共通デスクトップ環境 ToolTalk メッセージの概要

ToolTalk セッション内のメッセージ・トラフィックのトレース

Session_Trace 要求は、ttsession がそれ自身を処理するために登録する ToolTalk 要求です。つまり、ttsession は Session_Trace 要求のハンドラです。この要求は、どの ToolTalk クライアントでも送信できます。お勧めできる方法ではありませんが、この要求を処理するために他の ToolTalk クライアントを登録できます。


注 -

この方法ではトレースは行われません。


この要求の構文は次のとおりです

[file] Session_Trace( in boolean on,
                      in boolean follow
                      [in attribute toPrint
                      |in state toTrace
                      |in op toTrace
                      |in handler_ptype toTrace
                      |in sender_ptype toTrace][...] ); 

Session_Trace 要求は、配信範囲指定されたセッションでのメッセージ・トレースをオンまたはオフにします。

デフォルトの場合、デーモン・モードでは ttsession を実行中のホストのコンソールが出力先になります。ジョブ・コントロール・モードでは、ttsession の標準エラーが出力先になります。表 4-1 は、この要求の必須およびオプションの引き数を示しています。

表 4-1 Session_Trace 引き数

引き数 

 

説明 

boolean on

必須 

トレースをオンまたはオフにします。toTrace 引き数がなく on が true の場合は、前のトレース設定が復元されます。

boolean follow

必須 

起動したクライアントのクライアント側トレースをオンにします。 

attribute toPrint

オプション 

トレースされた各メッセージの属性を出力します。有効な属性は次のとおりです。 

  • none - トレースされたメッセージの記述を 1 行だけ出力 (デフォルト)

  • all - トレースされたメッセージの属性全部を出力

 

 

state toTrace

オプション 

メッセージをトレースするための状態。tt_c.h に定義されている Tt_states の他に有効な状態は次のとおりです。

  • edge - 初期の状態 (TT_SENT) と最後の状態 (TT_HANDLED TT_FAILED) を入力しているメッセージ

  • deliver - すべての状態の変更と、すべてのクライアントの配信

  • dispatch - deliver 状態および一致するように考慮されたすべてのパターン (デフォルト)

op toTrace

sender_ptype toTrace

handler_ptype toTrace

オプション 

オプション 

オプション 

表示されたメッセージ属性の値として toTrace を持っているトレース・メッセージ

  • 要求には、toTrace 引き数を任意の数だけ含めることができます。

  • toTrace にはシェルのワイルドカード文字も指定できます。

  • 指定のメッセージ属性に対して toTrace 引き数がない場合、トレースからメッセージを除外する属性の値もありません。

現在のセッション・トレースの動作は、この要求が失敗しない場合にのみ変更されます。失敗した場合には、応答の tt_message_status表 4-2 で説明されているエラーの 1 つに設定されます。

表 4-2 Session_Trace 要求が返すエラー・メッセージ

エラー 

説明 

TT_ERR_NO_MATCH

要求に対するハンドラを見つけることができません。 

TT_ERR_APPFIRST + EACCES

ttsession がトレース・ファイルを開くまたは作成するためのアクセス権を持っていません。 

TT_ERR_APPFIRST + EISDIR

トレース・ファイルがディレクトリです。 

TT_ERR_APPFIRST + ENOSPC

ターゲット・ファイル・システムにトレース・ファイルの作成に十分なスペースがありません。 

TT_ERR_APPFIRST + EEXIST

トレースがすでに別のファイルで行われています。ttsession は、応答のファイル属性を再設定して既存のトレース・ファイルの名前を付けます。別のファイルへのトレースを行うには、最初に現在のトレース・ファイルへのトレースをオフにします。