名前 | 形式 | 機能説明 | オプション | 表示フォーマット | 使用例 | 環境 | 終了ステータス | ファイル | 属性 | 関連項目 | 注意事項
ps コマンドは、活動中のプロセスに関する情報を出力します。オプショ ンを指定しないと、ps は、「コマンドを実行したユーザー」と同じ実効ユーザー ID および同じ制御端末に関連するプロセスについての情報を出力します。出力される情報は、プロセス ID、端末識別子、累積実行時間およびコマンド名のみです。オプションを指定すると、出力される情報はオプションによって制御されます。
オプションのなかには、リストを引数として使うものがあります。リストの項目は、コンマで区切られるか、あるいは引用符で囲まれてコンマか空白で区切られます。proclist および grplist には、数値を指定してください。
以下のオプションを指定できます。
最も頻繁に要求されるすべてのプロセスに関する情報を表示します。ただし、プロセスのグループリーダーおよび端末に関連していないプロセスは除きます。
すべてのプロセスの情報を表示します。後述の -e と同じです。
priocntl(1) で説明するように、スケジューラ特性を反映する形式で情報を出力します。以下で説明するように、-c オプションは、-f オプションと -l オプションの出力に影響します。
セッションリーダーを除くすべてのプロセスに関する情報を表示します。
現在実行中のすべてのプロセスに関する情報を表示します。
完全リストを作成します (完全リストにおけるカラムの意味については、以下を参照)。
grplist にグループリーダーの ID 番号が指定されているプロセスの情報を表示します (グループリーダーとは、プロセス ID 番号がプロセスグループ ID 番号と同じプロセスのこと)。
gidlist に実グループの ID 番号が指定されているプロセスの情報を出力します。gidlist は、複数の ID を空白またはコンマで区切って記述するリストで、単一の引数として指定する必要があります。
セッション ID およびプロセスグループ ID を出力します。
長い形式のリストを作成します (下記を参照)。
選択された各プロセス中の各軽量プロセス (lwp) についての情報を出力します (後述参照)。
で示すシステムファイルをデフォルトの代わりに使用します。このオプションは、互換のために受け付けられますが無視されます。
format が示すフォーマット指定に従って出力情報を表示します。詳細は「表示フォーマット」の項を参照してください。-o オプションは複数回指定することが可能です。その場合、複数のフォーマット指定引数は、空白文字で区切られて継続していると見なされます。
プロセス ID 番号が proclist で指定されたプロセスの情報のみを表示します。
追加のカラムヘッダー PSR (もしある場合) をつけて、プロセスまたは lwp が接続されたプロセッサ数を出力します。
ID が sidlist にあるすべてのセッションリーダーの情報を表示します。
term に関連するプロセスの情報のみを表示します。 端末識別子は、デバイスのファイル名および識別子として指定されます。たとえば、term/a や pts/0 などです。
実効ユーザー ID またはログイン名が uidlist で指定されたプロセスデータのみを表示します。リスト出力時に、ログイン名を表示する -f オプションをユーザーが指定しない限り、ユーザー ID は数字で出力されます。
実グループ ID またはログイン名が uidlist に存在するプロセスの情報を表示します。uidlist は、複数の ID を空白またはコンマで区切って記述するリストで、単一の引数として指定する必要があります。
長い形式のリストで (-l)、旧式の F と ADDR カラムが省略され、プロセスの常駐の設定サイズを示す RSS カラムが含まれます。-y オプションを指定すると、RSS と SZ (後述参照) の両方が、ページの代わりに K バイト単位で報告されます。
上記の多くのオプションは、対象とするプロセスをリストに選択するために使用します。これらのオプションが指定された場合、ps はデフォルトリストを無視し、オプションの選択条件の論理和により示されるプロセスを選択します。
-f オプションが指定された場合、ps は、ユーザーブロックを検索することによって、プロセスが作成されたときに指定されたコンド名および引数を特定しようとします。これができない場 合には、-f オプションを指定しない場合のコマンド名が角括弧に囲まれて出力されます。
ps の実行結果として表示されるリストのカラムの見出しおよびカラムの意味を次に説明します。文字 f および l は、それに相当する見出しを作成するオプション (それぞれ完全形式または長い形式) を示します。all は、見出しを常に出力することを意味します。これら 2 つのオプションは、プロセスのどの情報が表示されるかを決定するだけで、どのプロセスが表示されるかということは決定しません。
プロセスに関連するフラグ (16 進数表現の論理和) 。これらのフラグは過去においては意味を持っていたが、現在では何の意味も持たない
プロセスの状態
プロセスは、プロセッサ上で実行中
休止状態。プロセスは、イベントが完了するのを待っている
実行可能状態。プロセスは、実行待ち行列上にある
ゾンビ状態。プロセスは終了していて、親プロセスは待っていない
ジョブ制御シグナルにより、もしくはトレース状態にあるため、プロセスは停止されている
プロセスの実効ユーザー ID (-f オプションではログイン名が出力)
プロセスの実効ユーザー ID (このデータはプロセスを停止させるために必要)
親プロセスのプロセス ID
スケジューリングのためのプロセッサ利用率 (旧仕様) -c オプションを使用した場合は、出力されない
スケジューリングクラス。-c オプションを使用した場合にのみ、出力される
プロセスに対する優先順位。-c オプションを指定しないと、数が大きいほど優先順位が低くなる。-c オプションを指定すると、数が大きいほど優先順位が高いことを意味する
優先順位の計算に使用される nice 値。-cオプションを使用した場合は、出力されない。特定のスケージューリングクラスのプロセスのみが、nice 値を持つ
プロセスのメモリーアドレス
割り当てられたすべてのファイルとデバイスを含む、仮想メモリー内のプロセスの合計サイズ (ページ単位)。pagesize(1) を参照
休止状態、または SXBRK 状態になっているプロセスが対象としているイベントのアドレス (空白文字の場合は、プロセスは実行中)
時間、分、秒で示されるプロセスの開始時間 (ps が実行される 24 時間以上前に開始したプロセスは、月および日で示される)
プロセスを制御している端末 (制御端末がない場合は、メッセージ ? が出力される)
プロセスの累積実行時間
コマンド名 (-f オプションでは、完全なコマンド名と引数を最大 80 文字まで出力)
-j オプションを指定すると、次の 2 つのカラムも出力されます。
プロセスグループリーダーのプロセス ID
セッションリーダーのプロセス ID
-L オプションを指定すると、次の 2 つのカラムも出力されます。
情報が出力されている lwp の lwp ID
プロセス中の lwp 数 (-f も指定した場合)
-L オプションを指定すると、プロセス中の各 lwp が 1 行に 1 つずつ出力され、プロセスではなく lwp に対する時間のフィールド STIME と TIME を示します。従来のシングルスレッドプロセスは 1 つの lwp だけを含みます。
すでに終了し、親プロセスを持ち、ただし、その親プロセスが待ち状態になっていないプロセスは、<defunct> と符号で示されます。
次に例を示します。
example% ps -o user,pid,ppid=MOM -o args
このコマンドは、POSIX ロケールで以下の内容を出力します。
USER PID MOM COMMAND helene 34 12 ps -o uid,pid,ppid=MOM -o args |
ps の実行に影響を与える環境変数 LC_CTYPE、LC_MESSAGES、LC_TIME、NLSPATH についての詳細は、environ(5) を参照してください。
画面の水平方向のサイズとして、システムが決定する値の代わりに使用する値を定義します。この値により、表示するテキストカラム数が決まります。
/dev/pts/*
terminal端末 (tty) 名を検索するファイル
UID 情報を提供
プロセス制御ファイル
内部のデータ構造体
次の属性については attributes(5) のマニュアルページを参照してください。
属性タイプ | 属性値 |
---|---|
使用条件 | SUNWcsu |
CSI | 対応済み (「注意事項」参照) |
kill(1), nice(1), pagesize(1), pgrep(1), priocntl(1), who(1), getty(1M), proc(4), ttysrch(4), attributes(5), environ(5)
ps の実行中に状況が変化することがあります。ps が提供する情報は、ある瞬間だけに当てはまるものであり、ユーザーがそれを参照するときには正確ではないことがあります。すでに存在しないプロセスについてのデータなど、該当しなくなった情報が ps の出力結果に含まれていることもあります。
プロセスを選択するオプションを 1 つも指定しない場合、ps はその制御端末に関連するプロセスすべてについて報告します。制御端末がない場合には、ヘッダー以外には何も報告されません。
ps -ef および ps -o stime は、tty ログインセッションの実際の開始時間を報告せず、実際よりも少し早い時間、つまり getty が最後に tty 行に再生成された時間を報告します。
ps はログイン名 (ユーザー名) を除いて CSI 対応が可能です。
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