この層はネットワーク層とも呼ばれるもので、ネットワークに対してパケットを受け入れたり、配送したりします。この層には、強力なインターネットプロトコル (IP)、ARP プロトコル、ICMP プロトコルが組み込まれています。
IP プロトコルとそれに関連したルーティングプロトコルは、TCP/IP 群全体の中でたいへん重要なものです。IP は次の機能を受け持ちます。
IP アドレス指定 - IP アドレス指定の規則は IP プロトコルの一部です (IP アドレス指定については、第 3 章「ネットワークの計画」で詳しく説明します)。
パケット形式設定 - IP は、パケットを IP データグラムと呼ばれる単位に組み立てます。データグラムについては、「インターネット層」で詳しく説明します。
フラグメント化 - パケットが大きすぎてネットワークメディアを介して転送できないときは、送信側ホストの IP は、パケットを小さいフラグメントに分割します。受信側ホストの IP は、これらのフラグメントを組み立てて元のパケットに戻します。
アドレス解決プロトコル (ARP) は、データリンク層とインターネット層の間に概念的に存在するものです。ARP は、イーサネットアドレス (48 ビット長) を既知の IP アドレス (32 ビット長) にマッピングし、IP はこの情報に基づいてデータグラムを正しい受信側ホストに向けることができます。
インターネット制御メッセージプロトコル (ICMP) は、ネットワークエラー条件の検出とその報告を担当するプロトコルです。ICMP は以下の事項について報告します。
第 6 章「TCP/IP の障害追跡」に、エラー検出のために ICMP を使用するオペレーティングシステムコマンドに関する詳細が記載されています。