特記事項: hme FastEthernet デバイスドライバ

ndd を使用したパラメタの設定

システムを再起動するまで有効となるパラメタを設定するには、ndd ユーティリティーを使用します。ndd ユーティリティーは、DLPI (Data Link Provider Interface) が実装されているすべてのネットワークドライバに対応しています。

以下の節では、hme ドライバと ndd ユーティリティーを使用して、それぞれの SUNW,hme デバイスのパラメタを変更 (-set オプションを使用) または表示 (-set オプションを使用しない) する方法を説明します。

デバイスインスタンスの特定

SUNW,hme デバイスが複数ある場合は、ndd ユーティリティーを使用して hme デバイスのパラメタの表示または設定するには、ndd ユーティリティーのデバイスインスタンスを指定する必要があります。


注 -

hme デバイスが 1 つのみの場合は、ndd ユーティリティーによって自動的にこのデバイスが選択されます。


ndd ユーティリティーにデバイスインスタンスを指定する
  1. /etc/path_to_inst ファイルを調べて、目的のデバイスのインスタンスを特定します。

  2. インスタンス番号を使用して、目的のデバイスを選択します。


    % ndd -set /dev/hme instance インスタンス番号
    

    選択したデバイスは、別のデバイスを選択するまで有効となります。

非対話モードと対話モード

ndd ユーティリティーは、以下の 2 種類のモードで使用することができます。

非対話モードでは、ndd ユーティリティーを使用して特定のコマンドを実行します。コマンドが実行されると、ユーティリティーは終了します。対話モードでは、ndd ユーティリティーを使用して複数のパラメタ値を表示または設定することができます。詳細は、ndd(1M) のマニュアルページを参照してください。

非対話モードで ndd ユーティリティーを使用する

ここでは、パラメタ値を変更または表示する方法を説明します。

  1. パラメタ値を変更するには、-set オプションを使用します。

    -set オプションを指定して ndd ユーティリティーを呼び出すと、ユーティリティーは指定された値をドライバに引き渡し、パラメタに割り当てます。値には /dev/hme ドライバインスタンスを、名称まで含めて指定します。


    % ndd -set /dev/hme パラメタ名 
    

  1. パラメタ値を表示するには、パラメタ名だけを指定し、を省略します。

    -set オプションを省略すると、照会とみなされます。ndd ユーティリティーは指定されたドライバインスタンスを照会し、指定されたパラメタの値を取り出し、表示します。


    % ndd /dev/hme パラメタ名
    

対話モードで ndd ユーティリティーを使用する
  1. 対話モードでパラメタ値を変更するには、以下のように ndd hme を指定します。

    ndd ユーティリティーは、パラメタ名の入力を促すプロンプトを表示します。


    % ndd /dev/hme
    name to get/set? (パラメタ名を入力します。
                      ? を入力するとパラメタの一覧が表示されます)

    次にパラメタ値を入力します。詳細は、表 2-1表 2-8 を参照してください。

  1. hme ドライバで使用することができるすべてのパラメタを表示するには、 ndd /dev/hme ¥? と入力します。


    例 3-1 hme ドライバが対応しているすべてのパラメタの一覧表示

    example# ndd /dev/hme ¥?
    ?                             (read only)
    transceiver_inuse             (read only)
    link_status                   (read only)
    link_speed                    (read only)
    link_mode                     (read only)
    ipg1                          (read and write)
    ipg2                          (read and write)
    use_int_xcvr                  (read and write)
    pace_size                     (read and write)
    adv_autoneg_cap               (read and write)
    adv_100T4_cap                 (read and write)
    adv_100fdx_cap                (read and write)
    adv_100hdx_cap                (read and write)
    adv_10fdx_cap                 (read and write)
    adv_10hdx_cap                 (read and write)
    autoneg_cap                   (read only)
    100T4_cap                     (read only)
    100fdx_cap                    (read only)
    100hdx_cap                    (read only)
    10fdx_cap                     (read only)
    10hdx_cap                     (read only)
    lp_autoneg_cap                (read only)
    lp_100T4_cap                  (read only)
    lp_100fdx_cap                 (read only)
    lp_100hdx_cap                 (read only)
    lp_10fdx_cap                  (read only)
    lp_10hdx_cap                  (read only)
    instance                      (read and write)
    lance_mode                    (read and write)
    ipg0                          (read and write)
    example# 

強制モードの設定

強制モード (自動ネゴシエーション不可) を設定する方法を説明します。

ローカルトランシーバの機能から 1 つを選択して、強制モードに設定する
  1. 5 つある機能 (adv_100T4_capadv_100fdx_capadv_100hdx_capadv_10fdx_capadv_10hdx_cap) から 1 つを選択し、その値を 1 に設定します。

    ローカルトランシーバの機能を複数選択した場合は、優先順位の高い機能が選択されます。

  2. ハードウェアが通知するローカルトランシーバの機能として、自動ネゴシエーション不可を説明する強制モード を設定します (adv_autoneg_cap 0)。

    「対話モードで ndd ユーティリティーを使用する」の説明に従って、ndd ユーティリティーを使用してください。

自動ネゴシエーションモード

ここでは、5 つあるローカルトランシーバ機能から 1 つ以上を選択して、自動ネゴシエーションモードに設定する方法を説明します。

自動ネゴシエーションモードに設定する
  1. 遠隔システムに通知する機能として、5 つある機能 (adv_100T4_capadv_100fdx_capadv_100hdx_capadv_10fdx_capadv_10hdx_cap) から 1 つ以上を選択し、その値を 1 に設定します。

  2. ハードウェアが通知するローカルトランシーバの機能として、自動ネゴシエーションを設定します (adv_autoneg_cap 1)。

    「対話モードで ndd ユーティリティーを使用する」の説明に従って、ndd ユーティリティーを使用してください。

TCP/IP を設定することによる性能の最大化

以下に、性能を最大にするのための TCP/IP スループットのベンチマークの方法と、TCP/IP のハイウォーターマークの設定方法について説明します。

TCP/IP を設定して性能を最大にする
  1. TCP/IP スループットのベンチマークを実行するときには、ndd コマンドを使用して TCP パラメタのいくつかに値を入力し、性能を最大にします。

  1. TCP のハイウォーターマークを設定するときには、以下の ndd コマンドを入力して、性能を最大にします。


    # ndd -set /dev/tcp tcp_xmit_hiwat 65535
    # ndd -set /dev/tcp tcp_recv_hiwat 65535
    # ndd -set /dev/tcp tcp_cwnd_max 65534