この節では、アップグレード時にのみ発生する問題について説明します。
x86 システムを Solaris 7 オペレーティング環境にアップグレードする前に、必ずバグ ID: 4121281 に関する説明をお読みください。
DiskSuite を使用しているシステムを Solaris 7 にアップグレードする場合、DiskSuite をバージョン 4.2 にアップグレードする必要があります。DiskSuite 4.2 には、metadb 複製の削除および交換を自動的に行う metacvt というスクリプトが含まれています。このスクリプトを使用して、metadb 複製に格納されている SCSI ドライバ名を cmdk から sd に変更できます。
回避方法 : Solaris 7 オペレーティング環境へのアップグレード中にデータを損失しないようにするには、DiskSuite が動作している x86 システムのアップグレードを開始する前に、メタデバイス構成をテキストファイルに保存し、metadb 複製を削除してください。x86 システムのアップグレード後に、DiskSuite のコマンド行インタフェースを使用してメタデバイス構成を復元してください。
『Solstice DiskSuite 4.2 ご使用にあたって』には、metadb 構成の保存、metadb 複製の削除、x86 システムの Solaris 7 オペレーティング環境へのアップグレード、DiskSuite のバージョン 4.2 へのアップグレード、メタデバイス構成の復元について、それぞれの手順が記載されています。Solaris 7 オペレーティング環境には、これらの手順を自動化する Bourne シェルスクリプトが含まれています。
なお DiskSuite 4.2 は、Solaris Easy Access Server 2.0 CD から入手することができます。
ディスクレスクライアントを持つサーバーの Solaris オペレーティング環境をアップグレードするとき、/usr に対する dfstab 行のオプションが保存されません。たとえば、dfstab ファイルに次のように入力したとします。
share -F nfs -o rw /export/exec/Solaris_2.7_sparc.all/usr |
アップグレード時に、このエントリが自動的に次のように置換されてしまいます。
share -F nfs -o ro /export/exec/Solaris_2.7_sparc.all/usr |
回避方法 : ディスクレスクライアントまたは SolsticeTM AutoClientTM を持つ OS サーバーで Solaris オペレーティング環境をアップグレードする前に、各クライアントの /etc/dfs/dfstab ファイルのバックアップを取っておいてください。
複数の SPARC カーネルアーキテクチャのディスクレスクライアントを持つサーバー (たとえば、sun4c、sun4d、sun4m アーキテクチャのディスクレスクライアントを持つ sun4u サーバー) をアップグレードした後、サーバーとはカーネルアーキテクチャが異なるクライアントの SUNWkvm パッケージには、パッチを適用できません。
回避方法 : SUNWkvm に関連するパッチを適用する前に、手動ですべての SUNWkvm パッケージを追加してください。
# pkgadd -d SUNWkvm.* |
アップグレードプログラムは、Solaris ソフトウェアのシステムをアップグレードするために必要な容量よりも 30% 多くの容量を見積もります。したがって、アップグレードできるシステムでも、パッケージの選択を解除したり、容量を増やしたりしないとアップグレードできない場合があります。
回避方法 : 手動でファイルシステムのディスク容量を再度割り当ててください。または、「ソフトウェアのカスタマイズ」メニューを選んで、不要なソフトウェアパッケージを削除してください。
Etherlink XL Ethernet チップが搭載されている Intel システムのオペレーティング環境を Solaris 7 - 3/99 にアップグレードした後、ネットワーク接続が切断され、システムがブートされる時に次のようなエラーメッセージが出力されます。
configuring network interfaces: elxl0: No such device or address |
回避方法 : 次に示す /etc/driver_aliases ファイル中のエントリを削除します。
elx "pci10b7,9000"elx "pci10b7,9050"