プローブの属性と値に基づいてプローブを選択します。 selector_list に選択条件を指定します。それぞれの属性または値は、以下のいずれかで表現できます。
識別子−英字、数字、_ ¥ . % (下線、バックスラッシュ、ピリオド、パーセント記号) を使用した文字列。識別子の最初の文字を数字にすることはできません。
引用符付き文字列−単一引用符で囲んだ文字列。この文字列は文字どおりに解釈される直定数とみなされます。照合する文字列が予約語の場合に便利な表現です。予約語の一覧については、表 1-4 を参照してください。
正規表現−スラッシュ (/) で囲んだ文字列。ed(1) の規則に従って照合用に拡張されています。正規表現においてパス名などを表すためにスラッシュを使用する場合は、/¥/tmp¥/filename のように、バックスラッシュでそのスラッシュをエスケープしてください。
selector_list は、1 つ以上の selector= という形式の選択条件で構成されています。最初の selector= が指定されていない場合は、keys= がデフォルトになります。たとえば、enable コマンドは以下の書式で指定します。
enable selector_list
たとえば、以下のように指定します。
enable name=/first/ file='sampleZ.c'
このコマンドは、値 first が含まれている name 属性 (正規表現による一致) をもつプローブポイント、または値が sampleZ.c である file 属性を持つプローブポイントをすべて有効にします。なお、トレースは、論理積ではなく論理和であることに注意してください。
選択条件 selector_list の簡略名として、$set_name のように変数を設定することができます。以下の例では、myprobes がその set_name に当たります。
create $myprobes name=/first/ file='sampleZ.c' enable $myprobes
これは、前述の例と同じ処理を行います。set_name は、識別子の命名規則に従っています。デフォルト設定の $all は、プログラムのプローブをすべて選択します。