Solaris 移行ガイド

ディスクスライス (またはディスクパーティション)

1 つの連続ブロック、またはディスクの物理的なサブセットを SunOS 4.x ではディスクパーティションといいます。SunOS 5.xでは、ディスクの物理的なサブセットをディスクスライスといいます。ディスク上でファイルシステムを作成する前に、ディスクをフォーマット化し、いくつかのスライスに分割する必要があります。これは通常、Solaris 2.x インストレーションプログラムを使って Solaris をインストールする時に行われます。インストール後にディスクをインストールし、フォーマット化しなければならない場合は、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』を参照してください。


注 -

一部の Solaris のマニュアルでは、Solaris スライスをまだ「パーティション」と呼んでいる場合があります。Solaris 2.x のマニュアルでは、fdisk パーティション (Intel システムの場合) と、fdisk パーティション内部の区分を区別しています。後者の場合、各区分はスライスともパーティションとも呼ばれています。


Solaris fdisk パーティションの説明については、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』を参照してください。

スライスはスワップ空間用の raw デバイスとして、または 1 つの UFS ファイルシステムだけを持つデバイスとして使用できます。ただし、Solstice DiskSuiteTM のような製品を使っている場合は除きます。表 2-1 に、それぞれの Solaris 2.x プラットフォーム上でディスクスライスをセットアップする方法を説明します。

表 2-1 プラットフォームによるスライスの相違

SPARC 

Intel ベース 

ディスク全体が Solaris 動作環境専用に使われます。 

ディスクは 4 つの fdisk パーティションに分割され、1 つの動作環境に 1 つずつ使われます。

ディスクは 8 つのスライスに分割されており、0 〜 7 の番号が付いています。 

Solaris fdisk パーティションは 10 個のスライスに分割されており、0 〜 9 の番号が付いています。そのうち、ユーザのデータを格納できるのは 0 〜 7 だけです。

プラットフォーム別のディスクスライスの慣例的な割り当ての説明については、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』を参照してください。

シリンダグループ

あるディスクスライス上に UFS ファイルシステムを作成した場合、このディスクスライスは、1 つまたは複数の領域に分割されますが、この領域のことをシリンダグループと呼びます。シリンダグループは、1 つまたは複数の連続したディスクシリンダによって構成されています (ディスク装置は複数のディスクによって構成され、各ディスクの円周方向に沿っていくつものトラックが刻まれています。シリンダとは、いくつかのディスクで、ディスクの中心から同じ距離にあるトラックのことを指します) 。ディスクの構造に関する詳細は、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』を参照してください。

シリンダグループごとに、シリンダグループマップが作成されます。シリンダグループマップには、ブロックの使用状況と利用可能なブロックが記録されます。

図 2-1 は、ディスクスライスとシリンダグループの関係を示しています。

図 2-1 ディスクスライスとシリンダグループ

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