Logical Domains 1.3 管理ガイド

Logical Domains 1.3 より前のリリースでの IPMP の構成と使用

Logical Domains 1.3 より前のリリースでは、仮想スイッチおよび仮想ネットワークデバイスはリンク障害の検出を実行できません。それらのリリースでは、プローブベースの IPMP を使用してネットワーク障害の検出と復旧を設定できます。

ゲストドメインでの IPMP の構成

ゲストドメインの仮想ネットワークデバイスは、図 7–3 および 図 7–4 に示す方法で IPMP グループに構成できます。唯一の相違点は、仮想ネットワークデバイスでテストアドレスを構成することでプローブベースの障害検出が使用されることです。プローブベースの IPMP の設定の詳細は、『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』 を参照してください。

サービスドメインでの IPMP の構成

Logical Domains 1.3 より前のリリースでは、仮想スイッチデバイスは物理リンク障害の検出を実行できません。このような場合、サービスドメインの物理インタフェースを IPMP グループに構成することで、ネットワーク障害の検出と復旧を設定できます。これを行うには、物理ネットワークデバイスを割り当てずにサービスドメインの仮想スイッチを構成します。特に、ldm add-vswitch コマンドを使用して仮想スイッチを作成するときに、net-dev (net-dev=) プロパティーに値を指定しないでください。サービスドメインの仮想スイッチインタフェースを plumb して、サービスドメイン自体が IP ルーターとして機能するように構成します。IP ルーティングの設定については、Solaris 10 の『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』 を参照してください。

いったん仮想スイッチが構成されると、仮想ネットワークから発生し外部のマシンに送信される予定のすべてのパケットは、物理デバイスを使用して直接送信されるのではなく、IP 層に送信されます。物理インタフェースに障害が発生した場合、IP 層は障害を検出し、自動的に二次インタフェースを使用してパケットをふたたび経路指定します。

物理インタフェースは直接 IPMP グループに構成されているため、グループは、リンクベースまたはプローブベースのいずれかの検出用に設定できます。次の図に、IPMP グループの一部として構成された 2 つのネットワークインタフェース (nxge0 および nxge1) を示します。仮想スイッチインスタンス (vsw0) は、IP 層にパケットを送信するネットワークデバイスとして plumb されています。

図 7–6 IPMP グループの一部として構成された 2 つのネットワークインタフェース

この図は、文章で説明しているように、2 つのネットワークインタフェースを IPMP グループの一部として構成する方法を示しています。

Procedureプローブベースの IPMP 用のホストルートを構成する


注 –

この手順は、ゲストドメインおよび 1.3 より前のリリースのみに適用されます。1.3 より前のリリースでは、プローブベースの IPMP のみがサポートされています。


ネットワーク内の IPMP インタフェースに対応するルーターに明示的なルートが構成されていない場合、IPMP プローブベースの検出を目的どおりに動作させるには、ターゲットシステムへの明示的なホストルートを 1 つ以上構成する必要があります。このようにしない場合、プローブ検出がネットワーク障害を検出できないことがあります。

  1. ホストルートを構成します。


    # route add -host destination-IP gateway-IP -static
    

    次に例を示します。


    # route add -host 192.168.102.1 192.168.102.1 -static
    

    詳細は、『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』「ターゲットシステムの構成」を参照してください。