SunVTS 3.2 テストリファレンスマニュアル

第 3 章 SunATM アダプタテスト (atmtest)

atmtest テストは、SBus および PCI バス用の SunATM-155 アダプタと SunATM-622 アダプタの機能を検査します。

このテストは、ループバック (外部または内部) モードでのみ動作します。非同期転送モード (ATM) アダプタおよび ATM デバイスドライバが存在する必要があります。外部ループバックモードで atmtest を実行するには、ATM アダプタにループバックコネクタを接続する必要があります。内部ループバックモードでは、ループバックコネクタは必要ありません。

atmtest は、DLPI RAW モードでデバイスドライバに接続し、仮想回線 (VC: Virtual Circuit) を確立してメッセージの送受信と比較を行います。送受信したメッセージが一致しない場合や、メッセージの処理が正しくない場合に、エラーメッセージを表示します。

atmtest は、乱数ジェネレータを使用して、データをデータバッファーに送信します。各送信メッセージは、それぞれデータバッファーの異なる開始位置から選択され、連続して同じメッセージが送信されることはありません。

atmtest は、複数の仮想回線をテストすることができ、使用する仮想回線が多くなるほど、テストの負荷は大きくなります。atmtest は、自動的にテストごとに一意の仮想回線番号を選択します。atmtest は、ストレステストという目的に合わせて 1 つのインスタンスで複数の仮想回線をテストすることができるため、スケーラブルテストとは異なります。

atmtest を選択するには、intervention モードが有効になっている必要があります。これは、外部ループバックテストでループバックコネクタが必要なためです。intervention モードが有効になっている場合は、デフォルトで atmtestnettest の両方が有効になるため、ループバックモードで ATM デバイスをテストする場合は、nettest を選択解除する必要があります。


注 -

atmtest の実行中に nettest を実行しないでください。



注 -

atmtest を実行する前に ATM インタフェースを停止させ、ATM インタフェースをオフラインモードにしてください。


atmtest のオプション

図 3-1 atmtest のオプションメニュー

Graphic

表 3-1 atmtest のオプション

オプション 

説明 

Configuration 

テストするシステムのポストアドレス、ホスト ID、ドメイン名が示されます。 

Total Packets 

送信するパケットの総数を指定します。デフォルトの総パケット数は 10000 です。 

Number of VC 

1 つのインスタンスで作成する仮想回線数を指定します。デフォルトの仮想回線数は 2 つです。atmtest はこの 2 つのインスタンスを使用して、メッセージを同時に送信します。メッセージは送信時と同じ順序で受信されます。

Loopback 

外部ループバックまたは内部ループバックのいずれかを選択することができます。デフォルトは外部ループバックです。外部ループバックテストでは、ループバックコネクタが必要です。 

MAX_PKG_LEN 

データ送信に使用する最大パケット長を指定します。デフォルトは 9140 です。 

Outstanding_pkts 

許容未処理パケット数を指定します。未処理パケット数がここで指定された個数を超えた場合、atmtest はパケットの送信を停止します。

First_VC_no 

各インスタンスで使用する開始仮想回線番号を指定することができます。atmtest は、すでに使用されている仮想回線番号を使用しません

Bandwidth 

テストする帯域幅を指定することができます (単位: M ビット / 秒)。デフォルトは 14 です。 

atmtest のテストモード

atmtest は、オフラインの機能テストモードでのみ実行することができます。

atmtest のコマンド行構文

/opt/SUNWvts/bin/atmtest 標準引数 -o dev=デバイス, tpkts=n,nv=n,ml=n,bw=n,opkts=n,ld,sd,sl,nc,ns,vcf

表 3-2 atmtest のコマンド行引数

引数 

説明 

dev=デバイス

テストするデバイス名を ba0sa0 などの書式で指定します。

tpkts=n

ループバックさせるパケット数を指定します [1.2147483647]。 

nv=仮想回線数

同時にテストする仮想回線数を指定します。 

ml=最大パケット長

ランダムパケットの最大の長さを指定します。 

bw=帯域幅

仮想回線の帯域幅を M ビット / 秒の単位で指定します。 

opkts=n

1 つの仮想回線で対応するパケットを受信せずに送信できるパケット数を指定します。 

lb

内部ループバックモードを選択します。 

sd

負荷データを random ではなく、static に変更します。 

sl

すべてのパケットを最大の長さに変更します。 

nc

受信時の負荷検査を省略します。スループットが向上します。 

ns

パケット受信エラーが発生しても終了しません。 

vcf=n

開始仮想回線番号を指定します。 


注 -

64 ビットのテストは、sparcv9 サブディレクトリに格納されています (/opt/SUNWvts/bin/sparcv9/テスト名)。このディレクトリにテストが存在しない場合、そのテストは、32 ビットのテストとしてだけ実行することができます。詳細は、「32 ビットテストと 64 ビットテスト」を参照してください。


atmtest のエラーメッセージ

表 3-3 に、atmtest のエラーメッセージとその説明、考えられる原因を示します。

表 3-3 atmtest のエラーメッセージ

 

エラーメッセージ 

考えられる原因 

対処方法 

6000

putmsg failed, errmsg=データ

 

 

6001

getmsg failed, errmsg=データ

 

 

6002

wrong vc: exp: 数値, obs: 数値

 

 

6003

VC 数値 bogus pkt, seq: exp=数値, obs=数値; len: exp=数値, obs=数値

 

 

6004

VC 数値 bad pkt len, EXP: 数値, OBS: 数値, seq=数値

 

 

6005

VC 数値 memcmp error

 

 

6006

VC 数値 failed to rcv a packet

 

 

6007

Complete Usage: 文字列 u

 

 

6008

文字列: alarm

 

 

6009

文字列: getmsg

 

 

6010

receive 文字列 for 文字列 with 文字列 error

 

 

6011

DL_OK_ACK was not M_PCPROTO

 

 

6012

short response ctl.len: 数値

 

 

6013

ctl.len sizeof (dl_ok_ack_t): 数値

 

 

6014

receive 文字列 for 文字列 with 文字列 error

 

 

6015

DL_BIND_ACK was not M_PCPROTO

 

 

6016

ioctl DLIOCRAW failed, errmsg 文字列

 

 

6017

ioctl DL_IOC_HDR_INFO failed, errmsg 文字列

 

 

6018

len=数値 hdrmax=数値

 

 

6019

ioctl ADDVC failed, errmsg 文字列

 

 

6020

ioctl ALLOCBW failed, errmsg 文字列

 

 

8000

open device failed, errmsg=文字列

 

 

8001

sa_add_vpci failed, errmsg=文字列

 

 

8002

sa_allocatebw failed, errmsg=文字列

 

 

8003

atm_attach failed, errmsg=文字列