Sun 周辺機器使用の手引き

付録 B システムの起動

この付録では、さまざまなモードでシステムを起動する方法を説明します。

システムの電源が入っていない場合には、電源を入れるとマルチユーザーの起動処理が開始されます。ok プロンプトから他の状態へ起動する手順については、以下を参照してください。

ok プロンプトに切り替える

システムが停止しているときの PROM モニターのプロンプトは、ok と表示されます。

  1. > システムが停止して boot prom レベルになっている状態の画面表示は、以下のようになります。


    ok

周辺機器の接続後に起動する

新たに接続したすべての周辺機器を認識させるためのシステムの起動は、通常、以下の操作の後に行ないます。

  1. 新たに接続したすべての周辺機器を認識させるために、次のコマンドを入力してシステムを起動します。


    ok boot -r


    注 -

    「システムの停止」で説明している touch /reconfigure コマンドを実行しなかった場合は、boot -r コマンドを使用して新たに追加されたすべての周辺機器を認識させることができます。


自動的に起動する

自動的な起動は、システムの電源投入と同様に簡単な操作です。システムは、操作環境を自動的に読み込み、すべての接続済みデバイスを認識し、マルチユーザーモードで起動します。


注 -

自動的に起動するには、OpenBoot PROM が自動起動に設定されている必要があります。


  1. システムが自動的に起動するように OpenBoot PROM を設定するには、ok プロンプトで以下のように入力します。


    ok setenv auto-boot? true
    ok reset
    

    システムの電源を入れたときにシステムが起動しないようにするには、auto-boot パラメタ を false に設定します。


    注 -

    システムに新たにハードウェアを追加しても、その後で touch /reconfigure コマンドを実行しなかった場合、システムはその新たなデバイスを自動認識しないことがあります。その場合は boot prom レベル (ok プロンプト) で boot -r コマンドを実行してください。詳細については、「システムの停止」を参照してください。


マルチユーザー状態 (init 状態 3) で起動する

マルチユーザー状態への起動は、通常、システム停止後か、システムハードウェア保守作業の実行後に行います。これはデフォルトの起動レベルであり、すべてのリソースが利用可能で、ユーザーがシステムにログインできます。

  1. 実行レベル 3 へ起動するには、boot コマンドを入力します。


    ok boot

    自動起動処理が開始され、一連の起動メッセージが表示されます。システムは、マルチユーザー状態で起動されます。

シングルユーザー状態 (実行レベル S) で起動する

シングルユーザー状態での起動は、通常、システム保守作業 (システムのバックアップなど) を実行した後に行います。このレベルでは、一部のファイルシステムだけがマウントされ、ユーザーがシステムにログインすることはできません。

  1. 実行レベル S へ起動するには、boot -s コマンドを使用します。


    ok boot -s
    

    システムは、シングルユーザー状態で起動して、スーパーユーザーのパスワードの入力を求めます。


    INIT: SINGLE USER MODE
    Type Ctrl-d to proceed with normal startup,
    (or give root password for system maintenance):  xxxxxxx
    

  2. スーパーユーザーのパスワードを入力します。

  3. システム保守作業を行った後に、システムをマルチユーザー状態にする場合は、 Control-D を押します。

対話型の起動をする

システムファイルまたはカーネルに一時的な変更を加えるために対話型の起動を行うことができます。対話型で起動すると、変更内容を試すことができ、何か問題がある場合には容易に回復することができます。

この手順では、システムがすでに停止していることと仮定しています。

  1. システムを対話型で起動するには、以下のように入力します。


    ok boot -a

  2. 表 B-1 に従って、システムプロンプトに応答します。

    表 B-1 対話型起動手順

    システムの表示 

    実行内容 

    Enter filename [kernel/unix]:

    起動に使用する別のカーネルの名前を指定します。 

    または 、デフォルトのカーネル (kernel/unix) を使用する場合には Return キー を押します。

    Name of system file [/etc/system]:

    代替のシステムファイルの名前を指定して Return キー を押します。 

    または 、デフォルトの /etc/system ファイルを使用する場合には Return キー を押します。

    Name of default directory for modules [/kernel /usr/kernel]:

    モジュールディレクトリのための代替のパスを指定し Return キー を押します。 

    または 、デフォルトのモジュールディレクトリパスを使用する場合には Return キー を押します 

    root filesystem type [ufs]:

    デフォルトのルートファイルシステムを使用する場合は Return キーを押します。ローカルディスクからの起動の場合は UFS、ディスクレスクライアントの場合は NFS を入力します。 

    Enter physical name of root device

    [/sbus@1,f8000000/esp@0,800000/ sd@3,0:a]:

    代替デバイス名を入力して Return キー を押します。 

    または 、ルートデバイスのデフォルトの物理名を使用する場合は、 Return キー を押します。 

起動処理を中止する

時には、起動処理の停止が必要になる場合があります。中止するためのキー操作は、キーボードの種類によって異なります。以下の手順 1 を参照してください。

  1. 以下のうち、使用しているキーボードに適したキーボードコマンドを入力します。

    以下の適切なキーの組み合わせを使用します。

    • Stop-A (タイプ 5 キーボード)

    • L1-A (タイプ 4 キーボード)

    • Break キー (TTY 端末のみ)

    モニターモードのコマンドプロンプトが画面に表示されます。


    ok

  2. ディスクの同期をとるために、以下のように入力します。


    ok sync
    

  3. syncing file systems. . .done というメッセージが表示されたら、手順 1 で示したキーボードコマンドを再度入力します。

  4. 適切な boot コマンドを入力し、起動処理を行ないます。