Solaris 7 インストールライブラリ (SPARC 版)

Solaris 2.6 の新規日本語機能

表 2-4 Solaris 2.6 の新規日本語機能

機能 

説明 

OS / ネットワーク 

PC 漢字コード (PCK) のサポート 

Solaris 2.6 では、従来の日本語 EUC に加えて PCK (シフト JIS あるいは MS 漢字コード) で日本語を扱う環境 (ja_JP.PCK ロケール) を新たに提供します。PCK は、Microsoft が Windows3.1 で規定したマイクロソフト標準キャラクタセットと同等の文字集合およびエンコーディングを提供するものです。また、PCK は、従来の Solaris リリースで MS 漢字コード(または シフト JIS) と呼ばれていたものに、ユーザー定義文字やベンダー定義文字を加えたもので、JIS X 0201、JIS X 0208 の 1-84 区 (13 区除く) までに関しては従来のものと互換性があります。 

新しい文字コード変換規則 

『TOG (The Open Group) 日本ベンダ協議会推奨 日本語 EUC・シフト JIS コード変換仕様』に基づく新しいコード変換規則が導入されました。  

日本語 PostScript プリンタ 

LP 印刷サービスを使用して、日本語 PostScript プリンタで日本語テキストを印刷することができます。 

JIS X 0212、ユーザー定義文字の印刷 

LP 印刷サービスを使用して、日本語 PostScript プリンタ、ドットマトリックス漢字プリンタ (EPSON VP-5085、NEC PC-PR201)、日本語ページプリンタ (Canon LASERSHOT) で JIS X 0212、ユーザー定義文字を含む日本語テキストを印刷できるようになりました。  

STREAMS モジュール 

ja_JP.PCK ロケールにおいて tty 端末制御を補佐する STREAMS モジュール (jconvrs) が導入されました。

iconv(1)/iconv(3)

JIS X 0208 を扱うものでは、更新番号を表すエスケープシーケンスに対応しました。UTF-8 と日本語 EUC または PC 漢字コードとの変換をサポートしました。IBM 漢字コードとの変換では JIS X 0208 の 1983 年度版に対応しました。 

その他のコード変換ユーティリティ 

jistoeuc(1) など、ISO-2022-JP 準拠のエンコーディングを入力するユーティリティは、"ESC 2/4 2/8 F" 形式のエスケープシーケンスを正しく扱えるようになりました。

euctoibmj(1) など、IBM 漢字コードとの変換を行うユーティリティは、JIS X 0208 の 1983 年度版に対応しました。

ユーザー定義文字の登録のための日本語ロケールの再定義 

日本語ロケールにあらかじめユーザー定義文字領域を定義するようになりました。 

デスクトップ 

ユーザー定義文字 

ユーザー定義文字フォントを既存のフォントファイルとは別のフォントファイルとして取り扱えるようになりました。また、ユーザー定義文字登録用に新たに、Solaris 外字ツール (sdtudctool(1)) が提供されます。

DPS での日本語フォント 

従来提供してきた F3 フォントに代わり、株式会社リコーの提供する TrueType フォント (HG ゴシック B と HG 明朝 L、また補助漢字用として平成明朝体 W3H) を DPS 上でも利用できます。 

互換性について 

新しく提供されているリコーのフォントはそれぞれ Ryumin-Light、GothicBBB-Medium に別名定義されています。これによりSolaris 2.5.1 以前のリリースで Ryumin-Light、GothicBBB-Medium を使用していた X 上のプログラムや DPS のアプリケーション、PostScript プログラムは、変更を加えずに Solaris 2.6 上で動作することができます。 

Solaris CDE の PC 漢字サポート 

Solaris 2.6 の CDE では、従来の ja ロケールに加え、PC 漢字コードを扱える ja_JP.PCK ロケールをサポートしています。 

日本語フォント 

ベンダー定義文字 

13 区 の NEC 特殊文字が新たに追加されました。また、ja_JP.PCK ロケールでは、115 区から 119 区に IBM 拡張文字が追加されました。 

TrueType フォント 

X および DPS で使用できるようになりました。 

リコー HG ゴシック体 B、HG 明朝体 L、平成明朝体 W3H 

株式会社リコーが開発した HG ゴシック体 B、HG 明朝体 L、平成明朝体 W3H のフォントを新たに提供します。 

JIS X 0208 文字セット 1990 年度版 

84 区 5 点 JIS 0x7425 と 6 点 JIS 0x7426 の 2 文字が追加されました。 

JIS X 0212 補助漢字 

JIS X 0212 1990 年度版補助漢字フォントが正式にサポートされます。 

日本語入力 

Wnn6 

Solaris の日本語入力システムとして、新たに Wnn6 が提供されるようになりました。 

ATOK8 

ATOK8 が Solaris CD に含まれるようになり、エンドユーザシステムサポート以上のクラスタでは、標準でインストールされます。 

ウィンドウ環境における日本語入力システム 

Wnn6、ATOK8、および cs00 が、日本語入力システムとして利用できます。 

cs00 の部首入力サポート 

cs00 で部首入力が可能になりました。 

cs00 ユーザー辞書ツール 

Solaris CDE 環境で利用できる cs00 ユーザー辞書ツールが新たにサポートされています。