この章では、SPARC プラットフォームに Solaris 7 - 3/99 を新たにインストールする方法または Solaris 7 - 3/99 にアップグレードする方法について説明します。
Solaris 7 - 3/99 リリースでは、次に示す機能が提供されます。
新たにサポートされる SPARC ハードウェアの新規または更新されたデバイスドライバ
Solaris 7 - 3/99 Documentation CD に含まれている追補マニュアル中に記載されている新機能
Solaris 7 Maintenance UpdateTM (MU) パッチ。Solaris システムソフトウェアに組み込まれています。
インストールに関するハードウェア要件については、各ハードウェアのメーカーから提供されている資料を参照してください。
インストールに関する詳細や、新しい機能である Solaris Product Registry の使用方法については、『Solaris 7 のインストール (追補)』を参照してください。
Solaris 7 - 3/99 のインストールを始める前に、必ずファイルシステムのバックアップをとってください。ファイルシステムのバックアップについての詳細は、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』を参照してください。
Solaris 7 - 3/99 ソフトウェアのインストールには、Solaris Web Start 1.0、 JumpStart、カスタム JumpStart、または対話式の、インストール方法を使用できます。Solaris のインストール方法についての詳細は、Solaris 7 - 3/99 Documentation CD (日本語版) に含まれる『Solaris 7 インストールライブラリ (SPARC 版)』 および 『Solaris のインストール (上級編)』を参照してください。
インストールが完了したら、3 つのファイル install_log、 begin.log、 finish.log を確認します。
以下のディレクトリに移動し、上記のファイルの内容をエディタで確認してください。
# cd /var/sadm/system/logs |
Solaris 7 をインストールサーバーとして使用する場合、add_install_client を実行する前に、Solaris 7 の /etc/nsswitch.conf ファイルを変更する必要があります。
Solaris 7 の /etc/nsswitch.conf ファイルの次の行に移動します。
hosts: xfn nis [NOTFOUND=return] files |
xfn エントリを削除して、次のようにします。
hosts: nis [NOTFOUND=return] files |
Solaris 7 - 3/99 Software CD から、add_install_client を実行します。
インストールサーバー上に OS サービスを追加する前に、SolsticeTM AdminSuiteTM 2.3 のパッチ 104468-06 またはこのパッチのアップデート版をインストールする必要があります。このパッチがお手持ちの Solstice AdminSuite 2.3 に含まれていない場合には、ご購入先にパッチの入手方法とパッチのインストール手順をお問い合わせください。
すでにパッチが適用されている Solaris リリースで Solstice AdminSuite を使用する場合、次のファイルを OS サービスに追加しておく必要があります (すべてのパッチを削除することはおすすめできません。また、実際に削除できません)。
/var/sadm/patch/.mu_applied
このファイルは、次に示す MU リリースによって、自動的に作成されます。
Solaris 2.5.1: MU3、MU4、MU5
Solaris 2.6: MU1、MU2
Solaris 7: MU1
この方法では、システムに入っているすべてのパッチを追跡する Solstice AdminSuite の機能は動作しません。システムにパッチを追加したりシステムからパッチを削除したりするには、admclientpatch を使用してください。
今回のリリースで新しくサポートされるプラットフォームやオプション機器のリストについては、ハードウェアメーカーから提供される資料を参照してください。
インストールが完了したら、3 つのファイル install_log、 begin.log、 finish.log を確認します。
以下のディレクトリに移動し、上記のファイルの内容をエディタで確認してください。
# cd /var/sadm/system/logs |
アップグレードを開始する前に、「アップグレードに関する注意事項とバグ情報」を参照してアップグレードに関する注意事項を確認してください。
アップグレードには、JumpStart、カスタム JumpStart、または対話式インストールの、アップグレードオプションを使用します。Solaris のインストール方法についての詳細は、Solaris 7 - 3/99 Documentation CD (日本語版) に含まれる『Solaris 7 インストールライブラリ (SPARC 版)』 および 『Solaris のインストール (上級編)』を参照してください。
アップグレード中に、いくつかのパッケージ (SUNWolrte、 SUNWoldcv、 SUNWoldte、SUNWolaud を含む) に関するメッセージが表示されますが、すでにインストールされているものと同じアーキテクチャおよびバージョンのパッケージをインストールすることを示すメッセージなので、問題はありません。
Doing pkgadd of SUNWolrte to / This appears to be an attempt to install the same architecture and version of a package which is already installed. This installation will attempt to overwrite this package. Installation of <SUNWolrte> was successful... |
Solaris 7 オペレーティング環境のシステムにパッチがインストールされている場合、 Solaris 7 - 3/99 にアップグレードすると、次のようになります。
システムにすでにインストールされているパッチが Solaris 7 - 3/99 システムソフトウェアの一部として提供されている場合、そのパッチは再度適用されます。そのパッチは、削除 (バックアウト) することはできません。
システムにすでにインストールされているパッチが Solaris 7 - 3/99 システムソフトウェアの一部として提供されていない場合、そのパッチは削除されます。
削除されるパッチを確認するには、次に説明するパッチアナライザを使用します。
Solaris 7 をインストールしていない場合は、「Solaris 7 オペレーティング環境から Solaris 7 - 3/99 へのアップグレード」を参照してください。
Solaris 7 - 3/99 オペレーティング環境にアップグレードすることによって削除されるパッチがあるかどうか、ある場合はどのパッチが削除されるかを、パッチアナライザを使用して確認することができます。パッチアナライザは、手動で実行するスクリプトとしてまたは対話式インストールの一部として、利用することができます。
対話式インストールでアップグレードする場合、パッチ解析を行うには、解析オプションを選択してください。
対話式インストールを使用しないでアップグレードする場合、パッチ解析を行うには、次に説明する手順で analyze_patches スクリプトを実行してください。
パッチの解析後、「パッチ解析結果の確認」を参照して、解析結果を確認してください。
analyze_patches を実行する手順は、次のとおりです。
analyze_patches スクリプトを実行するには、インストール済みシステムと、NFSTM によりマウントされたまたはローカルにマウントされた媒体上にある Solaris 7 - 3/99 Software CD (またはネットワーク上のイメージ) が、スクリプトからアクセスできなければなりません。
OS イメージの Misc ディレクトリに移動します。
ローカルにマウントされた媒体にイメージがある場合は、次のコマンドを使用します。
# cd /cdrom/ja_sol_7_399_sparc/s0/Solaris_2.7/Misc |
NFS によるマウントでイメージを利用できる場合は、次のコマンドを使用します。
# cd /NFS_mount_directory/Solaris_2.7/Misc |
analyze_patches を実行します。
# ./analyze_patches |
表 3-1 に、コマンド行で使用できるオプションを示します。
表 3-1 analyze_patches のコマンド行オプション
オプション |
説明 |
---|---|
-R rootdir |
rootdir は、インストール済みシステムのルートです。デフォルトでは / です。 |
-N netdir |
netdir は、インストールされる OS イメージのルートへのパスです。デフォルトでは /cdrom/cdrom0 です。このパスは、Solaris_2.7 ディレクトリを含むディレクトリを指さなければなりません。NFS マウントによって patch_analyzer を実行する場合は、このオプションを使用する必要があります。 |
-D databasedir |
OS イメージ上の Misc 以外のディレクトリからスクリプトを起動する場合、そのプログラムはパッチ解析に使用するデータベースを見つけることができません。このため、-D オプションを使用し、データベースへのパスを指定します。このデータベース (OS イメージ上の /Solaris_2.7/Misc/database に含まれる) がないと、スクリプトが正しく動作しません。 |
パッチ解析を実行後、次のようにして結果を確認してください。
analyze_patches スクリプトの出力を調べます。
他のパッチによって削除、ダウングレード、アップグレードされるパッチのリストが出力されます。アップグレードされる場合、古いパッチは削除され、新しいパッチの内容が適用されます。
たとえば、次のように出力されます。
Patch 105644-03 will be removed. Patch 105925 will be downgraded from -02 to -01. Patch 105776-01 will be accumulated/obsoleted by patch 105181-05. |
パッチ解析を実行しても何も出力されない場合は、システムにすでにインストールされているパッチに対して何も影響はありません。
パッチの置き換えまたは削除を実行するかどうかを調べます。
Solaris 7 - 3/99 によるパッチの置き換えまたは削除を実行してもよい場合は、「Solaris 7 オペレーティング環境から Solaris 7 - 3/99 へのアップグレード」に進んでください。
Solaris 7 - 3/99 によって、以前にインストールしたパッチの置き換えまたは削除が行われないようにしたい場合は、Solaris 7 - 3/99 Software CD を使用してアップグレードを行わないでください。Solaris 7 Maintenance Update 1 CD と『Solaris 7 Maintenance Update 1 ご使用にあたって (SPARC 版)』を使用して、現在の Solaris 7 システムにパッチをインストールしてください。
アップグレードには、JumpStart、カスタム JumpStart、または対話式インストールの、アップグレードオプションを使用します。Solaris のインストール方法についての詳細は、Solaris 7 - 3/99 Documentation CD (日本語版) に含まれる『Solaris 7 インストールライブラリ (SPARC 版)』 および 『Solaris のインストール (上級編)』を参照してください。
アップグレード中に、いくつかのパッケージ (SUNWolrte、 SUNWoldcv、 SUNWoldte、 SUNWolaud を含む) に関するメッセージが表示されますが、すでにインストールされているものと同じアーキテクチャおよびバージョンのパッケージをインストールすることを示すメッセージなので、問題はありません。
Doing pkgadd of SUNWolrte to / This appears to be an attempt to install the same architecture and version of a package which is already installed. This installation will attempt to overwrite this package. Installation of <SUNWolrte> was successful... |
アップグレードが完了したら、upgrade_log ファイルを確認します。
以下のディレクトリに移動し、上記のファイルの内容をエディタで確認してください。
# cd /var/sadm/system/logs |
インストールサーバー上に OS サービスを追加する前に、Solstice AdminSuite 2.3 のパッチ 104468-06 またはこのパッチのアップデート版をインストールする必要があります。このパッチがお手持ちの Solstice AdminSuite 2.3 に含まれていない場合には、ご購入先にパッチの入手方法とパッチのインストール手順をお問い合わせください。
すでにパッチが適用されている Solaris リリースで Solstice AdminSuite を使用する場合、次のファイルを OS サービスに追加しておく必要があります (すべてのパッチを削除することはおすすめできません。また、実際に削除できません)。
/var/sadm/patch/.mu_applied
このファイルは、次に示す MU リリースによって、自動的に作成されます。
Solaris 2.5.1: MU3、MU4、MU5
Solaris 2.6: MU1、MU2
Solaris 7: MU1
この方法では、システムに入っているすべてのパッチを追跡する Solstice AdminSuite の機能は動作しません。システムにパッチを追加したりシステムからパッチを削除したりするには、admclientpatch を使用してください。
Solaris 7 - 3/99 ソフトウェアのバージョンを確認するには、次のように実行します。
# cat /etc/release |