プログラミングユーティリティ

分岐を使用する

並行して開発している、バグの修正やテストを行うための別のバージョンを追跡する必要がある場合は、分岐を使用できます。ただし分岐を作成する前に、SCCS admin コマンドを以下のように使用して履歴ファイルの b (branch) フラグを有効にする必要があります。

$ sccs admin -f b program.c

-fb オプションは、履歴ファイル中に b フラグを設定します。

分岐デルタの作成

program.c のデルタ 1.3 から分岐を作成するには、次のように sccs edit サブコマンドを使用します。

$ sccs edit -r 1.3 -b program.c

編集したバージョンをチェックインすると、分岐デルタの SID に 1.3.1.1 が含まれます。この分岐から以降に作成するデルタは、1.3.1.2 から順に SID が割り当てられます。

分岐デルタからバージョンを取り出す

通常、get を使用して取り出したバージョンには分岐デルタは含まれていません。分岐バージョン (分岐デルタを関連付けたバージョン) を取り出すには、-r オプションを使用して明示的に指定する必要があります。次の例のようにシーケンス番号を省略すると、SCCS は分岐中で最上位 (最後) のデルタを取り出します。

$ sccs get -r 1.3.1 program.c
1.3.1.1
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分岐をメインの幹に統合する

テストの完了後に、テストした機能を製品に組み込む場合があります。しかし、製品の開発は幹のバージョンで進行したために、分岐バージョンと幹での最新バージョンとの間に互換性がない場合があります。

この問題を解決する場合は、sccs edit-i オプションを使用して、ファイルをチェックアウトする際に含めるデルタのリストを指定すると便利です。指定したデルタでの変更が衝突する場合は警告が表示されます。衝突は、あるデルタでは削除する必要がある行が、別のデルタでは挿入する必要がある場合に発生します。衝突の解決はユーザーが行いますが、衝突している箇所は特定することができます。