UUCP の構成の主要部分の 1 つに、UUCP データベースを形成するファイルの構成があります。これらのファイルは /etc/uucp ディレクトリにあります。マシン上で UUCP または PPP を設定するには、これらのファイルを編集する必要があります。UUCP データベースファイルには以下のものがあります。
Config - 変数パラメータのリストが入っています。これらのパラメータは、ネットワークを構成するために手動で設定できます。
Devices - 自動呼び出し装置 (モデム)、直接リンク、ネットワークデバイスの位置と回線速度に関する情報が入っています。これは、UUCP のほかに PPP でも使用されます。
Dialers - リモートコンピュータとの接続を確立するときに、モデムとのネゴシエーションを行うために必要な文字列が入っています。これは、UUCP のほかに PPP でも使用されます。
Dialcodes - Systems ファイルのエントリの電話番号フィールド内で使用できるダイヤルコード省略名が入っています。これは必須ではありませんが、UUCP のほかに PPP でも使用できます。
Grades - ジョブのグレードと、ジョブの各グレードに対応するアクセス権を定義します。これらは、リモートコンピュータに対するジョブをキューに入れる際に、ユーザーが指定できます。
Permissions - このマシンにファイルを転送したり、コマンドを実行しようとしているリモートホストに与えられるアクセス権のレベルを定義します。
Sysfiles - uucico と cu が、Systems、Devices、Dialers ファイルとして、別のファイルや複数のファイルを使う時に、その割り当てを行います。
Systems - uucico デーモン、cu、PPP が、リモートコンピュータへのリンクを確立するために必要とする情報が入っています。この情報には、リモートホストの名前、リモートホストに対応する接続デバイスの名前、そのホストに接続できる日時、電話番号、ログイン ID、パスワードが含まれます。
サポートデータベースの一部とみなすことのできるファイルがほかにもいくつかありますが、これらは、リンクの確立とファイルの転送に直接には関係しません。
UUCP データベースは、「UUCP データベースファイルの紹介」に示したファイルから構成されます。ただし、基本的な UUCP 構成に関係する重要なファイルは次に示すものだけです。
/etc/uucp/Systems
/etc/uucp/Devices
/etc/uucp/Dialers
PPP は UUCP データベースの一部を使用するので、PPP を構成する予定がある場合は、少なくともこれらのデータベースファイルだけは理解しておく必要があります。これらのデータベースを構成してしまえば、その後の UUCP の管理はきわめて簡単です。一般に、Systems ファイルを最初に編集し、次に Devices ファイルを編集します。/etc/uucp/Dialers ファイルは、普通はデフォルトのままで使用できますが、デフォルトファイルに含まれていないダイヤラを追加する予定がある場合は編集が必要になります。基本的な UUCP 構成と PPP 構成には、さらに次のファイルを加えることもできます。
/etc/uucp/Sysfiles
/etc/uucp/Dialcodes
/etc/uucp/Sysname
これらのファイルは互いに関係しながら機能するので、1 つでも変更する場合は、全部のファイルの内容を理解しておくことが必要です。あるファイルのエントリに変更を加えた場合に、別のファイル内の関連エントリに対しても変更が必要になることがあります。「UUCP データベースファイルの紹介」に挙げたその他のファイルは、上記のファイルほど緊密な相互関係を持っていません。
PPP が使用するファイルはこの節で説明するものだけであり、他の UUCP データベースファイルは使用しません。