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Sun Control Station ソフトウェアの電源管理 (LOM) コントロールモジュールは、Intelligent Platform Management Interface (IPMI) バージョン 1.5 に準拠するホストに対する遠隔管理と遠隔監視の機能を提供します。本マニュアルでは、LOM コントロールモジュールを通じて利用可能な機能とサービスについて説明します。
LOM モジュールは、IPMI v1.5 で利用可能な機能を実現します。
注 - 本マニュアルでは、読者が Sun Control Station ソフトウェアの基本操作を理解していると想定して説明します。状態アイコン、選択ウィンドウ、スケジューラ、「タスクの進捗状況」ダイアログなど、Sun Control Station の基本的な機能の概要については、『Sun Control Station 2.2 管理者マニュアル』を参照してください。 |
LOM コントロールモジュールを動作させるためには、LOM 機能を使用する管理対象ホスト上に Linux カーネルソース RPM をインストールする必要があります。
LOM コントロールモジュールには、その管理対象ホストに LOM モジュールをインストールしたときに自動的にコンパイルされるデバイスドライバが含まれます。Linux カーネルソース RPM は、このデバイスドライバをコンパイルするために必要となります。
その管理対象ホスト上に Sun Linux ディストリビューションが使われている場合、Linux カーネルソース RPM は必要ありません。
LOM コントロールモジュールは、管理対象ホスト上で、組み込みのネットワークインタフェース (eth0 または eth1) を通じて動作できます。しかし、管理対象ホスト上で両方の組み込みネットワークインタフェースがアクティブである場合は、管理対象ホストはデフォルトで eth0 を設定します。
「Lights Out Management」メニュー項目をクリックすると、サブメニュー項目により、ホストサービスプロセッサを設定して LOM を使用し、電源のオン/オフを操作し、管理対象ホストでセンサーと SEL データを表示し、さらに管理対象ホストのサービスプロセッサにグローバル設定をプッシュできるように設定できます。
一部の管理対象ホストでは、LOM モジュールソフトウェアによってホストを適切に管理するには、サービスプロセッサ (SP) を事前構成するか、またはインストール後に手動で構成する必要があります。
Sun Fire V60x、Sun Fire V65x、および Sun LX50 の各プラットフォームでは、インストール前の設定は不要です。
Sun Fire V20z システムおよび Sun Fire V40z システムのサービスプロセッサ (SP) は、事前構成して最新の BIOS および SP ファームウェアをインストールする必要があります。詳細は、Sun Fire V20z システムおよび V40z システムの SP の事前構成を参照してください。
ホストが Sun Fire LX50、Sun Fire V60x、または Sun Fire V65x の場合は、LOM モジュールのインストールの一部として自動構成を実行してください。詳細は、Sun LX50 システム、Sun Fire V60x システム、および V65x システムにおける LOM の自動構成を参照してください。
ホストが Sun Fire V20z システムまたは V40z システムの場合は、手動で LOM を構成する必要があります。詳細は、Sun Fire V20z システムおよび V40z システムにおける LOM の手動構成を参照してください。
Sun Fire V60x、Sun Fire V65x、および Sun LX50 の各ファミリのマシンでは、リモートからの電源投入が機能しない場合があります。この問題が発生した場合は、[設定] 画面で無償 Arp 機能を有効にします。詳細については、設定を参照してください。
1. 静的 IP アドレス、サブネットマスク、およびデフォルトのゲートウェイ IP アドレスを使用して、LCD フロントパネルからサービスプロセッサ (SP) を構成します。
詳細については、『Sun Fire V20z および Sun Fire V40z サーバインストールガイド』の「SP のネットワーク設定の定義」の節を参照してください。
注 - SP のホストとは異なる IP アドレスを使用する必要があります。IP アドレスは静的でなければなりません。LOM では DHCP が提供する IP アドレスをサポートしていません。 |
これは、次のステップで説明するように、SP にログインして IPMI コマンドを実行するために必要になります。
詳細については、『Sun Fire V20z および Sun Fire V40z サーバインストールガイド』の「初期マネージャアカウントの作成」の節を参照してください。
3. (省略可能) SP のサーバー管理およびプラットフォームソフトウェアを設定します。
『Sun Fire V20z および Sun Fire V40z サーバインストールガイド』の「サーバの管理およびプラットフォームソフトウェア」の節を参照してください。
4. 使用中のマシンで BIOS の更新が必要かどうかを確認します。
ssh を使用して、手順 2 で定義した最初の管理者アカウントで SP にログインします。ログインする際には、次のように表示されます。
Sun MicrosystemsIPMI v1.5 Service ProcessorVersion: V2.1.0.16
表示されている「Version」が V2.0.x.x である場合は、BIOS と SP を必ず更新してください。
5. (必要に応じて) BIOS のインストールやその他の使用方法については、次の Web サイトを参照してください。
http://www.sun.com/servers/entry/v20z/downloads.html
http://www.sun.com/servers/entry/v40z/downloads.html
1. Sun Control Station のインタフェースで、「LOM」「構成」を選択します。
新しく追加されたホストが表示されます。Sun Fire V20z システムまたは V40z システムでは、LOM の構成値は N になります。
「LOM のノード設定を構成」画面が表示されます (図 1 を参照)。
注 - BMC (基板管理コントローラ) はサービスプロセッサ (SP) と同じです。このマニュアルでは SP と記載していますが、Sun Control Station のインタフェースでは一部が BMC になっている場合があります。 |
注 - Sun Fire V20z または Sun Fire V40z 以外のマシンで LOM を手動で構成する場合は、表 1 を参照してチャネルの正しい値を確認してください。 |
このコマンドにより、まず SP 上のこれらの値のクリアが試みられ、次に必要な値に設定されます。コマンドの完了まで数分かかる場合があります。
上記のステップをすべて実行した後で LOM が機能しない場合 (LOM から管理対象ホストに対してコマンドを実行できない場合) は、『Sun Fire V20z and Sun Fire V40z Servers Server Management Guide』の「IPMI Troubleshooting」の節を参照するか、サンのサービス担当者にご連絡ください。
Sun LX50、Sun Fire V60x、および V65x の各ファミリのマシンで LOM を構成するには、以下の手順を Sun Control Station のインタフェースから実行します。
このコマンドにより、まず SP 上のこれらの値のクリアが試みられ、次に必要な値に設定されます。コマンドの完了まで数分かかる場合があります。
LX50 システム、V60x システム、および V65x システムで LOM を設定する場合、通常は自動構成機能を使用します。ただし、これらのシステムの LOM を手動で構成する場合は (図 1 を参照)、いくつかの問題があります。
1. サービスプロセッサで使用される IP アドレス、サブネットマスク、およびデフォルトのゲートウェイアドレスは、ホストマシンのものです。
2. 特定のハードウェア、使用する Ethernet インタフェース、および使用する Linux カーネルのバージョンによって、チャネルの値を設定する必要があります。使用するチャネルの設定については、表 1 を参照してください。
「電源管理の電源メニュー」のサブメニュー項目により、1 つまたは複数のホストに対する電源管理を行うことができます。
「電源」サブメニュー項目をクリックすると、選択ウィンドウが表示され、グループと各グループ内の管理対象ホストが提示されます。選択ウィンドウの下に、次のボタンが表示されます (図 2 を参照)。
LOM モジュールを通じて管理対象ホストに「電源オフ」コマンドを送信し、「電源オフ」コマンドの完了前に続けざまに「電源オン」コマンドを送信すると、その管理対象ホストは init 0 状態になることがあります。init 0 は、ホストは電源投入されているけれども、オペレーティングシステムがシャットダウンしている状態です。
この問題は、「電源オフ」コマンドを管理対象ホストに再送することで解決できます。
「電源オン」コマンドを使うと、ホストの電源をリモートから投入できます。
選択ウィンドウが表示され、管理対象ホストの一覧が提示されます。
2. 1 つまたは複数のホストを強調表示するか、または「すべてを選択」をクリックして、一覧のすべてのホストを選択します。
「電源オフ」コマンドを使うと、ホストの電源をリモートから遮断することができます。このコマンドでは、ホストの電源を遮断する前に、オペレーティングシステムのシャットダウンが試みられます。
選択ウィンドウが表示され、管理対象ホストの一覧が提示されます。
2. 1 つまたは複数のホストを強調表示するか、または「すべてを選択」をクリックして、一覧のすべてのホストを選択します。
「リセット」コマンドは、ハードウェアをリセットします。ホストが正常に動作していれば、システムは適切にシャットダウンし、再起動します。システムがハングアップして応答しない場合には、「リセット」コマンドによってシステムが強制的にリセットされます。
選択ウィンドウが表示され、管理対象ホストの一覧が提示されます。
2. 1 つまたは複数のホストを強調表示するか、または「すべてを選択」をクリックして、一覧のすべてのホストを選択します。
Sun LX50 サーバー、Sun Fire V60x サーバーや V65x サーバーなど、認識 LED を持つホストでは、「識別」コマンドにより LED がフロントパネルとバックパネルで点滅するため、装置ラック内でホストの位置を特定するのに役立ちます。
注 - ホストの電源がオフにされている場合や、システムがハングアップしている場合でも、このコマンドは LED を点滅させることができます。ホストのフロントパネルから LED を (点滅ではなく) 点灯させている場合には、このコマンドはホストに影響を及ぼしません。 |
選択ウィンドウが表示され、管理対象ホストの一覧が提示されます。
2. 1 つまたは複数のホストを強調表示するか、または「すべてを選択」をクリックして、一覧のすべてのホストを選択します。
「センサー/SEL」サブメニュー項目で、センサーの現在のデータやホスト上の SEL (System Event Log) の表示、データのリアルタイム更新、データの更新スケジュール設定ができます。
「センサー/SEL」サブメニュー項目をクリックすると、選択ウィンドウが表示され、グループと各グループ内のホストが提示されます。選択ウィンドウの下に、次のボタンが表示されます (図 3 を参照)。
センサー情報や SEL 情報を更新すると、管理対象ホストからすべての SEL が取得されます。完全な SEL は約 3000 レコードを保存することができます。更新された SEL 情報は、管理対象ホストから SEL 全体が取得されるまで表示されません。
SEL に含まれるエントリ数、あるいは SEL およびセンサーデータを取得するホスト数が多いほど、情報取得にかかる時間は長くなります。多数の管理対象ホストに関するセンサー情報と SEL 情報を更新するスケジュールを組む場合には、これらの要点を考慮する必要があります。
ホストに関するセンサーデータの概要を表示できます。また、概要テーブルからセンサーデータの詳細テーブルの表示、SEL の参照、現在のデータを更新を行えます。このデータは、ホストの電源がオフの状態でも更新されます。
注 - 管理対象ホストから集められる LOM センサーデータの概要は、Health Monitoring モジュール内にも表示されます。Health Monitoring モジュール内のセンサーデータを参照してください。 |
2. 1 つまたは複数のホストを強調表示するか、または「すべてを選択」をクリックして、一覧のすべてのホストを選択します。
「センサー状態のサマリー」テーブルが表示されます (図 4 を参照)。
5. 「センサーの詳細」アイコンをクリックすると、詳細なセンサーテーブルが表示されます。
ホストの種類に応じて、テーブルには異なるセンサーが表示されます (図 5 を参照)。
センサーデータを更新するには、「データの更新」をクリックします (ホスト情報の表示の更新を参照)。
SEL のレコードが表示されます (図 6 を参照)。
「詳細なシステムイベントログ」テーブルには、次の情報が表示されます。
イベントに関する説明の詳細については、
http://www.intel.com/design/servers/ipmi/index.htm にある IPMI マニュアルを参照してください。
この画面から、SEL のクリア (SEL のクリアを参照) または SEL の更新 (SEL の表示の更新を参照) が可能です。
管理対象ホストに関する SEL をクリアできます。SEL データは、一度クリアしてしまうと復元できません。このデータは、Sun のテクニカルサポートで必要になることがあるので、SEL をクリアする前に、動作不良の兆候などがないことを確認してください。
1. 「詳細なシステムイベントログ」テーブルを表示します (図 6 を参照)。
このボタンは「詳細なシステムイベントログ」テーブルの下にあります。「タスクの進捗状況」ダイアログが表示されます。
最新の SEL データを管理対象ホストから取得することができます。
このボタンは「詳細なシステムイベントログ」テーブルの下にあります。「タスクの進捗状況」ダイアログが表示されます。
注 - 「詳細なシステムイベントログ」テーブルの「ただちに更新」ボタンをクリックすると、SEL 情報だけが更新されます。センサーデータは更新されません。 |
更新機能により、管理対象ホスト上の最新のセンサーデータと SEL を取得できます。
センサーデータと SEL は、UI 上のさまざまな場所から更新できます。
選択ウィンドウの下部にある「ただちに更新」ボタンをクリックします。
これにより、選択した管理対象ホストに関するすべてのセンサーデータと SEL 情報が更新されます。
「センサー状態のサマリー」テーブルを表示するには、「データの更新」をクリックします。
このボタンはテーブルの下にあります。このボタンをクリックすると、「センサー状態のサマリー」テーブルに表示されているそれぞれのホストに関するセンサーデータと SEL が更新されます。
センサーデータの概要テーブルを表示しているときに、「センサーの更新」ボタンをクリックします。
このボタンはテーブルの下にあります。特定のホストに関するすべてのセンサーデータと SEL 情報が更新されます。
注 - ホスト情報の更新をスケジュールすることもできます。詳細については、『Sun Control Station 2.2 管理者マニュアル』のスケジュール機能についての説明を参照してください。 |
Health Monitoring モジュールでは、管理対象ホスト上のコンポーネントとサービスの状態に関する詳細情報テーブルを表示できます。
LOM センサーデータについての報告を行うホストでは、「そのほかのシステムサービス」テーブルに次の概要データが表示されます。このデータには、センサー、System Event Log (SEL) が含まれます。
重大なシステムイベント (赤色アイコンで示されるイベント) が発生した場合に、Health Monitoring モジュールが警告を送る電子メールアドレスを指定できます。
詳細は、『Sun Control Station 2.2 Health Monitoring モジュール』 (PDF) を参照してください。
「設定」画面 (図 7 を参照) で、すべての管理対象ホストに対するサービスプロセッサに共通設定を適用できます。これらの設定は、コントロールステーションで現在管理されているすべてのホスト、さらに追加した管理対象ホストに反映されます。
注 - ホストのローカルパスワードを指定せず、グローバルパスワードを設定しない場合は、LOM モジュールではデフォルトの (ランダム) パスワードが使用されます。 |
IPMI は、温度、電圧、ファン、電源、シャーシなど、サーバーの物理的な状態やコンポーネントを監視する「インテリジェント」なハードウェアの共通インタフェースを規定します。ヘルスモニタ機能に加え、IPMI は自動警報機能、自動システムシャットダウン/リスタート機能、リモートリスタートとリモートパワー制御機能、および資源追跡機能などの、システム管理機能も提供します。
IPMI ベースサーバー管理によって、サーバーが通常動作を行っているのか、あるいは非動作状態にあるのかなど、サーバーハードウェアの健全性の状態を特定できます。IPMI を利用するサーバは、プロセッサがダウンしても継続して動作が可能な「インテリジェント」で自立的なハードウェアを使用するため、プラットフォーム管理情報や制御機能に常にアクセスできます。堅牢かつ信頼性の高い IPMI インタフェースは、電源停止、再起動、OS ロードや実行時などあらゆるシステムフェーズにおいて、シリアル/モデム、LAN、ローカル管理ソフトウェア、他社製緊急管理アドインカード、その他の IPMI 対応サーバーへのアクセスを提供します。
IPMI の詳細については、http://www.intel.com/design/servers/ipmi/index.htm を参照してください。
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