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視覚的な障害

視覚的な障害者が必要とするツールには、眼鏡、大きなサイズのディスプレイとフォントなどから、全盲のユーザがナビゲートしたり、画面に表示されているものを音声で確認できるようにするための画面読み上げソフトウェアまで、さまざまなものがあります。

小さなフォントを読むことは、視力の弱いユーザにとっては難しい場合があります。ユーザは、テキスト区画、メニュー、ラベル、および情報メッセージを含むすべてのフォントを簡単に構成できなければなりません。フォント・サイズと字体をハード・コードしてはなりません。

カラーに依存する情報の解釈 (たとえば赤は中止、緑は続行など) は、視覚障害を持つユーザにとっては困難である場合があります。色盲のために、一部のカラーを区別できない人は、かなりの数存在します。このため、カラーを唯一の情報源として使用することは避けます。

解釈だけでなく、バックグラウンド・カラーとテキスト・カラーの組み合わせによっては、視覚障害を持つユーザがテキストを読むのが難しくなることがあります。この例でも、ユーザによる選択を可能にすることが重要です。カラーの選択をハード・コードしてはなりません。ユーザは、自分にとって最適なカラーが選択できるように、デフォルト・カラーを無効にできなければなりません。

すべてのウィジェット・インスタンスに、意味のある名前を付けてください。意味のある名前は、画面読み上げソフトウェアを使用している視覚障害を持つユーザの役に立ちます。たとえば、消しゴムのグラフィックに widget5 というような名前を付けるのではなく、消しゴムという名前や、その他の説明的な名前を付けます。

このような説明的な情報がないと、全盲あるいは弱視のユーザは、ラベルの付いていないウィジェット、図のラベルが付いているウィジェット、あるいはカスタム・ウィジェットを解釈できなくなります。このような場合には、この情報を用意することがアクセスのための必要条件になります。また、意味のあるウィジェット名を付けることで、コードのデバッグがしやすくなるという恩恵もあります。

最後に、視覚障害を持つ多くのユーザが、キーボードによるナビゲーションと制御に頼っており、ポインティング・デバイスを使うことはないという点に注意してください。

ガイドライン

推奨 

ie: 

カラーをハード・コードしてはならない。− 275 ページ

推奨 

if: 

線、境界、シャドウといったグラフィック属性をハード・コードしてはならない。− 275 ページ

推奨 

ig: 

フォント・サイズとスタイルをハード・コードしてはならない。− 275 ページ

推奨 

ih: 

すべてのアプリケーション・コードは、ウィジェットに対して、説明的な名前を付けなければならない。テキストではなくグラフィックを使用しているウィジェット (たとえば、パレットの項目やアイコン) に、説明的な名前を付けることにより、視覚障害を持つユーザも画面読み上げソフトウェアを使って情報を得ることができる。− 275 ページ