名前 | 形式 | 使用条件 | 機能説明 | オペランド | 使用法 | ファイル | 関連項目 | 注意事項
SUNWjc0w
udicmtool は、cs00 のユーザー辞書を編集する日本語 OpenWindows のユーティリティです。udicmtool は大きく分けて 2 つの機能を備えています。1 つは利用中の辞書に対して単語を登録したり削除したりする機能です。この機能によって、そのとき動作している他のアプリケーションに対して、辞書の変更内容をすぐに反映することができます。もう 1 つは利用中でない、ユーザー辞書形式ファイルを編集する機能です。この機能によって辞書形式ファイルを自由に編集することができます。さらにユーザーはこの辞書を利用中の辞書と置き換えることによって、その内容をかな漢字変換サーバーに一括して反映させることができます。
ユーザー辞書形式ファイルを編集する場合、udicmtool は、対象となる辞書形式ファイルのディレクトリ名 (「オペランド」の項を参照) を引数として受け付けます。また、udicmtool が起動したあとで対象となる辞書形式ファイルを変更することもできます。udicmtool は以下のサブウインドウを備えています。
利用中でない辞書形式ファイルを直接編集するためのテキストサブウインドウ
テキストファイルを編集するためのテキストサブウインドウ
現在利用していない辞書のディレクトリを指定します。たとえば /usr/lib/mle/ja/cs00 ディレクトリにユーザー辞書 (cs00_u.dic) がある場合、/usr/lib/mle と指定します。cs00 のメイン辞書 (cs00_m.dic) とユーザー辞書 (cs00_u.dic) は、必ず ja/cs00/cs00_m.dic、 ja/cs00/cs00_u.dic として存在している必要があります。このとき、指定したディレクトリにユーザー辞書とメイン辞書を置くようにしてください。
udicmtool では、xview(7) のリストにある XView コマンド行引数が使えます。
udicmtool は機能別に以下の 3 つのカテゴリの画面を備えています。
単語の登録 / 削除
利用中以外の辞書編集
テキストファイルの編集
各カテゴリの使用法は以下のとおりです。
「利用中の辞書」は、かな漢字変換サーバーが現在参照しているメモリー上の辞書に対して 単語の登録または削除を行います。「利用中以外の辞書」は、利用中でないユーザー辞書 ファイルに対して登録または削除を行います。このモードでは「メイン辞書」 および「ユーザー辞書」のテキストフィールド、「リスト」のスクローリングリスト および「一覧」ボタンが使用可能になります。
「変更」で「利用中以外の辞書」を選択した場合、ユーザー辞書に対応するメイン辞書を指定します。 udicmtool コマンドの引数として利用中でない辞書ディレクトリを指定した場合には、そのメイン辞書名が表示されます。メイン辞書の指定は「利用中以外の辞書」が 選択されたときだけです。
ユーザー辞書を指定します。 udicmtool コマンドの引数として 利用中でない辞書ディレクトリを指定した場合には、そのユーザー辞書名が表示されます。
登録または削除したい単語の読みを入力します。「利用中以外の辞書」を選択している場合、読みを入力してリターンキーを押すと、その読み以降の単語の一覧をスクローリングリストに表示します。また、読みを指定しないでリターンキーを押すと、単語の一覧を表示します。
登録または削除したい単語の表記を入力します。
登録したい単語の品詞をメニューから選択します。
「利用中以外の辞書」を選択すると、このスクローリングリストが 使用できます。削除したい単語をリストから選択して 「削除」ボタンをクリックすると、選択された単語を削除できます。
読み、単語および品詞を指定して「登録」ボタンをクリックすると、指定した単語が登録されます。「利用中の辞書」を選択している場合、ここで登録した単語は、その時点で実行中の他のアプリケーションにすぐに反映されます。
読みおよび単語を指定して「削除」ボタンをクリックする と、指定した単語が辞書から削除されます。「利用中の辞書」を選択している場合、ここで削除した結果は、その時点で実行中の他のアプリケーションにすぐに反映されます。また「利用中以外の辞書」を選択している場合、スクローリングリストの中から単語を 1 つ以上選択し、削除することもできます。 削除機能では、指定された読みおよび単語に複数の品詞が存在する場合でも、すべての品詞を削除します。したがって、品詞の指定は無視されます。
登録されている単語の一覧を表示します。「利用中以外の辞書」を選択すると、「一覧」ボタンが使用可能になります。その場合に「読み」に表示されている読み以降の単語の一覧をスクローリングリストに表示します。
編集するユーザー辞書に対応するメイン辞書を指定します。udicmtool コマンドの引数として利用中以外の辞書ディレクトリを指定した場合は、そのメイン辞書名が表示されます。
編集するユーザー辞書を指定します。udicmtool コマンドの引数として利用中以外の辞書ディレクトリを指定した場合は、そのユーザー辞書名が表示されます。
辞書の内容を表示した辞書編集ウインドウが立ち上がり、 辞書内容をテキスト形式で表示します。辞書レコードの形式に従って辞書の内容を編集できます。各レコードの形式は以下のとおりです。
読み 単語 品詞記号
たとえば次のようになります。
でばどら デバドラ :NI
各データは 1 個以上の半角スペースまたはタブで区切られ、 全角スペースは区切り記号とはなりません。また、品詞記号には先頭に : が必要です。
編集したテキスト内容で辞書を更新します。
テキストサブウインドウ内に表示されている内容を、現在の辞書内容でリセットします。
編集するテキストファイルを指定します。
ユーザー辞書に対応するメイン辞書を指定します。udicmtool コマンドの引数として利用中以外の辞書ディレクトリを指定した場合は、そのメイン辞書名が表示されます。
ユーザー辞書を指定します。udicmtool コマンドの引数として利用中以外の辞書ディレクトリを指定した場合は、その ユーザー辞書名が表示されます。
指定したテキストファイルの内容を表示した編集ウインドウが 立ち上がり、辞書レコードの形式に従ってテキストファイルの内容を編集できます。
表示されているテキストファイルの内容をユーザー辞書に一括して登録します。
表示されているテキストファイルの内容をユーザー辞書から一括して削除します。
表示されているテキストの内容を指定したファイル名で保存します。
EUC コードセット 1 に定義されているひらがなを 12 文字まで使用できます。ただし、先頭 1 文字には 'ゃ' などの拗音 および 'ゐ'、'ゑ'、'を'、'ん' を使用することはできません。また、'だ'、'ぱ' のような濁音、半濁音は 2 文字として扱います。 2 文字目以降はすべてのひらがな文字に加えて長音 ('ー') を 使用することができます。
EUC コードセット 1 および EUC コードセット 3 に定義されているすべての文字を 8 文字まで使用できます。 ただし、EUC コードセット 3 の文字を使用した場合、登録可能な文字数は 8 文字未満となります。
品詞情報は以下のような品詞記号で示されます。
記号 | 品詞 | 備考 |
---|---|---|
:N1 | 名詞1 | 普通名詞 |
:N2 | 名詞2 | 代名詞など |
:M1 | 人名1 | 姓 |
:M2 | 人名2 | 名 |
:T1 | 地名1 | |
:T2 | 地名2 | 都道府県 |
:NM | 数詞 | |
:NN | 助数詞 | 枚、回、年など |
:PR | 接頭語 | |
:SF | 接尾語 | |
:AD | 副詞 | |
:CN | 接続詞 | |
:RT | 連体詞 | |
:AJ | 形容詞 | |
:AV | 形容動詞 | |
:SH | サ変動詞 | |
:ZH | ザ変動詞 | |
:1V | 一段活用動詞 | |
:KV | カ行五段活用動詞 | |
:GV | ガ行五段活用動詞 | |
:SV | サ行五段活用動詞 | |
:TV | タ行五段活用動詞 | |
:NV | ナ行五段活用動詞 | |
:BV | バ行五段活用動詞 | |
:MV | マ行五段活用動詞 | |
:RV | ラ行五段活用動詞 | |
:WV | ワ行五段活用動詞 | |
:UN | 分類不可 | |
:TK | 単漢字 | |
:BS | 文節 |
udicmtool は Solaris 共通デスクトップ環境 (以降、Solaris CDE とします) の、ja ロケールおよび ja_JP.PCK ロケール環境でのみ使用できます。
各テキストフィールドの最大入力文字数は 256 文字です。
辞書形式ファイルの操作は、Solaris 2.2 で提供された辞書形式ファイルフォーマットと同様のものに対してだけ使用できます。
利用中の辞書を直接変更するのではなく、辞書形式ファイルの変更を現在のかな漢字変換サーバーに反映させるには、変更した辞書形式ファイルを、かな漢字変換サーバーが参照している辞書に置き換えて cs00 と htt を再起動し、アプリケーションを再起動しなければなりません。ただし、 htt の reconnection 機能を使用した場合には、アプリケーションの再起動は必要ありません。詳細については、htt(1) または cs00(1M) のマニュアルページを参照してください。
利用中以外の辞書を操作する場合は、かな漢字変換サーバーが参照している 利用中の辞書ファイルを直接指定することもできます。その場合には、かな漢字変換サーバーの学習機能による書き込みなど、同時に発生する書き込み操作によって編集中の辞書が破壊される可能性があるため、動作は保証できません。