Solaris のシステム管理 (第 2 巻)

システム動作データを収集する (sar)

sar コマンドを使用すると、システム動作データそのものを収集するか、sadc で作成された日ごとの動作ファイルに収集された情報をレポートできます。

sar コマンドの書式は次のとおりです。

sar [-aAbcdgkmpqruvwy] [-o file] t [n] 
sar [-aAbcdgkmpqruvwy] [-s time] [-e time] [-i sec] [-f file]

次の sar コマンドは、オペレーティングシステム内の累積動作カウンタから t 秒間隔で n 回データを収集します (t が 5 秒ないし 5 秒以上の値でないと、コマンドそのものがサンプルに影響を与えることがあります)。サンプルの収集間隔を指定しなければなりません。指定しないと、このコマンドは第 2 の書式に従って動作します。n のデフォルト値は 1 です。次の例では、10 秒間隔で 2 つのサンプルが収集されます。-o オプションを指定すると、サンプルは 2 進形式でファイルに保存されます。

$ sar -u 10 2

その他に、sar では次の点に注意する必要があります。

表 26-21sar コマンドのオプションとその動作を示します。

表 26-21 sar コマンドのオプション

オプション 

動作 

-a

ファイルアクセス操作をチェックする 

-b

バッファー動作をチェックする 

-c

システムコールをチェックする 

-d

各ブロックデバイスの動作をチェックする 

-g

ページアウトとメモリーの解放をチェックする 

-k

カーネルメモリーの割り当てをチェックする 

-m

プロセス間通信をチェックする 

-p

スワップとディスパッチ動作をチェックする 

-q

待ち行列動作をチェックする 

-r

未使用メモリーをチェックする 

-u

CPU の使用率をチェックする 

-v

システムテーブルの状態をチェックする 

-w

ボリュームのスワッピングと切り替えをチェックする 

-y

端末動作をチェックする 

-A

システム全体の性能をリポートする (すべてのオプションを入力した場合と同じです) 

オプションを使用しなければ、-u オプションを指定してコマンドを呼び出すのと同じです。