主要メッセージの手引き

"Y"

yp_all RPC clnt_call (transport level) failure

原因

NIS のスレーブサーバに問題があり、ypbind(1M) が不定期に、「ypserver not responding」というエラーを表示するため、マシンをリブートしなければならなくなります。syslog の内容は次のとおりです。


Dec 14 07:11:03 rahab syslog: yp_all - RPC clnt_call (transport level) failure:
RPC: Unable to receive; An event requires attention

対処方法

この問題を回避するには、yp 起動スクリプト /etc/rc2.d/S71rpc 中で、ファイル記述子の最大数を増やします。スクリプト中で、ypserv の起動行より前に次の行を追加します。


	ulimit -n 256

ypbind[int]: NIS server for domain "string" OK

原因

このメッセージは、「NIS server not responding」メッセージの後に表示され、ypbind(1M) が NIS サーバと再び通信できるようになったことを示します。

対処方法

作業を続けてください。このメッセージは情報を表示しているだけです。

ypbind[int]: NIS server not responding for domain "string"; still trying

原因

これは、NIS クライアントデーモンである ypbind(1M) が、指定されたドメインの NIS サーバと通信できないことを示します。このメッセージは、NIS ネームサービスが実行されているワークステーションがネットワークから切り離された場合、あるいは NIS サーバが停止したかまたは応答が極度に遅い場合に表示されます。

対処方法

他の NIS クライアントが正常に動作している場合は、このメッセージが表示されたワークステーションの Ethernet 配線を確認します。SPARC マシンの場合は、ネットワークの配線が外れていると、複数の「no carrier」メッセージも表示されます。x86 マシンの場合は、ネットワーク配線が外れていることを示すのが上記のメッセージのみであることがあります。

ネットワーク上の多数の NIS クライアントにこのメッセージが表示されている場合は、問題の NIS サーバに移動して、必要に応じてリブートまたは修復します。ドメインの NIS サーバを特定するには、ypwhich(1) コマンドを実行します。サーバマシンが稼働状態に戻ると、NIS クライアントは「NIS server for domain OK」メッセージを表示します。

関連項目

ypbind(1M) の詳細については、『NFS の管理』の secure NFS の管理に関する節を参照してください。

ypwhich: can't communicate with ypbind

原因

ypwhich(1) コマンドからのこのメッセージは、NIS バインダプロセスである ypbind(1M) がローカルマシン上で実行されていないことを示します。

対処方法

NIS を使用できるようにシステムが構成されていない場合は、このメッセージが表示されるのは当然であり正常です。必要に応じて、NIS を使用できるようにシステムを構成してください。

NIS を使用できるようにシステムが構成されているにもかかわらず、ypbind(1M) プロセスが実行されていない場合は、次のコマンドを呼び出して起動します。


# /usr/lib/netsvc/yp/ypbind -broadcast