名前 | 形式 | 機能説明 | オプション | オペランド | 使用法 | 環境 | 終了ステータス | 属性 | 関連項目 | 診断 | 注意事項
compress ユーティリティは、適応型レンペル・ジブ・コーディング法を利用して、 指定されたファイルの圧縮を試みます。 出力先が標準出力でないとき、各ファイルは、可能な限り、 拡張子 .Z の付いたファイルに置き換えられます。 所有モード、アクセス時刻、更新時刻は変わりません。 なお .Z をファイル名に付加するとファイル名の長さが 14 バイトを超えてしまう場合には、コマンドの実行は失敗します。 ファイル名が指定されていない場合には、 標準入力が圧縮されて結果が標準出力に送られます。
どの程度圧縮されるかは、 入力ファイルのサイズ、 コードあたりの bits 数、 共通部分文字列の配置などによって異なります。 通常、ソースコードや英語の文章などのテキストの場合、 50% から 60% は圧縮されます。 この圧縮処理は、ハフマンコーディング法 (pack(1) で使用されている) で行われる圧縮処理よりも優れており、 計算時間も短くてすみます。 このコマンド中に指定される bits パラメータの値は、 圧縮結果のファイル内にコード化されます。 さらにこのファイル内には、 ランダムデータの圧縮解除および圧縮データの再圧縮を防止するための、 マジックナンバーも書き込まれます。
uncompress ユーティリティは、 compress ユーティリティによって 圧縮されたファイルを元の状態に復元します。 ファイル名を省略すると、標準入力を圧縮解除して 標準出力に書き出します。
このユーティリティは、 compress が生成したどのようなファイルでも、圧縮解除します。 ただし他のシステム上で compress が生成したファイルに関しては、 9 および 16 ビット圧縮だけがサポートの対象となります。詳しくは -b の説明を参照してください。
zcat ユーティリティは、 compress により圧縮されたファイルの圧縮解除した内容を、 標準出力に出力します。 これは uncompress -c と同じ結果となります。 入力ファイルの内容は変わりません。
以下のオプションを指定できます。
結果を標準出力に書き出します。 既存のファイルは変更されず、 .Z ファイルも作られません。 つまり `uncompress -c' という指定は zcat と同機能です。
圧縮の場合、 圧縮してもファイルが小さくならない場合や、対応する file.Z ファイルがすでに存在している場合でも、 強制的に圧縮を行います。 このオプションを指定しない場合は、 プロセスがバックグラウンドで実行している場合を除き、 既存の file.Z ファイルを上書きするかどうかの確認を求めるプロンプトが表示されます。 圧縮解除の場合、このオプションは、 上書きの確認用プロンプトを表示しないよう指定します。 -f オプションを指定しない場合は、 プロセスがバックグラウンドで実行している場合を除き、 既存のファイルを上書きするかどうかの確認を求める プロンプトが表示されます。 標準入力が端末ではないときに -f オプションが省略されると、標準エラー出力に診断メッセージを出力し、 0 より大きな終了ステータスで終了します。
冗長 (verbose) 。各ファイルが何パーセント圧縮または圧縮解除されたかを、 標準エラー出力に書き出します。
共通部分文字列コードの最大長 ( ビット単位 ) を指定します。 bits には、 9 から 16 の値を指定します ( デフォルトは 16 です )。 この値を小さくすると、 圧縮率が低くなり、 結果ファイルは大きくなります。
ファイルが 2 ギガバイト ( 231 バイト) 以上ある場合の compress 、 uncompress 、 zcat の動作については、 largefile(5) を参照してください。
compress 、 uncompress 、 zcat の実行に影響を与える環境変数 LC_CTYPE
、 LC_MESSAGES
、 NLSPATH
についての詳細は、 environ(5) を参照してください。
以下の終了ステータスが返されます。
正常終了した
エラーが発生した
( -f オプションが指定されていないため) サイズが大きくなってしまうので、 いくつかのファイルが圧縮されなかった。
エラーが発生した。
次の属性については attributes(5) のマニュアルページを参照してください。
属性タイプ | 属性値 |
使用条件 | SUNWesu |
CSI | 対応済み |
ln(1), pack(1), attributes(5), environ(5), largefile(5)
コマンド行に無効なオプションが指定されました。
-b の後に最大ビット数が指定されていません、 または不正な値か数値でない値が指定されました。
uncompress に指定されたファイルは 圧縮されたファイルではありません。
file は、 このマシンの圧縮コードよりも 大きいビット数を扱うプログラムによって、 圧縮されています。 これより小さいビット数でファイルを 再圧縮する必要があります。
このファイルは、 すでに圧縮されたものと思われます。 ファイル名を変更して、 再試行してください。
出力ファイルで置き換える場合は y を、 置き換えない場合は n と応答してください。
SIGSEGV
違反が検出されました。 通常、 入力ファイルが破損していることを示します。
入力ファイルが圧縮によって縮小された割合です。 (-v オプションが指定された場合のみ表示します。)
入力ファイルが通常ファイルではない場合 (たとえばディレクトリ)、 内容は変更されません。
入力ファイルにリンクがあります。 内容は変更されません。 詳細は、 ln(1) を参照してください。
圧縮しても、 縮小されません。 入力ファイルの内容は 変更されません。
パス名が長すぎて、接尾辞 .Z を付加できません。
圧縮されたファイルは、 大容量メモリを持つマシン間では互換性がありますが、 プロセスあたりのデータ領域が小さい (64K バイト以下 ) アーキテクチャへのファイル転送には -b 12 を指定してください。
拡張子 . Z の付いたファイルが存在する場合の compress の処理は、 もう少し柔軟であるべきです。
名前 | 形式 | 機能説明 | オプション | オペランド | 使用法 | 環境 | 終了ステータス | 属性 | 関連項目 | 診断 | 注意事項