名前 | 形式 | 機能説明 | オプション | オペランド | 使用法 | 環境 | 終了ステータス | 属性 | 関連項目
stty コマンドは、現在の標準入力である装置に 特定の端末 I/O オプションを設定します。 引数なしの場合、特定のオプションの設定を報告します。
この報告で、文字の前にキャレット (^) が付く場合、 そのオプションの値は対応する制御文字です ( たとえば、 ^h は CTRL-H です。 この場合、 その CTRL-H の取り消しは back-space キーと同じです ) 。 ^ は、オプションに NULL 値があることを意味します。
「制御モード」から「ローカルモード」 ( 後述 ) の項までに一覧表示したモードの詳細については、 termio(7I) を参照してください。 「ハードウェアフロー制御モード」および「クロックモード」 ( 後述 ) の項で一覧表示したモードの詳細については、 termiox(7I) を参照してください。
「組み合わせモード」の項で説明したオペランドは、 それより前の項で説明したオプションを用いて実現されます。 多数のオプションを組合せても意味がありませんが、 これに対するまともなチェックは行われません。 ハードウェアフロー制御オプションおよび クロックモードオプションは、 すべてのハードウェアインタフェースでサポートされているわけではありません。
以下にオプションを示します。
使用端末のオプションの設定すべてを標準出力に書き出します。
他の stty コマンドへの引数として使用できる形式で現在の設定を報告します。 低レベルドライバがサポートしていれば、 termios 型で出力します。 サポートしていない場合には、 termio 型で出力します。
以下に mode オペランドを示します。
パリティの生成および検出を可能にします (不可能にします)。
拡張パリティの生成、およびマークパリティとスペースパリティの検出を可能にします (不可能にします)。
奇数 (偶数) パリティを選択するか、または parext が可能な場合にマーク (スペース) パリティを選択します。
文字サイズを選択します (termio(7I) を参照)。
直ちに回線を切ります。
最後のクローズ時に 接続を切ります (切りません)。
hupcl(-hupcl) と同じです。
文字ごとに 2 つ (1 つ) の停止ビットを使用します。
受信を可能にします (不可能にします)。
出力ハードウェアフロー制御を可能にします。RTS (送信依頼) モデム制御回線を立てます。CTS (送信可能) 回線が立てられるまで、出力を保留します。
入力ハードウェアフロー制御を可能にします。 データ受け取りのため RTS (送信依頼) モデム制御回線を立てます。 RTS の信号がオフの場合、 入力を保留します。
モデム制御のない (ある) 回線を想定します。
非現在レイヤからの出力を阻止します (阻止しません)。
struct eucioc の複数バイト拡張 UNIX コード (EUC) 文字の幅に LC_CTYPE によって指定された現在のロケールのデフォルト値を設定します。 幅は文字ごとにバイト単位、および 文字ごとにスクリーンまたはディスプレイカラムで表現されます (getwidth(3C) および ldterm(7M) を参照)。
可能なら、端末ボーレートに指定した数値を設定します (すべてのハードウェアインタフェースがすべての速度をサポートしているわけではありません)。
可能なら、端末入力ボーレートに与えられた数値を設定します (すべてのハードウェアが分割ボーレートをサポートしているわけではありません)。入力ボーレートが 0 に設定された場合、 入力ボーレートは、出力ボーレートの値によって指定されます。
可能なら、端末出力ボーレートに指定された数値を設定します (すべてのハードウェアが分割ボーレートをサポートしているわけではありません)。出力ボーレートが 0 に設定された場合、 回線は直ちに切れます。
入力時のブレークを無視します (無視しません)。
ブレークに INTR シグナルを送ります (シグナルを送りません)。
パリティエラーを無視します (無視しません)。
パリティエラーをマークします (マークしません) (termio(7I) を参照)。
入力パリティチェックを可能にします (不可能にします)。
入力文字を 7 ビットにストリップします (ストリップしません)。
入力時に NL を CR に変換します (変換しません)。
入力時に CR を無視します (無視しません)。
入力時に CR を NL に変換します (変換しません)。
入力時に大文字のアルファベットを小文字のアルファベットに変換します (変換しません)。
START/STOP 出力制御を可能にします (不可能にします)。 STOP 制御文字を送信することによって出力を停止し、 START 制御文字を送信することによって出力を開始します。
任意の文字 (DC1 のみ) に出力再開を許可します。
入力待ち行列がほとんど空または満杯のときに、システムが START/STOP 文字を送信する (送信しない) ように依頼します。
入力行が長すぎるときに、 BEL をエコーします (エコーしません)。
出力の後処理を行います (出力の後処理を行いません。他のすべての出力モードを無視します)。
出力時に小文字のアルファベットを大文字のアルファベットに変換します (変換しません)。
出力時に NL を CR-NL に変換します (変換しません) 。
出力時に CR を NL に変換します (変換しません)。
カラム 0 に CR を出力しません (出力します)。
端末で NL は CR 関数を実行します (実行しません)。
遅延に fill 文字を使用します (タイミングを使用します)。
fill 文字は DEL (NUL) です。
キャリッジリターンの遅延スタイルを選択します ( termio(7I) を参照 ) 。
ラインフィードの遅延スタイルを選択します ( termio(7I) を参照 ) 。
水平タブの遅延スタイルを選択します ( termio(7I) を参照 ) 。
バックスペースの遅延スタイルを選択します ( termio(7I) を参照 ) 。
フォームフィードの遅延スタイルを選択します ( termio(7I) を参照 ) 。
垂直タブの遅延スタイルを選択します ( termio(7I) を参照 ) 。
特殊制御文字、 INTR 、 QUIT 、 SWTCH 、および SUSP に対する文字のチェックを可能にします ( 不可能にします ) 。
標準的な入力 (ERASE および KILL 処理) を可能にします (不可能にします)。 MIN や TIME は設定されません。
標準的な (未処理の) 大文字/小文字を表示します。
入力されたすべての文字を表示します (表示しません)。
ERASE 文字を バックスペース-空白文字-バックスペースの文字列として表示します (表示しません) 。 このモードは、多くの CRT 端末上で ERASE された文字を消します。 しかし、これはカラム位置の軌跡をとらないので、 エスケープした文字、タブ、およびバックスペースを 混同する場合があることに注意してください。
KILL 文字の後の NL を表示します ( 表示しません ) 。
echok(-echok) と同じです。 旧式です。
NL をエコーします (エコーしません)。
INTR 、 QUIT 、または SUSP の後にフラッシュを不可能にします (可能にします)。
同期回線で 79 文字より長い行の切り捨てを不可能にします (可能にします)。
バックグラウンドプロセスが端末に書き込むときに、 SIGTTOU
を送信します (送信しません)。
制御文字を ^char としてエコーし (エコーせず)、^? として削除します。
文字は ``erased'' されたものとして、消去文字をエコーします (エコーしません)。
行の削除の際、 BS-SP-BS は行全体を削除します (BS-SP-BS 削除しません)。
出力がフラッシュされます (されません)。
次の読み取りまたは入力文字で、保留中の入力を再入力します (再入力しません)。
現在、icanon、isig、ixon、ixoff のモード指定によって制御できない次の特殊な制御文字を有効にします (無効にします)。つまり、VEOLZ、VSWTCH、VREPRINT、VDISCARD、VDSUSP、VWERASE、VLNEXT です。
write(2) のたびにその後で同期回線でフラッシュを可能にします (不可能にします)。
同期回線でアプリケーションモードを使用します (回線モードを使用します)。
入力時に RTS ハードウェアフロー制御を可能にします (不可能にします)。
出力時に CTS ハードウェアフロー制御を可能にします ( 不可能にします ) 。
入力時に DTR ハードウェアフロー制御を可能にします (不可能にします)。
出力時に CD ハードウェアフロー制御を可能にします (不可能にします)。
入力時に等時性ハードウェアフロー制御を可能にします (不可能にします)。
内部ボーレートジェネレータから転送クロックを得ます。
トランスミッタシグナル要素タイミング (DCE ソース) リード、 CCITT V.24 回線 114 、 EIA-232-D ピン 15 から転送クロックを得ます。
受信シグナル要素タイミング (DCE ソース) リード、 CCITT V.24 回線 115 、 EIA-232-D ピン 17 から転送クロックを得ます。
内部ボーレートジェネレータから受信クロックを得ます。
トランスミッタシグナル要素タイミング (DCE ソース) リード、 CCITT V.24 回線 114 、 EIA-232-D ピン 15 から受信クロックを得ます。
受信シグナル要素タイミング (DCE ソース) リード、 CCITT V.24 回線 115 、 EIA-232-D ピン 17 から受信クロックを得ます。
トランスミッタシグナル要素タイミングクロックが提供されていません。
トランスミッタシグナル要素タイミング (DTE ソース) リード、 CCITT V.24 回線 113 、 EIA-232-D ピン 24 上の受信ボーレートジェネレータを出力します。
トランスミッタシグナル要素タイミング (DTE ソース) リード、 CCITT V.24 回線 113 、 EIA-232-D ピン 24 上の転送ボーレートジェネレータを出力します。
トランスミッタシグナル要素タイミング (DTE ソース) リード、 CCITT V.24 回線 113 、 EIA-232-D ピン 24 上のトランスミッタシグナル要素タイミングを出力します。 (DTC ソース)
トランスミッタシグナル要素タイミング (DTE ソース) リード、 CCITT V.24 回線 113 、 EIA-232-D ピン 24 上の受信シグナル要素タイミング (DTC ソース) を出力します。
受信シグナル要素タイミングクロックが提供されていません。
受信シグナル要素タイミング (DTE ソース)リード、 CCITT V.24 回線 128 、非 EIA-232-D ピン上の受信ボーレートジェネレータを出力します。
受信シグナル要素タイミング (DTE ソース) リード、 CCITT V.24 回線 128 、非 EIA-232-D ピン上の転送ボーレートジェネレータを出力します。
受信シグナル要素タイミング (DTE ソース) リード、 CCITT V.24 回線 128 、非 EIA-232-D ピン上のトランスミッタシグナル要素タイミング (DCE ソース) を出力します。
受信シグナル要素タイミング (DTE ソース) リード、 CCITT V.24 回線 128 、非 EIA-232-D ピン上の受信シグナル要素タイミング (DCE ソース) を出力します。
control-character に c を以下のように設定します。
ctab、discard、dsusp、eof、eol、eol2、erase、intr、kill、lnext、quit、reprint、start、stop、susp、swtch、または werase (ctab は -stappl とともに用いる。 termio(7I) を参照)
c が単一文字である場合、 コントロール文字は その単一文字に設定されます。POSIX ロケールにおいて c の前にシェルからのエスケープを指すキャレット (^) が付いていて、c が以下の表の ^c 襴に載っている場合、 使用される値 (値の欄に記載) は対応する制御文字です (たとえば、^d は CTRL-D)。^? は DEL として解釈され、^- は未定義として解釈されます。
^c | 値 | ^c | 値 | ^c | 値 |
a, A | <SOH> | l, L | <FF> | w, W | <ETB> |
b, B | <STX> | m, M | <CR> | x, X | <CAN> |
c, C | <ETX> | n, N | <SO> | y, Y | <EM> |
d, D | <EOT> | o, O | <SI> | z, Z | <SUB> |
e, E | <ENQ> | p, P | <DLE> | [ | <ESC> |
f, F | <ACK> | q, Q | <DC1> | ¥ | <FS> |
g, G | <BEL> | r, R | <DC2> | ] | <GS> |
h, H | <BS> | s, S | <DC3> | ^ | <RS> |
i, I | <HT> | t, T | <DC4> | _ | <US> |
j, J | <LF> | u, U | <NAK> | ? | <DEL> |
k, K | <VT> | v, V | <SYN> |
number に min または time の値を設定します。 MIN および TIME は非標準的なモードの入力処理 ( -icanon ) で使用されます。
回線規約を i に設定します (0< i <127)。
現在の端末特性を -g オプションで作成されたものに設定します。
parenb および cs7 、または無効である parodd を可能にします。
parenb 、 cs7 、および parodd を可能にします。
parenb 、 cs7 、および parext を可能にします。
parenb 、 cs7 、 parodd 、および parext を可能にします。
parenb を不可能にし、 cs8 を設定します。
parenb および parodd を不可能にし、 cs8 を設定します。
parenb および parext を不可能にし、 cs8 を設定します。
parenb 、 parodd 、および parext を不可能にし、 cs8 を設定します。
raw 入力および出力を可能にします ( 不可能にします ) 。 raw モードは次のように設定した場合と同じです。
stty cs8 -icanon min 1 time 0 -isig -xcase ¥ -inpck -opost
icrnl を設定します ( 設定解除します ) 。 さらに -nl は、inlcr、igncr、ocrnl 、および onlret を設定解除します。つまり、-nl は onlcr を設定して、 nl は onlcr を設定解除します。
xcase、iuclc 、および olcuc を設定します ( 設定解除します ) 。
lcase (-lcase) と同じです。
出力時にタブを保存します (空白を拡張します)。
ERASE および KILL 文字を通常の # および @ にリセットします。
すべてのモードを適当な値にリセットします。
すべてのモードを端末タイプ term に合うように設定します。 ここで、term は tty33、tty37、vt05、 tn300、ti700、または tek のいずれか 1 つです。
クロック設定が xcibrg、rcibrg、tsetcoff、および rsetcoff である通常の非同期式通信を設定します。
-g フラグは、 シェルレベルから端末状態の保存や復元を行うために 指定します。以下にプログラムの例を示します。
saveterm="$(stty -g)" # 端末の状態を保存 stty (new settings) # 新しく状態を設定 . . . # . . . stty $saveterm # 端末の状態を復元 |
-a の形式は表記が冗長であるため、 端末設定の保存、 および復元を行う スクリプトには -g オプションを使用してください。
stty の実行に影響を与える環境変数 LC_CTYPE、LC_MESSAGES、NLSPATH についての詳細は、 environ(5) を参照してください。
次の属性については attributes(5) のマニュアルページを参照してください。
tabs(1), ioctl(2), write(2), getwidth(3C), attributes(5), environ(5), termio(7I), termiox(7I), ldterm(7M)
名前 | 形式 | 機能説明 | オプション | オペランド | 使用法 | 環境 | 終了ステータス | 属性 | 関連項目