表 18-2 に、一般的なシステム情報を変更できるコマンドのマニュアルページと説明を示します。
表 18-2 システム情報を変更するためのコマンド
コマンド |
変更できるシステム情報 |
---|---|
日付と時刻を別のシステムの日付と時刻に合わせる |
|
日付と時刻を自分の指定に合わせる |
これらのコマンドを使用することにより、システムの日付と時刻を設定して、サーバーなどの別のシステムの日付と時刻に同期させることができます。また、新しい日付と時刻を指定して、システムの日付と時刻を変更することもできます。
その日のメッセージ (MOTD) は /etc/motd に置かれています。この機能を使用すると、ログイン時のシステムメッセージによりすべてのユーザーに通知や問い合わせを送ることができます。ただし、この機能を使用するときは、常に必要なメッセージだけを送ります。メッセージファイルは定期的に編集し、無用になったメッセージを削除するようにしてください。
/etc/system ファイルを編集することにより、次の作業が行えます。
Solaris 2.6 以降、Solaris ソフトウェアには Delaware 大学の Network Time Protocol (NTP) 公開ドメインソフトウェアが添付されています。
NTP を使用すると、ネットワーク環境における正確な時間やネットワーク時間の同期を管理できます。xntpd デーモンは、UNIX システムの時間を インターネット標準時間サーバーの時間と合うように調整し、保守します。xntpd デーモンは、RFC 1305 に規定されている Network Time Protocol バージョン 3 標準を完全に実装しています。
xntpd デーモンは、システムの起動時に /etc/inet/ntp.conf ファイルを読み取ります。構成オプションの詳細は、xntpd(1M) のマニュアルページを参照してください。NTP サーバーとクライアントの設定手順については、次の節を参照してください。
ネットワークで NTP を使用する場合、次のことを考慮してください。
xntpd デーモンは最小限のシステム資源だけしか使用しません。
NTP クライアントはブート時に自動的に同期します。同期が取れなくなった場合は、タイムサーバーにアクセスしたときに再度同期を取ります。
スーパーユーザーになります。
/etc/inet ディレクトリに移動します。
ntp.server ファイルを ntp.conf ファイルにコピーします。
# cp ntp.server ntp.conf
/etc/init.d ディレクトリに移動します。
xntpd デーモンを起動します。
# ./xntpd start
スーパーユーザーになります。
/etc/inet ディレクトリに移動します。
ntp.client ファイルを ntp.conf ファイルにコピーします。
# cp ntp.client ntp.conf
/etc/init.d ディレクトリに移動します。
xntpd デーモンを起動します。
# ./xntpd start
日付と時刻を設定し直して他のシステムと同期させるには、rdate コマンドを使用します。
# rdate other-system-name
other-system-name |
別のシステム名 |
date コマンドを使用してシステムの日付と時刻を調べ、システムの日付と時刻が正しく変更できたことを確認します。
出力は同期させたシステムの日付と時刻に一致します。
次の例は、rdate を使用してシステムの日付と時刻を別のシステムに同期させる方法を示します。次の例は、数時間遅れていたシステム neptune の日付と時刻をサーバー pluto の日付と時刻に一致させます。
neptune$ date Thu Feb 26 10:20:54 MST 1998 neptune# rdate pluto Thu Feb 26 10:20:54 MST 1998 neptune$ date Thu Feb 26 10:20:56 MST 1998
次のように新しい日付と時刻を入力します。
# date mmddHHMM[[cc]yy]
mm |
月。2 桁を使用 |
dd |
日。2 桁を使用 |
HH |
時。2 桁で 24 時間制を使用 |
MM |
分。2 桁を使用 |
cc |
世紀。2 桁を使用 |
yy |
年。2 桁を使用 |
オプションを指定せずに date コマンドを実行し、システムの日付と時刻をチェックして、システムの日付と時刻が正しくリセットされていることを確認します。
出力は、他のシステムと同じ日付と時刻を示します。
次の例は、date コマンドを使用して手作業でシステムの日付と時刻を設定する方法を示します。
# date Thu Feb 26 10:20:56 MST 1998 # date 022610221998
エディタを使って、/etc/motd ファイルを開きます。
テキストを編集して、スペース、タブ、復帰改行を含めて、ユーザーログインプロセスの一部として表示されるメッセージを挿入します。
ファイルを閉じて変更結果を保存します。
/etc/motd の内容を表示して、変更結果を確認します。
$ cat /etc/motd Welcome to the UNIX Universe. Have a nice day.
Solaris ソフトウェアのインストール時に、デフォルトのその日のメッセージが設定されます。メッセージの内容は次のような SunOS バージョン情報です。
$ cat /etc/motd Sun Microsystems Inc SunOS 5.7 Generic September 1998
次の例は、編集後の /etc/motd ファイルの内容を示します。このファイルは、ログインする各ユーザーに対してシステムの利用度に関する情報を提供します。
$ cat /etc/motd The system will be down from 7:00 a.m to 2:00 p.m.on Saturday, February 28, for upgrades and maintenance. Do not try to access the system during those hours. Thank you...
/etc/system ファイルに次の行を追加します。
set maxuprc=value
value |
1 人のユーザーが同時に実行できるプロセス数 |
/etc/system ファイルを閉じて、変更結果を保存します。
maxuprc の値が変更されていることを確認します。
# grep maxuprc /etc/system set maxuprc=100
システムをリブートします。
次の例は、各ユーザーが 100 プロセスを実行できるようにする場合に、/etc/system ファイルに追加する行を示します。
set maxuprc=100
/etc/system ファイルに次の行を追加します。
set pt_cnt=value set npty=same_value_as_pt_cnt set sad_cnt=2_times_pt_cnt valueset nautopush=same_value_as_ pt_cnt
set pt_cnt |
System V の疑似 tty 数を設定する。 |
set npty |
BSD の疑似 tty 数を設定する。 |
set sad_cnt |
STREAMS のアドレス可能デバイス数を設定する。 |
set nautopush |
STREAMS の自動プッシュエントリ数を設定する。この数は、sadcnt の値の 2 倍になる。 |
/etc/system ファイルを閉じて変更結果を保存します。
pt_cnt の値が変更されていることを確認します。
# grep pt_cnt /etc/system set pt_cnt=256
次のように入力して、リブート時にシステムを再構成するようにします。
$ touch /reconfigure
システムをリブートします。
次の例は、疑似 tty 数を 128 に増加します。
set pt_cnt=128 set npty=128 set sad_cnt=256 set nautopush=128
次の変数を追加して、共有メモリーセグメントを増やします。
set shmsys:shminfo_shmmax=value set shmsys:shminfo_shmmin=value set shmsys:shminfo_shmmni=value set shmsys:shminfo_shmseg=value set semsys:seminfo_semmap=value set semsys:seminfo_semmni=value set semsys:seminfo_semmns=value set semsys:seminfo_semmsl=value set semsys:seminfo_semmnu=value set semsys:seminfo_semume=value
/etc/system ファイルを閉じて変更結果を保存します。
共有メモリーの値が変更されていることを確認します。
# grep shmsys /etc/system
次の共有メモリー値は、大きなデータベースアプリケーションを実行するために、大容量のメモリー (たとえば 128M バイト) を搭載したシステムに適用されます。
set shmsys:shminfo_shmmax=268435456 set shmsys:shminfo_shmmin=200 set shmsys:shminfo_shmmni=200 set shmsys:shminfo_shmseg=200 set semsys:seminfo_semmap=250 set semsys:seminfo_semmni=500 set semsys:seminfo_semmns=500 set semsys:seminfo_semmsl=500 set semsys:seminfo_semmnu=500 set semsys:seminfo_semume=100