scitest は、ネットワークハードウェアをテストすることによって、Sun Enterprise Cluster 2.0 の機能を検査します。このテストを行うには、テストするクラスタを前もって構成しておく必要があります。クラスタの構成方法については、『Sun Enterprise Cluster 2.0 Hardware Site Preparation, Planning, and Installation Guide』を参照してください。
scitest は、/etc/sma.ip ファイルを読み取って、クラスタの宛先ノード情報を取得します。また、クラスタノード間の接続のテストには、主として ICMP (Internet Control Message Protocol) を使用します。
クラスタのノード (宛先) を検出した後、scitest は、以下のテストを行います。
ランダムテスト - ランダムな長さのランダムのデータからなる 256 個のパケットを送信します。
増分テスト - 増分データを使用して、最小から最大の範囲のいろいろなサイズのパケットを送信します。
パターンテスト - 最大の長さの 256 個のパケットを送信します。各パケットには、1 つのテストパターンが含まれ、すべてのバイトパターン (0 〜 0xFF) が使用されます。
scitest は、スケーラブルテストです。SCSI カード 1 枚あたりのインスタンス数は、最高 2 つです。
オプション |
説明 |
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Target Host (宛先ホスト) |
未使用 |
Receive Timeout (受信タイムアウト) |
0 〜 600 秒の範囲で指定します。デフォルトは 120 秒です。 |
数値 of Retries (再試行回数) |
エラーフラグを立てるまでの再試行回数を指定します。0 から 128 回の範囲で指定します。 |
Print Warning (印刷時警告) |
デフォルトでは無効です。時間切れが発生したときの再試行などの警告エラーを表示する場合は、有効にします。 |
scitest は、接続テスト、機能テスト、オンラインの 3 つのモードをサポートしています。選択されたモードに従い、ネットワークデバイスに対して異なる内容のテストが行われます。
表 30-2 scitest のテストモード
テストモード |
説明 |
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接続テストモード |
デバイスが接続されているか調べます。すべてのネットワークインタフェースを検索して、指定されたデバイス名が存在するか調べます。デバイスが接続されていなかった場合、テストは失敗します。接続されていると、そのことを示すメッセージが返されます。 |
機能テストモード(オフライン) |
3 つのテスト (ランダム、増分、パターン) を順に行います。オプションを使用して、非常に負荷の大きいテストを行うことができます。 |
機能テストモード(オンライン) |
ユーザーのアプリケーションが動作している可能性を考慮して、scitest はアプリケーションに極力テストの影響を与えないように動作します。このためオンラインモードでは、ランダムテストだけを使用します。ネットワークデバイスを共有し、システム資源を使用するので、アプリケーションに対する影響はきわめて小さくなります。 |
/opt/SUNWvts/bin/scitest 標準引数 -o dev=インタフェース,test=タイプ,packets=個数,pattern=16 進値,delay=秒数, timeout=秒数,retry=回数,warn
表 30-3 scitest のコマンド行構文
引数 |
説明 |
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dev=インタフェース |
ネットワークインタフェース名を指定します。デフォルトは、Ethernet ネットワークの le0 です。 |
test=タイプ |
テストのタイプとして、random、increment、pattern のいずれかを指定します。デフォルトは random+increment+pattern です。 |
packets=個数 |
ランダム / パターンテストで送信するパケット数を指定します。デフォルトは 256 個です。 |
pattern=16 進値 |
16 進形式でデータパターンを指定します。デフォルトは、0 〜 0xff の範囲のすべてのパターンです。 |
delay=秒数 |
次のサブテストを行うまでの間隔 (単位: 秒) を指定します。デフォルトは 30 秒です。 |
timeout=秒数 |
時間切れにするまでの待ち時間 (単位: 秒) を指定します。デフォルトは 20 秒です。 |
retry=回数 |
テストが時間切れになったときの再試行回数を指定します。デフォルトは 3 回です。 |
warn |
有効にすると、警告メッセージが表示されます。 |
64 ビットのテストは、sparcv9 サブディレクトリに格納されています (/opt/SUNWvts/bin/sparcv9/テスト名)。このディレクトリにテストが存在しない場合、そのテストは、32 ビットのテストとしてだけ実行することができます。詳細は、「32 ビットテストと 64 ビットテスト」を参照してください。
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エラーメッセージ |
考えられる原因 |
対処方法 |
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4001 |
Unable to communicate from 文字列 |
SCI アダプタの障害。または、ケーブルが接続されていません。 |
ケーブルの接続を調べてください。 SCI アダプタを交換してください。 |
4002 |
Can not access /etc/sma.ip file. "I WILL STOP TESTING SCI INTERFACES" |
/etc/sma.ip が見つからないか、クラスタが構成されていません。 また、クラスタが古いバージョンです。 |
sm_config を使用して、クラスタを構成してください。バックアップテープからファイルを回復し、宛先ホストオプションにクラスタマシンを指定してから、テストを行ってください。 |
6000 |
RPC broadcast failure エラーメッセージ |
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6001 |
Unable to resolve ホスト名 ethernet address |
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6002 |
No ICMP echo reply from 文字列 |
SCI アダプタの障害。または、ケーブルが接続されていません。 |
ケーブルの接続を調べてください。 SCI アダプタを交換してください。 |
6003 |
ICMP echo reply incorrect length from ホスト名, exp データ obs データ |
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6004 |
ICMP echo reply length 数値 from ホスト名, データ mismatch at byte 数値, exp 値 obs 値 |
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6005 |
Unable to find any test target |
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8000 |
Unable to open デバイス名 エラーメッセージ |
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8001 |
Bad ioctl 名前 エラーメッセージ |
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8002 |
Unable to allocate 数値 bytes of memory エラーメッセージ |
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8003 |
System call 名前 returned 値 エラーメッセージ |
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8004 |
Unable to map network entry for ホスト名 |
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8006 |
Failed to allocate 数値 bytes of swap space for configuration |
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|
8007 |
dl_primitive response = 値 |
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8008 |
dl_ok_ack: short response |
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8009 |
dl_phys_addr_ack: short response |
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8010 |
Invalid Argument 文字列 |
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8011 |
Interface デバイス名 not configured in system |
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8012 |
SCITEST can not open/read /etc/sma.ip |
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