主要メッセージの手引き

"F"

failed to initialize adapter

原因

Solaris 2.x x86 のインストール時に Adaptec AHA-154x Cx SCSI HBA を使用すると、mdb デバイスプローブ処理中に、プローブがカードを正しく識別したあと、「failed to initialize adapter」というメッセージが表示されることがあります。このエラーの原因はさまざまですが、どの場合もカードの不適切な設定がエラーの原因です。

対処方法

この問題を解決するためには、コンピュータの起動時に Ctrl-a を押し、154x BIOS 構成ユーティリティを使用します。「Configure/View Host Adapter Settings」オプションを選択してから、F6 キーを押してアダプタを出荷時のデフォルト設定に戻します。

これを行なった後、x86 の『Device Configuration Guide』または、該当する場合は『Driver Update Guide』に記載されている指示どおりにアダプタを再設定します。アダプタが DMA 6 を使用する設定になっていることが特に重要です。デフォルトでは DMA 5 に設定されるので、変更する必要があります。

fbconsole: ioctl SRIOCSREDIR: Device Busy.

原因

コマンド行から OpenWindows を起動すると、Solaris の「開始 (Welcome)」画面に次のエラーメッセージが表示されます。 fbconsole: ioctl SRIOCSREDIR: Device Busy

OpenWindows に入ると、cmdtool -C の起動時に、バックグラウンドウィンドウに次のメッセージが表示されます。

SYSTEM WARNING: Object 0x340f8, Device busy, ioctl SRIOCSREDIR returned -1, attempt to make tty the console failed (Tty package)

対処方法

OpenWindows が (「&」の使用により) バックグラウンドで開始された可能性があります。OpenWindows を終了し、フォアグラウンドで次のコマンドを実行します。 /usr/openwin/bin/openwin

これで解決できない場合は、デーモンまたはプロセスがコンソールを「専有」している可能性があります。コマンド fuser /dev/console を入力してください。

プロセス ID のリストが返されます。これらのプロセスを調べ、アプリケーションがコンソールを専有していないか調べてください (ps(1) コマンドが便利です)。

fd0: unformatted diskette or no diskette in the drive

原因

このメッセージは、フロッピーディスクドライバ fd(7) がフロッピーディスクのラベルを読めないことを示すために、システムコンソールに表示されます。通常、新しいフロッピーディスクがフォーマットされていないか、またはフォーマット済みのフロッピーディスクが壊れていることが原因です。このメッセージは、多くの場合、volcheck(1) の実行後に「read failed」と「bad format」の各メッセージとともに表示されます。

対処方法

フロッピーディスクにデータが入っていないことが明らかな場合は、fdformat -d を実行して DOS 形式でフォーマットします (UFS 形式でフォーマットしてもかまいませんが、大部分のシステムでは使用できません)。フロッピーディスクがフォーマット済みの場合は、修復不可能なほどの損傷がなければ書き込めます。

File descriptor in bad state

原因

ファイル記述子が、開いていないファイルを参照しているか、あるいは書き込み専用に開かれているファイルに読み取り要求をしたかのどちらかです。

テクニカルノート

このエラーのシンボルの名前は、EBADFDerrno=81 です。

File exists

原因

既存ファイルの名前が、不適切なコンテキストで記述されています。たとえば、csh(1) noclobber オプションが設定されている場合、既存ファイルへのリンクの確立または上書きはできません。

対処方法

ディレクトリ内のファイル名を調べてから、別の名前でもう一度実行するか、あるいは既存ファイルの名前を変更または削除してから再度実行します。

テクニカルノート

このエラーのシンボルの名前は、EEXISTerrno=17 です。

File locking deadlock

原因

これはプログラミング上の問題であり、避けられない場合があります。

対処方法

ユーザーにできるのは、プログラムを再起動して、デッドロックが再現しないように祈ることだけです。

テクニカルノート

ファイルロックサブシステムで、2 つのプロセスが 1 つのロックを同時に変更しようとしました。あるいは、マルチスレッドサブシステムで、2 つのスレッドがデッドロック状態になり、続行できませんでした。スレッドライブラリを使用するプログラムがこのエラーを検出した場合は、プログラムはデッドロックしたスレッドを再起動しなければなりません。

このエラーのシンボルの名前は、EDEADLOCKerrno=56 です。

filemgr: mknod: Permission denied

原因

/tmp/.removable ディレクトリを他のユーザーが所有し、1777 モード以外になっていると、ファイルマネージャーはこのメッセージを発行し起動できません。たとえば、複数のユーザーが 1 台のワークステーションを共有している場合は、このようになることがあります。

対処方法

本来の所有者が (chmod(1) によって) このファイルのモードをデフォルトの作成モードである 1777 に戻します。ワークステーションをリブートしても、この問題は解決します。

テクニカルノート

これは既知の問題であり、Solaris 2.4 で修正されました。

File name too long

原因

指定したファイル名の文字数が多すぎます。

対処方法

ファイル名またはパス名の構成要素が長すぎる場合は、短い名前を考えてください。パス名全体が PATH_MAX の文字数よりも長い場合は、中間ディレクトリに変更してから、短いパス名を指定します。短い名前を付けた別のファイルに書き込まない限り、新規に作成したデータは失われます。

テクニカルノート

UFS または NFS マウントの UFS ファイルシステムで、パス名の構成要素の長さが MAXNAMLEN の文字数 (255) を超えたか、またはパス名全体の長さが PATH_MAX の文字数 (1024) を超えました。あるいは、System V ファイルシステムで、非短縮 (no-truncation) モードが有効になっているにもかかわらず、パス名の構成要素の長さが NAME_MAX の文字数 (14) を超えました。これらの値は、/usr/include/limits.h ファイルに定義されています。

このエラーのシンボルの名前は、ENAMETOOLONGerrno=78 です。

file system full

原因

ログイン時に、「file system full」というエラーが表示されます。ログインは失敗し、「No utmpx entry」というメッセージが表示されます。

関連項目

後述の「No utmpx entry」を参照してください。

FILE SYSTEM STATE IN SUPERBLOCK IS WRONG; FIX?

原因

fsck(1M) コマンドがファイルシステムのチェックを終え、クリーンな状態であると判断しました。しかし、ファイルシステムのスーパーブロックは、ファイルシステムに「ダーティー」な部分が残っていると見なしています。

対処方法

ファイルシステムが十分に修復されたと思う場合は、YES と答えてファイルシステムにクリーンのマークを付けます。

テクニカルノート

「ダーティーな」ファイルシステムのさまざまなタイプを /usr/include/sys/fs/ufs_fs.h に列挙してあります。これには、FSACTIVEFSBADFSFIXFSLOGFSSUSPEND などが含まれています。

関連項目

スーパーブロックの詳細については、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』のファイルシステムの完全性チェックに関する節を参照してください。AnswerBook を使用している場合は、bad superblock と入力し検索文字列として使用します。

File table overflow

原因

システム上で開いているファイルが多すぎるため、カーネルのファイルテーブルがいっぱいになりました。一時的に、これ以上のファイルは開くことができません。この状態のときに作成されたデータは失われる恐れがあります。

対処方法

多くの場合は、待っているだけで、ファイルを閉じる時間をシステムに与えることになります。ただし、このメッセージが頻繁に表示される場合は、カーネルを再構成して、開くことができるファイルの数を増やしてください。Solaris 2 でファイルテーブルのサイズを大きくする場合は、/etc/system ファイルにある maxusers の値を大きくします。デフォルトの maxusers 値は、メガバイト単位のメインメモリー量から 2 を引いたものです。

テクニカルノート

このエラーのシンボルの名前は、ENFILEerrno=23 です。

File too large

原因

ファイルのサイズが、ulimit(1) で指定された制限、またはファイルシステムがサポートしている上限を超えました。この状態のときに作成されたデータは失われる恐れがあります。

対処方法

C シェルの場合は、limit(1) コマンドを使用してデフォルトのファイルサイズを表示または設定します。Bourne シェルまたは Korn シェルの場合は ulimit -a コマンドを使用します。ファイルサイズが無制限であるとシェルが判断した場合でも、実際には FCHR_MAX (通常は 1 ギガバイト) がシステム上の制限です。

テクニカルノート

このエラーのシンボルの名前は、EFBIGerrno=27 です。

FREE BLK COUNT(S) WRONG IN SUPERBLK SALVAGE?

原因

フェーズ 5 の間に、fsck(1M) が、ファイルシステム内の空きブロックの実際の数がスーパーブロックの空きブロックの数と一致しないことを検出しました。df(1M) コマンドは、ファイルシステム容量の計測時にこの空きブロック数にアクセスします。

対処方法

通常、これらの質問にすべて YES と答えても、ファイルシステムに悪影響を与えることはありません。

関連項目

スーパーブロックの詳細については、 『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』のファイルシステムの完全性チェックに関する節を参照してください。AnswerBook を使用している場合は、bad superblock と入力して検索文字列として使用します。

fsck: Can't open /dev/dsk/string

原因

同様のファイルシステムは存在しますが、指定されたパーティションが存在しないため、fsck(1M) コマンドがディスクデバイスを開くことができません。

対処方法

mount(1M) コマンドまたは format(1M) コマンドを実行して、マシン上で構成されているファイルシステムを確認します。次に、既存のパーティションで fsck(1) を再度実行します。

fsck: Can't stat /dev/dsk/string

原因

指定されたファイルシステムが存在しないため、fsck(1M) コマンドがディスクデバイスを開くことができません。

対処方法

mount(1M) コマンドまたは format(1M) コマンドを実行して、マシン上で構成されているファイルシステムを確認します。次に、既存のファイルシステムで fsck(1M) を再度実行します。

ftp: ftp/tcp: unknown service

原因

ネームサービスを使用していないユーザーにエラーが発生しました。サービスファイルに異常は認められません。FTP の運用は、root には実行できますが、通常のユーザーには実行できません。

対処方法

/etc/services ファイルのアクセス権が正しくありません。問題を解決するには、誰でも読み取りアクセスができるようにアクセス権を変更 (644) します。

fw_ipinput: q fc5fddc0:illegal interface

原因

fwd の実行中に FireWall-1 システムに新しいネットワークインタフェースが追加されると、FireWall-1 カーネルモジュールによりこのエラーメッセージが表示されます。

対処方法

この問題を解決するには以下のコマンドを実行して、FireWall カーネルを再インストールし、セキュリティポリシーを再インストールします。


# fw ctl uninstall
# fw ctl install
# fw fetch localhost

fwm: no license

原因

fwstart コマンドを発行したとき、またはコマンド行から fwm を起動したときに、バージョン 2.1 の FireWall-1 からこのメッセージが表示されます。

これについては次の 2 つの理由が考えられます。

第 1 に、ファイアウォールのモジュールが同じマシン上に制御局なしにインストールされると、コンソール (UNIX の場合) またはイベントログ (Windows NT の場合) にメッセージが表示されます。

第 2 は、メッセージの内容が正しい場合です。これは fwm が起動されておらず、重要なタスクを実行できないことからわかります。ライセンスの発行先が正しくないホスト ID である場合も同じ結果になります。

対処方法

ライセンスデーモンがサーバで実行中であることを確認します。次に以下の処理を行います。

ケース 1. 回避策: メッセージを無視します。解決策: 2.1c 以降のバージョンにアップグレードします。

ケース 2. 誤った割り当てのライセンスがないかを確認するために、コマンド hostid(1) を実行します。ユーザーが使用しているホストの hostid が表示されます。

ここでコマンド fw printlic を実行します。次のような出力が表示されます。


This is FireWall-1 Version 2.1
Type             Expiration Features
id-649f152b	 never	    stdlight
最初のフィールドには、正しい hostid が表示されます。有効期限と機能も確認してください。付属機能などのリストについては、INFODOC 13215 を参照してください。 実際との相違が見つかった場合は、サンのライセンスセンターに連絡し、ライセンスの再発行を依頼します。ホスト ID とシリアル番号を確認してください。