DTP フィールドの構造は、エントリに対応するデバイスに応じて 4 通りに設定できます。
直接接続モデム
コンピュータのポートにモデムが直接接続されている場合は、対応する Devices ファイルエントリの DTP フィールドに入るペアは 1 つだけです。このペアは、通常はモデムの名前です。この名前は、Devices ファイルの特定のエントリと、Dialers ファイル内のエントリとを対応付けるために使用されます。したがって、例 12-7 に示すように、Dialer フィールドは、Dialers ファイルエントリの最初のフィールドに一致している必要があります (各列の見出しは、Devices ファイルのフィールドの見出しです)。
File Name Type Line Line2 Class Dialer-Token-Pairs Devices ACU cua/b - 2400 hayes Dialers hayes =,-, "" ¥¥dA¥pTE1V1X1Q0S2=255S12=255¥r¥c ¥EATDT¥T¥r¥c CONNECT |
Devices ファイルエントリの DTP フィールドには、dialer 部 (hayes) だけが示されている点に注意してください。これは、ダイヤラに渡すトークン (この例では電話番号) が、Systems ファイルエントリの Phone フィールドから取得されることを意味します (例 12-9 で説明する ¥T が暗黙で指定されます)。
直接リンク - 特定のコンピュータへの直接リンクの場合は、対応するエントリの DTP フィールドには、キーワード direct が入ります。これは、Direct、Sys-Name の両方の直接リンクエントリにもあてはまります (「Type フィールド」を参照)。
同じポートセレクタ上のコンピュータ - 通信したいコンピュータが、ローカルコンピュータと同じポートセレクタスイッチ上にある場合は、ローカルコンピュータはまずそのスイッチにアクセスする必要があります。そのスイッチが、相手のコンピュータとの接続を確立します。この種のエントリでは、ペアは 1 つだけです。例 12-8 に示すように、dialer 部が Dialers ファイルのエントリと突き合わされます (各列の見出しは、Devices ファイルのフィールドの見出しです)。
File Name Type Line Line2 Class Dialer-Token-Pairs Devices develcon cua/a - 1200 develcon Dialers develcon ,"" "" ¥pr¥ps¥c est:¥007 ¥E¥D¥e ¥007 |
token 部が空である点に注意してください。これは、この部分が Systems ファイルから取得されることを示しています。このコンピュータ用の Systems ファイルエントリには、Phone フィールドにトークンが含まれています。このフィールドは、通常、コンピュータの電話番号用として確保されています (「/etc/uucp/Systems ファイル」を参照してください)。この種類の DTP にはエスケープ文字 (¥D) が含まれています。これは、Phone フィールドの内容が、Dialcode ファイル内の有効エントリとして解釈されないことを保証します。
ポートセレクタに接続しているモデム - ポートセレクタに高速モデムが接続されている場合は、ローカルコンピュータはまずポートセレクタスイッチにアクセスする必要があります。そして、そのスイッチがモデムとの接続を確立します。この種類のエントリには、ダイヤラとトークンのペアが 2 つ必要です。例 12-7 に示すように、各ペアの dialer 部 (エントリの 5 番目と 7 番目のフィールド) が、Dialers ファイル内のエントリと突き合わされます (各列の見出しは、Devices ファイルのフィールドの見出しです)。
File Name Type Line Line2 Class Dialer-Token-Pairs Devices ACU cua/b - 1200 develcon vent ventel Dialers develcon "" "" ¥pr¥ps¥c est:¥007 ¥E¥D¥e ¥007 Dialers ventel =&-% t"" ¥r¥p¥r¥c $ <K¥T%¥r>¥c ONLINE! |
最初のペアでは、develcon がダイヤラで、vent が Develcon スイッチに渡されるトークンです。トークンは、コンピュータに接続するデバイス (たとえば Ventel モデム) をダイヤラに指示しています。各スイッチごとに設定が異なることがあるので、このトークンは各ポートセレクタに固有のものにします。Ventel モデムが接続されると、第 2 のペアがアクセスされます。このペアでは、Ventel がダイヤラで、トークンは Systems ファイルから取得されます。
DTP フィールドでは 2 つのエスケープ文字が使用できます。
¥T - Phone (トークン) フィールドを、/etc/uucp/Dialcodes ファイルを使って解釈することを指定します。通常、モデム (Hayes、US Robotics など) に対応する各呼び出しスクリプトについて、/etc/uucp/Dialers ファイルにこのエスケープ文字を組み込みます。したがって、呼び出しスクリプトがアクセスされるまでは、解釈は行われません。
¥D - Phone (トークン) フィールドを、/etc/uucp/Dialcodes ファイルを使って解釈しないことを指定します。Devices エントリの末尾にエスケープ文字が何も指定されていないときは、デフォルトで ¥D があるものと想定します。¥D は、/etc/uucp/Dialers ファイルの中でも、ネットワークスイッチ (develcon と micom) に関連したエントリで使用されます。