この章では、以下の環境における推奨調整方法を説明します。
属性依存の環境
主に 100 〜 200 バイトの小さなファイルにアクセスするアプリケーションや環境です。ソフトウェア開発環境は、属性依存の環境です。
データを扱うことの多い環境
主に大きなファイルにアクセスするアプリケーションや環境です。大きなファイルとは、転送に 1 秒以上かかる、最低でも 1MB ほどのファイルと定義できます。たとえば、CAD や CAE 環境は、大きなデータを扱うことの多い環境です。
システム調整にあたっては、以下の事項を確認してください。
NFS サーバーを設定した後、システムの調整を行ってください。NFS サーバーを調整するには、ネットワーク、ディスクドライブ、CPU、メモリーと NFS 性能の関係についての基礎的な知識が必要になります。また、システムを調整するには、どのパラメタを調整すれば、バランスが良くなるかを理解しておく必要があります。
統計情報を収集します。
統計情報を収集します。
制限を受けている、または、過度に使用されている資源の特定と、それに基づくシステムを再構成します。
第 2 章「NFS 性能の分析」と、この章で推奨している調整方法の説明を参照してください。
再構成後の長期間にわたる性能測定と評価を行います。
NFS 処理は、必ずユーザーレベルのタスクに優先して、オペレーティングシステムのカーネル内部で行われます。
NFS の負荷が大きい場合に、それ以上 NFS サーバーがタスクを実行しようとすると、その処理は遅くなるため、1 台の NFS サーバー上で複数のデータベースを実行したり、複数の時分割負荷をかけたりしないでください。
一般的に、メールの送信や印刷などの非対話型処理では、NFS の処理と NFS 以外の処理という 2 つの目的にサーバーが使用されます。これらの非対話型処理には、SPARCprinter (Solaris 2.6 以降のリリースではサポートされません) や、NeWsprint(TM) ソフトウェアに基づくサンのプリンタによる処理は含まれません。CPU の処理能力に余裕があり、NFS の負荷が小さい場合は、対話型の作業は問題なく行うことができます。