この章では、Solaris CD や他の製品の CD からソフトウェアを追加する方法と、システムからソフトウェアを削除する方法を説明します。これらの作業には、いくつかの方法があります。
製品 CD に入っている Solaris Web Start ユーティリティを使用して実行する
コマンド行から実行する
グラフィカルユーザーインタフェース、Admintool から実行する
なお、ソフトウェアパッケージを追加したり削除したりする方法についての詳細は、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』を参照してください。
この章では次の内容について、その手順を説明します。
この節では、Solaris Web Start ユーティリティを使用して、製品 CD からソフトウェアを追加する方法について説明します。
Solaris オペレーティング環境ソフトウェアのインストール後に、Solaris Web Start を使用して、Solaris CD からソフトウェアを追加することはできません。ただし、これを使用して、他の CD からソフトウェアをインストールすることはできます。Solaris CD から追加ソフトウェアをインストールするには、この章で後述するように pkgadd または Admintool を使用できます。
スーパーユーザーとしてログインします。
CD-ROM ドライブに製品 CD を入れます。
Solaris Web Start が自動的に開いて、初期画面が表示されます。
Web Start の画面の指示に従います。
ここでは、コマンド行からコマンドを入力してパッケージを追加したり削除する方法を説明します。
インストール済みのシステムにログインして、スーパーユーザーになります。
$ su |
追加するパッケージを含む CD を CD-ROM ドライブにロードします。
ボリューム管理が自動的に CD をマウントします。
pkgadd コマンドを使用して、1 つまたは複数のパッケージをシステムに追加します。
# /usr/sbin/pkgadd -d device-name pkgid |
指定の意味
device-name |
インストール済みのシステムに追加するパッケージを含む CD のパス名 |
pkgid |
インストール済みのシステムに追加するソフトウェアの省略したパッケージ名 (たとえば、SUNWaudio) |
パッケージのインストール時に問題が発生した場合、pkgadd プロセスは、その問題に関連するメッセージを表示して、次のプロンプトを表示します。
Do you want to continue with this installation? |
yes、no、または quit で応答してください。複数のパッケージを指定した場合、no を入力すると、インストール中のパッケージのインストールを停止しますが、他のパッケージのインストールは続けます。quit を入力すると、インストールを停止します。
パッケージが正しくインストールされていることを確認します。
# /usr/sbin/pkgchk -v pkgid |
pkgchk コマンドはエラーがないと判断した場合、インストールしたファイルを一覧表示します。エラーが発生した場合、エラーを報告します。
次の例は、パッケージ名 (この場合は、SUNWaudio パッケージ) を確認して、マウント済みの Solaris CD からそのパッケージをインストールする方法を示しています。また、pkgchk コマンドを使用して、パッケージファイルが適切にインストールされていることを確認する方法も示しています。
今回の Solaris リリースの名称は「Solaris 7」ですが、コード、パス名、パッケージパス名などで、「Solaris 2.7」または「SunOS 5.7」という名称が使用されていることがあります。コード、パス、パッケージパスなどを実際に入力または使用するときには、必ずマニュアル中に記述されている名称に従ってください。
インストール済みのシステムにスーパーユーザーとしてログインします。
$ su |
pkgrm コマンドを使用して、1 つまたは複数のパッケージをシステムから削除します。
# /usr/sbin/pkgrm pkgid |
指定の意味
pkgid |
インストール済みのシステムから削除するソフトウェアの省略したパッケージ名 (たとえば、SUNWaudio) |
パッケージが正しく削除されていることを確認します。
# /usr/sbin/pkgchk pkgid |
pkgchk コマンドは、パッケージがインストールされていないと判断した場合、警告メッセージを表示します。
次の例は、SUNWaudio パッケージをシステムから削除するコマンドを示しています。また、pkgchk コマンドを使用して、パッケージファイルが削除されていることを確認する方法も示しています。
ここでは、Admintool のグラフィカルユーザーインタフェースを使用してソフトウェアパッケージを追加したり削除する方法を説明します。
インストール済みのシステムにスーパーユーザーとしてログインします。
$ su |
UNIX sysadmin グループ (グループ 14) のメンバーでないかぎり、Admintool でソフトウェアパッケージをユーザーのシステムに追加したり削除したりする場合、スーパーユーザーになる必要があります。
追加するパッケージを含む CD を CD-ROM ドライブにロードします。
ボリューム管理が自動的に CD をマウントします。
Admintool を起動します。
# admintool & |
「ユーザー (Users)」ウィンドウが表示されます。
「ブラウズ (Browse)」メニューから「ソフトウェア (Software)」を選択します。
「ソフトウェア (Software)」ウィンドウが表示されます。
「編集 (Edit)」メニューから「追加 (Add)」を選択します。
「ソース媒体の設定 (Set Source Media)」ウィンドウが表示される場合があります。この場合、インストール媒体へのパスを指定して、「了解 (OK)」をクリックします。デフォルトのパスは、マウントされた SPARC 版 Solaris CD です。
「ソフトウェアの追加 (Add Software)」ウィンドウが表示されます。
ローカルのシステムにインストールしたいソフトウェアを選択します。
このウィンドウの「ソフトウェア (Software)」部分で、インストールしたいソフトウェアを選択します。
ベース (英語) パッケージに依存する日本語ロケールパッケージは、次のように末尾に (<ロケール名> localization) と表示されます。
末尾の表示 | パッケージの種類 |
---|---|
(ja localization) |
ja ロケール固有パッケージ |
(ja_JP.PCK localization) |
ja_JP.PCK ロケール固有パッケージ |
(ja_JP.UTF-8 localization) |
ja_JP.UTF-8 ロケール固有パッケージ |
(ja,ja_JP.PCK,ja_JP.UTF-8 localization) |
日本語ロケール共有パッケージ |
システムのロケールに合った適切な依存関係にある日本語パッケージを選択してください。たとえば、ja ロケールがインストールされたシステムに On-Line Manual Page (SUNWman) パッケージを追加する場合は、次のようにそれに対応する日本語パッケージも選択します。
CDE HELP VOLUMES
CDE HELP VOLUMES (ja localization)
CDE HELP VOLUMES (ja,ja_JP.PCK,ja_JP.UTF-8 localization)
「追加 (Add)」をクリックします。
インストールされるパッケージごとに、コマンドツールウィンドウが表示され、インストール出力を表示します。
「ソフトウェア (Software)」ウィンドウは、追加されたパッケージを表示します。
インストール済みのシステムにスーパーユーザーとしてログインします。
$ su |
UNIX sysadmin グループ (グループ 14) のメンバーでないかぎり、Admintool でソフトウェアパッケージをユーザーのシステムに追加したり削除したりする場合、スーパーユーザーになる必要があります。
Admintool を起動します。
# admintool & |
「ブラウズ (Browse)」メニューから「ソフトウェア (Software)」を選択します。
「ソフトウェア (Software)」ウィンドウが表示されます。
ローカルのシステムから削除したいソフトウェアを選択します。
「編集 (Edit)」メニューから「削除 (Delete)」を選択します。
本当にそのソフトウェアを削除するかをたずねる確認メッセージが表示されます。
「削除 (Delete)」をクリックして、そのソフトウェアを削除することを確認します。
削除するパッケージごとに、コマンドツールウィンドウが表示されて、そのソフトウェアを削除するかをユーザーにたずねます。y、n、または q を入力してください。ソフトウェアの削除を選択した場合、削除プロセスからの出力が表示されます。
「ソフトウェア (Software)」 ウィンドウは、削除されたパッケージを表示しなくなります。