Sun NFS サーバーの調整

ネットワーク条件

十分なネットワーク帯域幅および可用性を提供することが NFS サーバーを環境設定する上で最も重要な要素となります。これを実現するには、適切な数と種類のネットワークとインタフェースを設定する必要があります。

ネットワークを設定する際は、以下のことを注意してください。

ディスクに対する入出力の処理が、頻繁に行われるシステムではない場合は、単にシステムにディスクを追加しても、NFS の性能が向上することはありません。ファイルサーバーのサイズが大きくなるにしたがって、ネットワークが NFS の性能を制限する要素になる可能性が高くなります。システムのバランスを保つためには、ネットワークインタフェースを追加する必要があります。

1 つのネットワークでより多くのデータブロックを転送するのではなく、代表的なクライアントが使用するデータ量の特徴を把握して、複数のネットワークに NFS の読み書きを分散させてください。

データを扱うことの多いアプリケーションに対するネットワーク条件

データを扱うことの多い (Data-Intensive) アプリケーションは、ほとんどの場合はネットワークを必要としません。ただし、ネットワークを使用する場合は、大きな帯域幅が必要となります。

運用環境が以下のいずれかの特徴をもつ場合は、高速なネットワーク環境が必要になります。

サーバーの主要アプリケーションがデータを扱うことの多い場合にネットワークを設定する

属性依存のアプリケーション

データを扱うことの多いアプリケーションと比較して、大部分の属性依存 (Atribute-Intensive) のアプリケーションは、高価なネットワークを構築せずに容易に対処することができます。ただし、属性依存のアプリケーションでも、多数のネットワークが必要となります。Ethernet やトークンリングなどの低速のネットワークメディアを使用してください。

サーバーの主要アプリケーションが、属性依存の場合の推奨ネットワーク構成は、以下のとおりです。

複数のユーザークラスが存在するシステム

異なる種類のネットワークを混在させるのが一般的です。たとえば、FDDI とトークンリングはともに、文書画像作成アプリケーション (データを扱うことが多い) や、PC で動作する財務分析アプリケーション (ほとんどの場合は属性依存) をサポートするサーバーに適しています。

多数のネットワークインタフェースカードが必要になることがあるため、選択するプラットフォームは、ネットワークの種類と数によって決まります。

  1. 複数のユーザークラスが存在するサーバーに対しては、異なる種類のネットワークを混在させます。