この節ではドライバをシステムにインストールした後の設定作業を解説します。
Sun GigabitEthernet アダプタのドライバソフトウェアをインストール後、アダプタの Ethernet インタフェース用にファイルを作成する必要があります。また Ethernet インタフェース用の IP アドレスとホスト名を、/etc/hosts ファイルに作成する必要もあります。
コマンドラインからコマンド grep を入力し、/etc/path_to_inst ファイル中の ge インスタンスを探します。
Sun GigabitEthernet/P の場合
スロット 1 に実装されたアダプタのデバイスインスタンスの場合は、例えば以下のようになっています。
# grep ge /etc/path_to_inst "/pci@1f,4000/network@1" 0 "ge"
Sun GigabitEthernet/S の場合
スロット 0 に実装されたアダプタのデバイスインスタンスの場合は、例えば以下のようになっています。
# grep ge /etc/path_to_inst "/sbus@1f,0/network@1" 0 "ge"
ファイル /etc/hostname.ge<num> を作成します。num の部分には、これから使おうとしている ge インタフェースのインスタンス番号を入力します。
ここで方法 1 の例で示したアダプタの ge インタフェースと同じものを使いたい場合、例えば ge インタフェースのインスタンス番号が 0 の場合は /etc/hostname.ge0 というファイルを作成しなければいけません。同じ例でインスタンス番号が 1 だった場合は、ファイル名は /etc/hostname.ge1 になります。
Sun GigabitEthernet アダプタインタフェースのうち、使用しないものについては、 /etc/hostname.genum ファイルを作成しないでください。
/etc/hostname.genum ファイルは、適切な ge インタフェースを表すホスト名を含んでいなければいけません。
ホスト名は IP アドレスを 1 つ含んでいなければいけません。また、ホスト名は /etc/hosts ファイルに入力しておく必要があります。
ホスト名は重複してはいけません (他のすべてのインタフェースのどのホスト名とも異なる名前を付ける必要があります)。例えば /etc/hostname.ge0 と /etc/hostname.ge1 が同じホスト名を持ってはいけません。
例えば、Sun GigabitEthernet アダプタ (zardoz-11) を 1 つ持つ zardoz という名前のシステムの /etc/hostname.genum ファイルは、以下のようになります。
# cat /etc/hostname.ge0 zardoz # cat /etc/hostname.ge1 zardoz-11
各 ge インタフェースに対して、/etc/hosts ファイルに適切なエントリを作成します。
# cat /etc/hosts # # Internet host table # 127.0.0.1 localhost 129.144.10.57 zardoz loghost 129.144.11.83 zardoz-11
動的再構成 (DR) をサポートしていないシステムの場合は、リブートを実行します。
GigabitEthernet ネットワークを介してディスクレスクライアントの起動や実行ができるように、サーバーを設定する方法を解説します。
まず ge ドライバのインストール先となるクライアントのルートディレクトリを決めます。
# /export/root/クライアント名
コマンド pkgadd を使って、サーバー上にあるディスクレスクライアントのルートパーティションに ge ドライバをインストールします。x と書いてある部分には Solaris 2.5.1+ の場合は 5.1+、Solaris 2.6 の場合は 6、Solaris 7 の場合は 7 と入力します。
# pkgadd -R /export/root/クライアント名 -d ¥ /cdrom/sun_gigabitethernet_2_0/Sol_2.x
ファイル /export/root/クライアント名/hostname.genum を設定します。設定方法については 「ネットワークの設定」を参照してください。
ファイル /export/root/クライアント名/hosts を設定します。設定方法については 「ネットワークの設定」を参照してください。
ここで解説する方法は、ge インタフェースを使用してネットワークから Solaris オペレーティング環境をインストールする場合のみに対応しています。
Solaris CD は読み込み専用メディアなので、直接ネットインストールを実行することはできません。ソフトウェアの更新をする場合には、必ず Solaris CD のイメージアーカイブを使ってください。
まず、どのシステムのルートディレクトリにネットインストールするかを決めます。
例えば Solaris ソフトウェアが DIR という名前のディレクトリに位置していて、既にインストール先となるシステムの設定が終わっている場合は、/etc/bootparams ファイルからルートディレクトリを探します。
# grep クライアント名 /etc/bootparams
ネットインストールするシステムの設定がまだ終わっていない場合は、システムに付属の Solaris マニュアルに記載してある設定方法の解説を参照してください。
目的の OS に合った OS ドライバサポートを、クライアントのルートディレクトリにインストールします。
例えば Solaris 2.5.1+ ネットインストールクライアントのルートディレクトリに ge ドライバを加える時は、以下のように入力します。
# pkgadd -R /DIR/export/exec/kvm/sparc.Solaris_2.5.1+ -d ¥ /cdrom/sun_gigabitethernet_2_0/Sol_2.x
Solaris 2.6 または 7 のネットインストールクライアントのルートディレクトリに ge ドライバを加える時は、以下のように入力します (x となっている部分には Solaris 2.6 の場合は 6、Solaris 7 の場合は 7 を入力します)。:
# pkgadd -R /DIR/Sol_2.x/etc/Tools/Boot -d ¥ /cdrom/sun_gigabitethernet_2_0/Sol_2.x
ok show-nets
show-nets はシステムデバイスを一覧表示させるコマンドです。このコマンドを実行すると、以下のように network デバイスのフルパス名が表示されます。
a) /pci@1f,0/pci@1/network@3 b) /pci@1f,0/pci@1,1/network@1,1 q) NO SELECTION Enter Selection, q to quit:
a) /sbus@1f,0/network@1,100000 b) /sbus@1f,0/SUNW,hme@e,8c00000 q) NO SELECTION Enter Selection, q to quit:
ok プロンプトから、boot network デバイスのフルパス名 と入力します。
ok boot /pci@1f,0/pci@1/network@3
ok boot /sbus@1f,0/network@1,100000
OS のインストール作業に進みます。インストールの方法については、Solaris CD に付属の解説に従ってください。