SunVTS 3.0 ユーザーマニュアル

ローカルシステムの SunVTS の起動

ここでは、一般的な SunVTS の起動方法について説明します。

sunvts コマンドを使用する

SunVTS を起動する最も一般的な方法は、オプションを付けずに sunvts コマンドを使用する方法です。sunvts コマンドは、ウィンドウ環境 (CDE、OPEN LOOK、なし) を判断して、対応する SunVTS インタフェースを起動することができます。sunvts コマンドにオプションを指定することによって、特定の SunVTS ユーザーインタフェースで SunVTS を起動することもできます (下記の説明を参照)。

sunvts コマンドは、動作中の Solaris のバージョン (32 ビットまたは 64 ビット) に基づいて、対応する SunVTS カーネルを起動します。

sunvts のコマンド構文とオプション

表 3-2 sunvts のコマンド構文

/opt/SUNWvts/bin/sunvts [-tqpvsel] [-o オプションファイル名] [-f ログファイルディレクトリ名] [-h ホスト名]

引数 

説明 

-e

接続用アクセス権の確認機能を無効にします。 

-f ログファイルのディレクトリ名*

デフォルトの /var/opt/SUNWvts/logs 以外の代替ログファイルディレクトリを指定します。

-h ホスト名

ローカルマシンでユーザーインタフェース (vtsui または vtstty) を起動し、指定ホストマシンの SunVTS カーネル (vtsk) への接続を試みます。指定したホスト名と、SunVTS テストを実行しようとするホスト名が同じ場合は、SunVTS カーネル (vtsk) が起動されます。テストシステムで vtsk がすでに動作している場合、-o-f-q-p-s オプションは無視されます。

-l

OPEN LOOK ユーザーインタフェースを起動します。 

-o オプションファイル名

指定したオプションファイルから読み取ったテストオプションを使用して、 SunVTS カーネルを起動します。指定したオプションファイルは、ユーザーインタフェースによって /var/opt/SUNWvts/options ディレクトリに保存されます。

-p

SunVTS カーネルを起動します。ただし、テストシステムのデバイスの状態は調査しません。 

-q

テストが停止したときに、SunVTS カーネルとユーザーインタフェースの両方を自動的に終了します。 

-s

選択したグループのテストを自動的に開始します。このフラグを指定するときは、-o オプションファイル名 フラグを指定する必要があります。

-t

GUI ではなく TTY ベースのプログラムである vtstty を起動します。このオプションを指定しない場合は、CDE GUI が動作しているときは vtsui が、OPEN LOOK GUI が動作しているときは vtsui.ol が起動されます。

-v

SunVTSカーネルと GUI のバージョン情報を表示します。  

 

* Solstice SyMON の実行中に -f オプションを使用した場合、ログファイルディレクトリは作成されません。

デフォルトのインタフェースで SunVTS を起動する

デフォルトのインタフェースで SunVTS を起動する場合は、以下のコマンドを入力します。


# /opt/SUNWvts/bin/sunvts

sunvts コマンドは、動作中の Solaris のバージョン (32 ビットまたは 64 ビット) を判断し、対応する SunVTS カーネル (vtsk) を起動します。

初期化の際に、SunVTS カーネルは、システム構成を確認するためにすべてのデバイスを調査します。次に、ユーザーインタフェースを起動して、構成情報をインタフェースに渡します。

起動する SunVTS ユーザーインタフェースは、以下の条件に基づいて決定されます。


注 -

connection to ":0.0" refused by server. Xlib: Client is not authorized to connect to Server. Error: Can't open display: :0.0 というエラーメッセージが表示された場合は、xhost + と入力して、xhost アクセス権を付与する必要がある場合があります。


sunvts コマンドで使用できるコマンド行オプションについては、sunvts のコマンド構文とオプション」を参照してください。

CDE インタフェースで SunVTS を起動する

CDE を起動します。

  1. 以下の sunvts コマンドを入力します。


    # /opt/SUNWvts/bin/sunvts

OPEN LOOK インタフェースで SunVTS を起動する

sunvts コマンドに -l オプションを指定します。


# /opt/SUNWvts/bin/sunvts  -l

TTY インタフェースで SunVTS を起動する

sunvts コマンドに -t オプションを指定します。


# /opt/SUNWvts/bin/sunvts  -t

SunVTS のバージョン情報を表示する

sunvts コマンドに -v オプションを指定します。


# /opt/SUNWvts/bin/sunvts -v
vtsui: SunVTS, 3.0 

SunVTS カーネルとインタフェースの単独起動

sunvts コマンドは、構成に従った SunVTS カーネルおよびユーザーインタフェースの両方を起動します。これに対して、SunVTS カーネルだけを起動したり、特定のユーザーインタフェースだけを指定したりするコマンドがあります。

SunVTS カーネル (vtsk) を起動する

vtsk コマンドは、SunVTS カーネルを起動します。コマンド行オプション (表 3-3 を参照) を使用して、このコマンドの動作を制御することができます。

vtsk のコマンド行構文とオプションは、以下のとおりです。

表 3-3 vtsk のコマンド構文とオプション

/opt/SUNWvts/bin/vtsk [-epqsv] [-o オプションファイル名] [-f ログファイルディレクトリ名]

引数 

説明 

-e

接続用アクセス権の確認機能を無効にします。 

-f ログファイルのディレクトリ名*

デフォルトの /var/opt/SUNWvts/logs 以外の代替ログファイルディレクトリ名を指定します。

-o オプションファイル名

オプションファイルから読み取ったテストオプションを使用して、SunVTS カーネルを起動します。指定したオプションファイルは、ユーザーインタフェースによって /var/opt/SUNWvts/options ディレクトリに保存されます。

-p

SunVTS カーネルを起動します。ただし、テストシステムのデバイスの状態は調査しません。 

-q

テストが終了したとき SunVTS カーネルとユーザーインタフェースの両方を自動的に終了します。 

-s

選択したグループのテストを自動的に開始します。このフラグを指定するときは、-o オプションファイル名 フラグを指定する必要があります。

-v

SunVTS カーネルからの SunVTS のバージョン情報のみを表示します。vtsk オプションは、vtsk デーモンを起動しません。

 

* Solstice SyMON の実行中に -f オプションを使用した場合は、ログファイルディレクトリは作成されません。

特定の SunVTS ユーザーインタフェースを起動する

ほとんどの場合は、sunvts コマンドを使用すると、適切な SunVTS ユーザーインタフェースが起動されます。SunVTS カーネルを起動せずに特定のユーザーインタフェースだけを起動する場合は、以下のいずれかのコマンドを使用します。

CDE インタフェースを起動する場合。


# /opt/SUNWvts/bin/vtsui

OPEN LOOK インタフェースを起動する場合。


# /opt/SUNWvts/bin/vtsui.ol

TTY インタフェースを起動する場合。


# /opt/SUNWvts/bin/vtstty

いずれの場合も、起動されたユーザーインタフェースは SunVTS カーネルへの接続を試みます。


注 -

SunVTS ユーザーインタフェースを起動する際に、スーパーユーザーになる必要はありません。