Solaris 7 ご使用にあたって (Intel 版)

第 2 章 インストールにあたって

この章では、Solaris 7 をインストールするために必要なメモリーおよびディスクの容量、日本語環境のインストールについて説明します。また、本書を作成前の情報が書かれている 『Solaris 7 オンラインリリース情報』のインストール方法および参照方法についても説明します。


注 -

本章の内容を理解してからインストールを開始してください。この章に記載されている情報は、Solaris 7 Software CD に含まれている『Solaris 7 オンラインリリース情報』の installation_bugs ファイルの内容よりも優先されます。オンラインリリース情報については、「オンラインリリース情報」を参照してください。


以下に、Solaris 7 で提供されるインストール方法を簡単に説明します。

 従来の対話式インストール Solaris ソフトウェアだけをインストールする。(Solaris 7 Software CD に含まれている)
 Solaris Web Start 1.0 Solaris ソフトウェアおよび同梱の CD に含まれる別ソフトウェアを一度に容易にインストールできる。(Solaris 7 Software CD に含まれている)
 Solaris Web Start 2.0 (installer) Solaris がインストールされた環境に、同梱の CD に含まれる別ソフトウェアを共通のユーザーインタフェースで容易にインストールできる。(同梱の CD に含まれている)

カスタマサポートへの連絡

サポートに関連する問題については、ご購入先にお問い合わせください。また、Sun についての情報は、以下の Web ページをご覧ください。

必要なメモリー

32M バイト以上の物理メモリーが必要です。Solaris CDE や OpenWindows などの日本語デスクトップ環境を使用する場合には、64M バイト以上確保することをお勧めします。

また、Solaris Web Start 1.0 によるインストールを日本語表示で行うには、最小 64M バイトの物理メモリーが必要です。詳細は、「システムの最小要件」を参照してください。

必要なスワップ領域

スワップ領域は、実メモリーとの合計が少なくとも 64M バイトになるように確保することを推奨します。さらに、日本語デスクトップ環境を使用する場合には、実メモリーとの合計が 128M バイト以上になるように確保してください。


注 -

物理メモリーが 64M バイト未満のシステムに、従来の対話式インストールでファイルシステムの自動配置を行なった場合に確保されるスワップ領域は、上記の要件を満たしていません。この場合は、手動でサイズを変更してください。


必要なディスク容量

今回のリリースで標準提供される Solaris 7 Software CD、Solaris 7 Documentation CD、Netscape Communicator 4.05 CD をインストールするのに必要なディスク容量について説明します。

上記のソフトウェアをシステムにインストールするには、インストールするソフトウェアとディスクの構成によってファイルシステムを構築する必要があります。

Solaris Web Start 1.0 (Solaris 7 Software CD に含まれている) を使うと、Solaris オペレーティングシステムおよび同梱の別ソフトウェアをインストールするためのファイルシステムが自動的に配置され、これらの CD を一度に容易にインストールすることができます。

一方、従来の対話式インストール [ システムが Solaris Web Start 1.0 を実行するための要件を満たしていない場合、またはアップグレードや細かいインストール設定を行いたい場合などには、従来の対話式インストールを行う必要があります。] では、Solaris オペレーティングシステムだけをインストールするように設計されているので、同梱のソフトウェア容量も考慮したファイルシステムの自動配置を行うことはできません。同梱のソフトウェアもインストールする場合には、それらのソフトウェア容量を考慮してファイルシステムを手動で構成する必要があります。そして、Solaris オペレーティングシステムのインストール終了後に、同梱の CD に含まれている Solaris Web Start 2.0 (installer) または、各ソフトウェアのインストール手順に従って、同梱のソフトウェアをインストールしてください。

なお、Solaris Easy Access Server 2.0 をご利用になる場合、含まれている各製品のソフトウェア容量については、『Solaris Easy Access Server 2.0 インストールライブラリ』を参照してください。

Solaris 7 Software CD のソフトウェア容量

次の表は、Solaris 7 オペレーティングシステム (日本語版) だけをインストールするために必要なディスク容量を、インストールするロケール別に示しています。記載されている値は、必要な容量の推奨値 (カッコ内は最小値) です。また、スワップ領域に必要な容量は含まれていません。

なお、従来の対話式インストールで「ソフトウェアの選択」画面に実際に表示される各ソフトウェアグループの値は、スワップ領域を含んだ値で、インストールするシステムのディスクやメモリーのサイズによって異なります。

表 2-1 Solaris 7 Software CD のソフトウェア容量 (単位: M バイト)
 ソフトウェアグループ 必要な容量の概算推奨値 (カッコ内は最小値)
  ja(EUC) のみ PCK のみ UTF-8 のみ 全部
 全体ディストリビューション 802 (684) 802 (684) 810 (684) 849 (723)
/ 48 (40) 48 (40) 48 (40) 48 (40)
/usr 738 (628) 738 (628) 746 (628) 785 (667)
/opt 16 (16) 16 (16) 16 (16) 16 (16)
 開発者システムサポート 739 (629) 739 (629) 747 (637) 794 (668)
/ 40 (40) 40 (40) 40 (40) 48 (40)
/usr 683 (581) 683 (581) 691 (589) 730 (620)
/opt 16 (8) 16 (8) 16 (8) 16 (8)
 エンドユーザーシステムサポート 441 (370) 441 (370) 449 (378) 464 (393)
/ 40 (32) 40 (32) 40 (32) 40 (32)
/usr 385 (330) 385 (330) 393 (338) 408 (353)
/opt 16 (8) 16 (8) 16 (8) 16 (8)

Solaris 7 Documentation CD のソフトウェア容量

Solaris 7 では、日本語版、英語版の 2 種類の Documentation CD が提供されます。

日本語版の Documentation CD には、日本語の AnswerBook パッケージおよび一部の英語の AnswerBook パッケージ (日本語に翻訳されていない文書コレクションを含むもの) が含まれており、すべての日本語ロケールで共通なパッケージとなっています (「Solaris 7 Documentation CD (日本語版)」を参照してください)。

英語版の Documentation CD には、英語およびヨーロッパ言語のすべての AnswerBook パッケージが含まれています (「Solaris 7 Documentation CD」を参照してください)。

次の表に、日本語版の Documentation CD に含まれているパッケージとその容量を示します。これらのパッケージは、/opt にインストールされます。

表 2-2 Solaris 7 Documentation CD (日本語版) のソフトウェア容量 (単位 : M バイト)
 パッケージ 形式 AnswerBook 名 必要な容量の概算値
 [日本語]   
SUNWjinab AB2 Solaris 7 インストール Collection 18
SUNWjabe AB2 Solaris 7 ユーザー Collection 53
SUNWjaadm AB2 Solaris 7 システム管理 Collection 61
SUNWjabsd AB2 Solaris 7 ソフトウェア開発 Collection 28
SUNWjdad AB2 Solaris 共通デスクトップ環境 1.3 開発 Collection 20
SUNWamaja AB2 Solaris 7 リファレンスマニュアル Collection 40
SUWjopen AB2 OpenBoot Collection 7
[英語]   
SUNWinab AB2 Solaris 7 Installation Collection 3
SUNWabsdk AB2 Solaris 7 Software Developer Collection 16
SUNWaman AB2 Solaris 7 Reference Manual Collection 87
SUNWakcs AB2 KCMS AnswerBook 2
SUNWAxg AB1 Solaris XGL 3.3 AnswerBook 28

次の表に、英語版の Documentation CD に含まれているパッケージとその容量を示します [この表では、ヨーロッパ言語のパッケージは省略しています。] 。これらのパッケージは、/opt にインストールされます。

表 2-3 Solaris 7 Documentation CD のソフトウェア容量 (単位 : M バイト)
 パッケージ 形式 AnswerBook 名 必要な容量の概算値
 [英語]   
SUNWinab AB2 Solaris 7 Installation Collection 3
SUNWabe AB2 Solaris 7 User Collection 16
SUNWaadm AB2 Solaris 7 System Administration Collection 20
SUNWabsdk AB2 Solaris 7 Software Developer Collection 16
SUNWdtad AB2 Solaris Common Desktop Environment 1.3 Developer Collection 9
SUNWaman AB2 Solaris 7 Reference Manual Collection 87
SUNWopen AB2 OpenBoot Collection 2
SUNWakcs AB2 KCMS AnswerBook 2
SUNWAxg AB1 Solaris XGL 3.3 AnswerBook 28

次の表に、AnswerBook2 文書サーバー (以降「文書サーバー」とします) を構成するパッケージ SUNWab2rSUNWab2sSUNWab2u をインストールするのに必要な容量を示します。文書サーバーについての詳細は、『Solaris 7 インストールライブラリ (Intel 版)』の「オンライン文書へのアクセス」および Solaris 7 Documentation CD (日本語版) に含まれる README_ja.html を参照してください。

表 2-4 文書サーバーのソフトウェア容量 (単位: M バイト)
 ディレクトリ 必要な容量の概算値
/ 1.3
/usr 30

次の表に、Netscape Communicator 4.05 をインストールするのに必要な容量を示します。

表 2-5 Netscape Communicator 4.05 のソフトウェア容量 (単位: M バイト)
 ディレクトリ 必要な容量の概算値
/opt 16

日本語環境のインストール方法

この節では、Solaris 7 を日本語環境でインストールするための方法を説明します。日本語環境でインストールするには、大きく分けて「デフォルトロケールの設定」「インストール言語の設定」の 2 つの設定が必要です。それ以外のインストール手順は英語版の Solaris と同じです。『Solaris 7 インストールの手引き』に書かれているインストール手順に従ってください。

なお Solaris 7 では、文字エンコーディングが異なる次の 3 つの日本語ロケールがサポートされています。

デフォルトロケールの設定

インストール後のシステムのデフォルトロケールを設定します (具体的には、/etc/default/init ファイル内に LANG 環境変数が定義されます)。

日本語環境をインストールする場合、システムのデフォルトロケールとして必ず日本語ロケールが設定されている必要はありませんが、設定されていることを推奨します。システムのデフォルトロケールとして日本語ロケールが設定されていると、たとえば、システムログイン時の LANG の設定をユーザーごとに環境設定ファイルで定義しなくても済みます。また、dtlogin の言語設定で、デフォルトで日本語ロケールが設定されます。

また、インストール前にこのデフォルトロケールをあらかじめ設定しておくことも可能です。この事前設定をしておくと、GUI インストール時にもロケール設定画面が表示されないため、たとえばカスタム JumpStartTM による自動インストールのように意図的にロケール設定画面を表示させたくない場合などに有効です。 [デフォルトロケールの事前設定を行うには、「ネームサービスに事前に定義しておく方法」または「sysidcfg ファイルを使用する方法」の 2 通りがあります。 詳しくは、『Solaris のインストール (上級編)』を参照してください。]

インストール言語の設定

言語 (ロケール) に依存するソフトウェアパッケージ (JFP パッケージ) のインストールを決定します。日本語環境をインストールするには、必ず JFP パッケージをインストールする必要があります。JFP パッケージについての詳細は、『Solaris 7 オンラインリリース情報』の「Solaris 7 パッケージ情報」(package ファイル) を参照してください。

Solaris 7 では、ja ロケール環境、ja_JP.PCK ロケール環境、ja_JP.UTF-8 ロケール環境、そしてそれらの任意の混在環境をインストールすることが可能です。

オンラインリリース情報

Solaris 7 Software CD には、『Solaris 7 オンラインリリース情報』がテキスト形式で提供されています。本書は、インストールに関連する情報に加えて、『Solaris 7 オンラインリリース情報』を作成後に明らかになった情報を元に作成されているため、適宜、本書と共に以下のオンラインリリース情報を参照してください。

参照方法

テキストエディタや vi エディタなどを利用して各ファイルを参照することができます。インストール前などに Solaris 7 Software CD から直接参照するには、次のディレクトリにアクセスして各ファイルを参照してください。

/cdrom/ja_sol_7_x86/s2/Solaris_2.7/Docs/release_info/<locale>

Solaris CDE 環境では、フロントパネルにあるアプリケーションマネージャのアイコンを選択し、「インフォメーション」を選択することによって参照できます。各ファイルは、以下のディレクトリの下に配置されています。

インストール方法

Solaris 7 オンラインリリース情報は、次のパッケージに含まれています。


注 -

SUNWjrdmSUNWjprdmSUNWjurdm は、それぞれコードエンコーディングが違うだけで、記述されている内容は同じです。


「エンドユーザシステムサポート」以上のソフトウェアグループ (クラスタ) でインストールすると、英語版の SUNWrdm パッケージ、およびインストール言語として選択したロケールに依存する日本語パッケージが自動的にインストールされます。

「コアシステムサポート」でインストールする場合には、Solaris インストール時に「ソフトウェアのカスタマイズ」画面で、「On-Line Open Issues ReadMe (SUNWrdm)」パッケージを明示的に追加選択してインストールしてください。