Solaris 7 インストールライブラリ (SPARC 版)

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Allocating Client Services [クライアントサービスの配置]

Solaris インストールプログラムは、オートクライアントシステムとディスクレスクライアント用に容量を割り当てます。Solaris ソフトウェアをインストールしたあとに Solstice ホストマネージャを使用して、これらのクライアントのサービスサポートを設定し、Solaris ソフトウェアにアクセスできるようにする必要があります。

Auto - layout [自動配置]

自動配置機能

自動配置機能は、選択されたファイルシステムを取り出し、それらにすべてのディスク容量を割り当てます。


注 -

ディスク容量の余裕がないと、自動配置機能は選択されていないファイルシステムを作成します。つまり、ディスク容量に余裕がない場合、自動配置は、選択されたファイルシステムをいくつかのファイルシステムに分割して、使用可能なディスク容量に収めます。


たとえば、

 ディスク A 95 M バイト
   B 95 M バイト
 ファイルシステム/ 12 M バイト
  /usr 88 M バイト
  /swap 88 M バイト

自動配置は、どの組み合わせを使っても、分割を行わない限り、複数のファイルシステムをディスク A または B に保存できません。この問題を解決するために、自動配置はもう 1 つファイルシステムを作成して、元のファイルシステムを数 M バイト縮小します。

上記の例は、次のようになることがあります。

 ディスク A 95 M バイト
  / 12 M バイト
  /usr 81 M バイト

 ディスク B 95 M バイト
  /usr/openwin 7 M バイト
  /swap 88 M バイト

Creating a Profile [プロファイルの作成]

プロファイル

プロファイルは、Solaris をインストールする方法を指定します。Solaris インストールプログラムの表示する各画面で選択を行うと、プロファイルが作成されます。Solaris ソフトウェアのインストールを開始する前に、元の画面へ戻って、プロファイルが完全に希望通りになるまで選択結果を変更できます。

次に、スタンドアロンシステム用のプロファイルの例を示します。

 システムタイプ OS サーバー
 クライアントプラットフォームsparc.sun4m
 クライアント 5、24 MB スワップファイル
 ソフトウェア Solaris2.5、エンドユーザシステムサポート
 言語 ja
 ファイルシステムとディスクの配置/c0t3d0s0、14 MB
  swapc0t3d0s1、32 MB
  /exportc0t3d0s3、380 MB
  /export/swapc0t3d0s4、3 MB
  /optc0t3d0s5、110 MB
 /usrc0t3d0s6、209 MB
 /varc0t3d0s7、110 MB

Device Naming Conventions [Solaris 2.x 環境でのデバイス命名規則]

ディスクの命名規則

Solaris 2.x 環境でのディスクの命名規則は、SVR4 インタフェース定義 (SVID) に準拠しています。規則は、物理的な名前ではなく、論理的な名前に基づいています。

Solaris インストールプログラムは、ディスクを次のように指定します。

 ディスク インタフェース プラットフォーム
cntndn 例: SCSI、IPI SPARC
cndn 例: IDE x86
   例: SMD SPARC

ここでは cntndn は、

スライスと fdisk パーティション

スライスとは、Solaris のディスクの特定の容量のことです。ここには Solaris ソフトウェアのファイルシステムが配置されます。1 台のディスクに最大 8 つのスライス (0-7) を構成できます。スライス 2 はディスク全体を表します。「Customize Disks:」画面をアクセスすると、0-7 のディスクスライスを確認できます。

x86 システムのスライスをアクセスするには、最初に Solaris ソフトウェアをインストールする fdisk パーティションを選択してください。4 つの fdisk パーティションがあります。それぞれに個別のオペレーティングシステムを格納でき、どれかを Solaris ソフトウェア用に予約もできます。どの fdisk パーティションを Solaris ソフトウェア用に使用するかを指定した後で、Solaris の fdisk パーティションのスライス 0-7 にファイルシステムを配置できます。スライスは、「Customize Disks:」画面に表示されています。x86 システムには、ブートスライスと代替セクタスライスという 2 つの特別なスライスがあり、ディスク容量を使用します。これらの特別なスライスは必須であり、削除できません。

スライスのカスタム割り当て

このディスクスライスのカスタム割り当てを行うと、ルートは次のように配置されます。

0 はルート (オペレーティングシステム)

1 はスワップ (仮想メモリーの記憶容量)

2 はディスク全体

6 は /usr、実行可能プログラム、プログラムライブラリ、ドキュメント

(x86) fdisk Partitions [fdisk パーティション] / (x86) Solaris fdisk Partitions [Solaris fdisk パーティション]

fdisk とは

fdisk パーティションとは、x86 のディスクのうち、あるオペレーティングシステム専用に割り当てられた領域のことです。fdisk の領域には 4 つのパーティションがあり、それぞれを個別のオペレーティングシステムに割り当てたり、複数のパーティションに同じオペレーティングシステムを割り当てたりできます。しかし、fdisk のパーティションに Solaris を複数回インストールする機能はサポートされていません。

一度に 1 つの fdisk パーティションだけを使用可能にできます。

Solaris の fdisk パーティション

あるディスクを使用して Solaris をインストールするには、Solaris の fdisk パーティションを作成する必要があります。Solaris インストールプログラムを使用すると、fdisk パーティションを自動的に作成 (Solaris がディスク全体を使用するか、ディスクの残りを使用するかによる)、または手動で作成できます。ディスク上にすでに Solaris の fdisk パーティションが存在する場合は、Solaris インストールプログラムは fdisk パーティションに関するプロンプトを表示しません。

fdisk パーティションのタイプ

参照

『Administration Supplement for Solaris Platforms』マニュアル

Heterogeneous Servers [異機種サーバー]

異機種サーバーとは、SPARC と x86 クライアントの両方をサポートするサーバーを指します。Solaris は、2 種類の CD- ROM (SPARC 用と x86 用) を提供します。このため、SPARC プラットフォームと x86 プラットフォームの両方をサポートするのに必要なソフトウェアをインストールするには、両方の CD-ROM を使用する必要があります。異機種サーバーを設定する場合、次を行います。

  1. SPARC 用、または x86 用の CD-ROM から Solaris をインストールします。

  2. サーバーをリブートします。

  3. もう一方の CD-ROM を挿入し、swmtool(1M) を実行して、別のプラットフォームアーキテクチャをインストールします。

Languages [言語]

言語の追加

言語を選択すると、Solaris オペレーティングシステムをインストールした後に、翻訳テキストを表示するだけでなく日付や時刻など、文化によって異なる慣習にも対応することができます。

1 つまたは複数の言語をインストールするように選択することができますが、このリリースにバンドルされているすべての Solaris ソフトウェアが、リストにある言語の翻訳テキストを備えているわけではありません。


注 -

言語を追加すると、「Software」画面の推奨サイズが自動的に大きくなります。


Laying Out File System on Disks [ディスク上でのファイルシステムの配置]

ファイルシステムとディスクの配置とは

ファイルシステムとディスクの配置とは、Solaris のインストール用に選択した複数のディスクの中にファイルシステムを配置するプロセスのことです。1 台のディスクを最大 8 つのスライスに分割できます。複数のディスクのスライスにファイルシステムを割り当てます。これによって、システムの実行時にスライスがファイルシステム階層の中でマウントされる場所が決定されます。

ソフトウェアにファイルシステムを配置させる (自動配置) ように選択することも、手作業でファイルシステムをディスクに配置することもできます。

重要な Solaris のファイルシステム

次のファイルシステムは Solaris のインストールを無事終了させる上で必須なので、Solaris インストールプログラムは、それぞれに十分なディスク容量が割り当てられているかどうかを監視します。

ガイドライン

作成すべきファイルシステムとそのサイズは、システムの想定される役割によって異なります。たとえば、通常、サーバーのファイルシステムは、スタンドアロンシステムより複雑です。ファイルシステムの配置方法は、次の影響を受けます。

一般的なガイドラインは、ファイルシステム階層を個別のファイルシステムごとに分割することです。この結果、定期的に行われるバックアップで、階層全体を対象とする必要がなくなるので、バックアップと復元をより効率的に行うことができます。ファイルシステムを分割すると、ファイルシステム階層を 1 つまたは複数のディスクに分散させることができるので、性能の向上につながります。たとえば、Solaris のほぼすべてのファイルの /usr ファイルシステムへのロードが考えられます。Solaris のオペレーティングシステムのファイルは、ほとんどの場合読み込み専用なので、/usr ファイルを単独のファイルシステムに入れ、1 度だけバックアップすれば十分です。

唯一のファイルシステムとして / (ルート) を作成

ファイルシステムとして (/) ルートだけを作成することもできます。ファイルシステム全体を対象にしてバックアップと復元を行うので、これらの作業はかなり時間のかかるものとなります。

More Space Needed for the Upgrade [アップグレードにさらに必要な容量]

ファイルシステムは、アップグレード時に容量がさらに必要な場合があります。その理由は次のとおりです。

容量問題の解決方法

アップグレード時の容量問題を解決するには、次の 2 つの方法があります。

容量の問題は選択されているソフトウェアに原因があります。「Customize Software」画面に戻り、容量の不足しているファイルシステムにソフトウェアがインストール可能になるまでパッケージあるいはクラスタの選択を解除します。そのシステムに不要な、あるいはインストールしたくない新しいソフトウェアから削除していきます。


注 -

「Customize Software」画面では、「Software Description」ウィンドウで、どのファイルシステムにパッケージあるいはクラスタがインストールされるかを調べることができます。


自動配置機能によって容量を再割り当てする

容量の問題を解決するのに十分なソフトウェアを削除できない場合は、自動配置機能を使用して、新しいファイルシステムの必要サイズに見合うようにシステム上に容量を再割り当てしなくてはいけません。まず、自動配置機能は、デフォルトで設定されている制限 (システムのファイルシステムに対して実行できる、あるいは実行できないこと)に基づき容量を再割り当てしようとします。それがうまくいかないときは、ユーザーが別の制限を設定する必要があります。


注 -

自動配置機能にはファイルシステムを増やす機能はありません。変更が必要なファイルシステムのバックアップを取り、そのファイルシステムの変更に従ってディスクを再分割したのち、アップグレードの前にそのファイルシステムを復元することにより、容量を再割り当てします。


Mounting Remote File Systems [リモートファイルシステムのマウント]

リモートファイルシステムのマウント

ネットワーク環境では、システムはサーバーからファイルシステムをマウント (アクセス) することがあります。これをリモートマウントと呼んでいます。たとえば、他のシステムに OpenWindows を提供するようにファイルサーバーを設定した場合、システムは、OpenWindows をエクスポートするサーバーから OpenWindows をマウントする必要があります。

リモートファイルシステムをマウントする場所

「Mount Remote File Systems?」画面を使用して、マウントすべき特定のファイルシステムとサーバーとを指定します。マウントテストを行い、サーバーへ到達可能かどうか調べることもできます。

マウントテストに失敗した場合でも、「Mount Remote File Systems?」画面にリモートファイルシステムを追加してください。マウントテストの失敗は、テストの実施時点で、ある特定のサーバーが停止していたににすぎないことがあるからです。リモートファイルシステムをこのリストに追加すると、システムのリブート時に、追加したファイルシステムが使用可能になります。

Navigating Using the Keyboard [キーボードでのナビゲート]

ファンクションキーを使わずにナビゲートする方法

次のキーを使います。

ファンクションキーと ESC キー

ナビゲート用のデフォルトキーは、ファンクションキーです。ただし、キーボードにファンクションキーがない場合、または TIP 回線を通して実行している場合、ESC キーを使わなければなりません。

ナビゲートのまとめ

Preserving Data [データ保存] / Preserve Data Screen [データ画面]

スワップと、重複スライスの保存

スワップと、重複スライスを保存するときは、データではなくジオメトリを保存します。

マウントポイントを変更するには

矢印キーを使ってマウントポイント名に移動して、新しい名前を入力します。


注 -

/ (ルート)、スワップ、または重複スライスへの変更は、バックスラッシュ (\) で開始します。


名前を変更しなければならないファイル

次のファイルにデータを保存する場合、これらのファイルはディスク上で固有のものでなければならないため、マウントポイントの名前を変更します。

Software Groups : What They Contain [ソフトウェアグループ : 何が入っているか]

ソフトウェアグループ

Solaris には、次の 4 つのソフトウェアグループがあります。

この他に次のソフトウェアが表示される場合があります (SPARC 版のみ)。

一度に 1 つだけソフトウェアグループを選択できます。

インストールする各ソフトウェアの推奨サイズ

各ソフトウェアグループをインストールするための推奨サイズが、各グループの隣に M バイト単位で表示されています。このサイズは、次を含んでいます。


注 -

一度、ディスクを (手作業あるいは自動で) 配置すると、Recommended および Minimum に表示された値が変わることがあります。


Specifying a Boot Disk [ブートディスクの指定]

ブートディスクとは

ブートディスクとは、/ (ルート) ファイルシステムがインストールされているディスクのことです。このシステムのデフォルトのブートドライブは、「Disks」画面に表示されています。

x86 システムのブートディスク

x86 システムでは、/ (ルート) ファイルシステムを変更して、どのディスクでもブートディスクとして使用できます。通常、ブートディスクは c0t0d0 です。PS/2 システムでは、c0t6d0 です。ただし、デフォルトのブートディスクを変更する場合は、Solaris ブートフロッピーディスクを使用して、そのディスクをブートする必要があります。

SPARC システムのブートディスク

SPARC システムでは、どのディスクでもブートディスクとして使用できます。

Upgrading Option [アップグレードオプション]

アップグレードを行う前に、インストールプログラムは、Solaris ソフトウェアの新しいバージョンをインストールするのに十分なディスク容量が、既存のファイルシステムにあるかどうかを調べます。

アップグレード終了後の作業

インストールプログラムは、Solaris ソフトウェアの旧バージョンに対して行なったローカルの変更を保存できないことがあります。次のファイルを参照して、アップグレードによって保存できなかったローカルの変更をし直す必要があるかどうかを調べます。

Solaris インストールプログラムがアップグレードの際に行なった処理の記録は、アップグレードが成功したがどうか判断する上で重要です。アップグレードの出力は、次のファイルに保存されます。

アップグレードに関する問題発生時の対処方法

問題

システムにアップグレード可能な Solaris のバージョンが存在するにもかかわらず、アップグレードオプションが使用できない場合は、次の原因が考えられます。

解決策 - /var/sadm ディレクトリをルート(/) あるいは /var ファイルシステムに移動します。または、次のテンプレートを使用して、INST_RELEASE ファイルを作成します。

OS=Solaris

VERSION=2.x (x は既存の Solaris のバージョン番号)

REV=0

問題

Solaris インストールプログラムがシステムのメタデバイスをマウントできず、アップグレードされない。

解決策 - システムの /etc/vfstab ファイル内にあるメタデバイスすべてをコメントにします。アップグレードはメタデバイスをサポートしません。

問題

Solaris インストールプログラムがファイルシステムをマウントできず、アップグレードされない。アップグレード中、インストールプログラムは、アップグレードされるルートファイルシステムの /etc/vfstavb ファイルに列挙されているファイルシステムをすべてマウントしようとします。インストールプログラムがファイルシステムをマウントできない場合、成功せずに終了します。

解決策 - /etc/vfstab ファイルに記述されているファイルシステムがすべてマウントできることを確認します。/etc/vfstab ファイルに列挙されているファイルシステムの中で、マウントできないもの、あるいは問題の起こる可能性があるものをすべてコメントにして、インストールプログラムがアップグレード中にそれらのファイルシステムをマウントしないようにします。