業員数に応じた年間登録です。
サーバー単位の提供物には、Basic、Silver、および Gold があります。無制限の登録では、Gold と Platinum のレベルが提供されます。これらの登録レベルの詳細は、表 1–2 のとおりです。
表 1–2 GlassFish Portfolio の登録レベルの提供物
レベル |
説明 |
---|---|
Basic |
Sun GlassFish Enterprise Server、および Sun GlassFish Web Stack をサーバー単位ベースで搭載します。 |
Silver |
Basic のコンポーネントに加え、Sun Web Server、Sun Java System Message Queue、および Sun Web Proxy Server を サーバー単位ベースで搭載します。 |
Gold |
Basic および Silver のコンポーネントに加え、HADB を搭載します。Performance Advisor、Performance Monitor、および SNMP Monitoring といった Enterprise Manager のコンポーネントも搭載されます。すべてのコンポーネントは、サーバー単位ベースで搭載されます。 |
Gold Unlimited |
すべての Gold コンポーネントに加え、Sun GlassFish Web Space Server および Sun GlassFish Enterprise Server Bus が無制限ベースで搭載されます。 |
Platinum Unlimited |
すべての Gold Unlimited のコンポーネントに加え、Sun GlassFish Web Space Server、および Sun GlassFish Enterprise Server Bus が搭載されます。さらに、アカウント管理も搭載されます。すべてのコンポーネントは、無制限ベースで搭載されます。 |
Sun GlassFish Portfolio の各提供物に搭載されるコンポーネントは、表 1–3 のとおりです。各コンポーネントのドキュメントのリンク先も記載しています。
表 1–3 Sun GlassFish Portfolio の提供物とドキュメント
コンポーネント |
基本 |
Silver |
Gold、Gold Unlimited |
Platinum Unlimited |
マニュアル |
---|---|---|---|---|---|
Sun GlassFish Enterprise Server 2.1.1 |
含まれている |
含まれている |
含まれている |
含まれている |
『Sun GlassFish Enterprise Server v2.1.1 リリースノート』の「ハードウェアとソフトウェアの要件」 |
Sun GlassFish Web Stack 1.5 |
含まれている |
含まれている |
含まれている |
含まれている | |
Sun Web Server 7.0 U6 |
含まれている |
含まれている |
含まれている |
『Sun Java System Web Server 7.0 Update 6 リリースノート』の「サポートされるプラットフォーム」 |
|
Sun Web Proxy Server 4.0.11 |
|
含まれている |
含まれている |
含まれている |
『Sun Java System Web Proxy Server 4.0.11 リリースノート』の「プラットフォームの概要」 |
Sun Message Queue 4.3 |
|
含まれている |
含まれている |
含まれている | |
Sun GlassFish Web Space Server 10.0 U6 |
|
|
Gold Unlimited にのみ含まれている |
含まれている |
『Sun GlassFish Web Space Server 10.0 Installation Guide』の「Software and Hardware Requirements」 |
Sun GlassFish Enterprise Service Bus (ESB) 2.1 |
|
|
Gold Unlimited にのみ含まれている |
含まれている | |
Sun GlassFish HADB 4.4.3-21 |
|
|
含まれている |
含まれている |
『Sun GlassFish Enterprise Server v2.1.1 リリースノート』の「HADB の要件とサポートされているプラットフォーム」 |
Enterprise Manager 1.0
|
|
|
含まれている |
含まれている | |
Web Stack Enterprise Manager 1.5
|
含まれている |
含まれている |
含まれている |
含まれている | |
Sun Continuous Integration Server |
1 サーバー、1 ノード |
1 サーバー、10 ノード |
サーバー単位登録。1 サーバー、25 ノード。無制限登録、使用無制限 |
無制限登録、使用無制限 |
GlassFish Portfolio 2009.12 のプラットフォームの対応とシステム要件は、Java ES 7 Base と同じです。最新リストについては、「プラットフォーム対応とシステム要件」を参照してください。
特定のプラットフォーム対応は、個々のコンポーネント製品にわたって異なることがあるので、ご注意ください。各コンポーネント製品の製品ドキュメントに一覧表示されているプラットフォーム要件を必ず参照してください。
全体的に、GlassFish Portfolio 2009.02 と比べ、GlassFish Portfolio 2009.12 への更新コンポーネントは、製品バージョンの更新、バグ修正、および登録提供物へのその他の変更から成り立っています。新しい製品は何も追加されていません。
更新 GlassFish Portfolio 2009.12 に追加された新製品はありません。
GlassFish Portfolio 2009.12 には、次のように新しいバージョンの製品が含まれています。
Sun GlassFish Enterprise Server (2.1 ⇒ 2.1.1)
Sun OpenSSO Enterprise (8.0 ⇒ 8.0U1P2)
Sun Java System Web Server (7.0U4 ⇒ 7.0U6)
Sun Java System Web Proxy Server (4.0.8 ⇒ 4.0.11)
Sun GlassFish Web Space Server (10.0 ⇒ 10.0U6)
Sun GlassFish Web Stack (1.5)
Sun Java System Message Queue (4.3)
HADB (4.4.3-21)
最新製品のバージョン番号については、表 1–1 を参照してください。
今回の 2009.12 リリースでは、GlassFish Portfolio 登録モデルが多少変更されました。具体的には、サーバー単位の Platinum レベルが削除されました。Platinum Unlimited レベルは、引き続き使用可能です。
最新の GlassFish Portfolio ライセンスオプション一式をまとめた詳細は、「GlassFish Portfolio 2009.12 のライセンス形式」 を参照してくだ い。
GlassFish Portfolio 2009.12 は、以前のバージョンよりもダウンロードしやすく、維持しやすくなりました。具体的には、eFulfilment および DigitalRiver から製品を ZIP ファイルでダウンロードする代わりに、個々の製品をダウンロードするためのポインタが用意され、製品のインストールがさらに簡単に、またきめ細かくなりました。
GlassFish Portfolio 2009.12 は、VMware vSphere 4 Virtualized Environment の試験を受け、承認されました。
大部分の Java ES 7 と GlassFish Portfolio 2009.12 コンポーネントが、広範囲にわたる米国および国際的なアクセシビリティー規格と要件に対応するように設計されました。これらの要件は、さまざまな視覚的または身体的に不自由なユーザーにとって、すべての GlassFish Portfolio 機能の使い勝手のよさと完全なアクセシビリティーを保証するために設けられています。
次のようなアクセシビリティー機能が、GlassFish Portfolio 2009.12 ソフトウェアに組み込まれ、試験されました。
グラフィカルインタフェース要素が、Tab、矢印、Enter キーなどのキーボードで完全に操作できるようになりました。
フォームのフィールドごとにラベルを貼ったり、各要素に該当タイトルや非表示テキスト要素を用意するなどのさまざまな手法で、アプリケーションページのすべての埋め込みフォームにおける補助技術の使い勝手が向上しました。
アイコン、画像、ロゴなどのすべての非テキスト要素に、代替テキスト文字列が用意されました。
Javascript コードやメニューなどのすべての動的要素、およびマウスを上に置いたときに表示される文字列が載っているポップアップメニューに、埋め込みテキスト文字列の識別子が備わり、補助技術で読み取れるようになりました。
PDF や HTML などのバージョンの製品ドキュメントが、アクセシビリティー規格に準拠して記述されました。
ほぼすべての GlassFish Portfolio コンポーネント製品は、次のような複数の操作環境で試験されており、各種補助技術で動作するはずです。
Mac OS X: Universal Access
Solaris and OpenSolaris: Orca
Linux: Orca
Windows: JAWS、System Access
GlassFish Portfolio 2009.12 ソフトウェアの入手方法とインストール方法については、『Sun GlassFish Portfolio 2009.12 Installation and Upgrade Guide』を参照してください。
GlassFish Portfolio 2009.12 における既知の問題点と制限事項は、総じて Java ES 7 プラットフォームの既知の問題点と制限事項に直接つながります。最新リストについては、『Sun Java Enterprise System 7 リリースノート』の第 3 章「既知の問題点と制限事項」を参照してください。