この節では、Solaris 7 - 5/99 を日本語環境でインストールするための方法を説明します。日本語環境でインストールするには、大きく分けて「デフォルトロケールの設定」と「インストール言語の設定」の 2 つの設定が必要です。それ以外のインストール手順は英語版の Solaris と同じです。『Solaris 7 インストールの手引き』に書かれているインストール手順に従ってください。
なお Solaris 7 - 5/99 では、文字エンコーディングが異なる次の 3 つの日本語ロケールがサポートされています。
従来の EUC 環境をサポートする ja ロケール
Solaris 2.6 から PCK 環境をサポートする ja_JP.PCK ロケール
Solaris 7 で新たに追加された UTF-8 環境をサポートする ja_JP.UTF-8 ロケール
インストール後のシステムのデフォルトロケールを設定します (具体的には、 /etc/default/init ファイル内に LANG 環境変数が定義されます)。
日本語環境をインストールする場合、システムのデフォルトロケールとして必ず日本語ロケールが設定されている必要はありませんが、設定されていることを推奨します。システムのデフォルトロケールとして日本語ロケールが設定されていると、たとえば、システムログイン時の LANG の設定をユーザーごとに環境設定ファイルで定義しなくても済みます。また、dtlogin の言語設定で、デフォルトで日本語ロケールが設定されます。
GUI (グラフィカル・ユーザーインタフェース) インストールの場合
最初に「Select Language and Locale」画面 (以降「ロケール設定画面」とします) が表示され、ここでデフォルトロケールを設定します。日本語環境でインストールするには、「Japanese EUC (ja)」、「Japanese PC Kanji (ja_JP.PCK)」、または「Japanese UTF-8 (ja_JP.UTF-8)」を選択してください。 どれを選択するかわからない場合は、「Japanese EUC (ja)」を選択してください。
ここでの設定は、以後起動されるインストール画面の表示言語も決定します。
CUI (キャラクタ・ユーザーインタフェース) インストールの場合
インストール中にシステムのデフォルトロケールを設定することはできません。また、インストール画面も英語による表示だけです。 [グラフィカルモニターを装備していないシステムで、Solaris Web Start 1.0 のクライアントサーバーモードによるインストールを行なわなかった (あるいは行えなかった) 場合には、CUI インストールになります。]
システムのデフォルトロケールをインストール後に設定、または変更する場合には、/etc/default/init ファイルでの LANG 環境変数の設定を次のようにしてから、システムを再起動します。
ja ロケールに設定 | LANG=ja |
ja_JP.PCK ロケールに設定 | LANG=ja_JP.PCK |
ja_JP.UTF-8 ロケールに設定 | LANG=ja_JP.UTF-8 |
C ロケールに設定 | LANG=C または、LANG= の行を削除 |
また、インストール前にこのデフォルトロケールをあらかじめ設定しておくことも可能です。この事前設定をしておくと、GUI インストール時にもロケール設定画面が表示されないため、たとえばカスタム JumpStart による自動インストールのように意図的にロケール設定画面を表示させたくない場合などに有効です。 [デフォルトロケールの事前設定を行うには、「ネームサービスに事前に定義しておく方法」または「sysidcfg ファイルを使用する方法」の 2 通りがあります。 詳しくは、『Solaris のインストール (上級編)』を参照してください。]
言語 (ロケール) に依存するソフトウェアパッケージ (JFP パッケージ) のインストールを決定します。日本語環境をインストールするには、必ず JFP パッケージをインストールする必要があります。JFP パッケージについての詳細は、『Solaris 7 - 5/99 オンラインリリース情報』の「Solaris 7 - 5/99 パッケージ情報」(package ファイル) を参照してください。
Solaris 7 - 5/99 では、ja ロケール環境、ja_JP.PCK ロケール環境、ja_JP.UTF-8 ロケール環境、そしてそれらの任意の混在環境をインストールすることが可能です。
従来の対話式インストールの場合
「言語の選択 (Select Languages)」画面でインストールする日本語ロケールを選択します。この画面では、あらかじめ選択されたデフォルトロケールが自動的に選択された状態になっています。
たとえば、ja と ja_JP.PCK の両ロケール環境をインストールするには、ja と ja_JP.PCK の両方を選択します。
Solaris Web Start 1.0 インストールの場合
従来の対話式インストールと同様の方法で、Solaris ソフトウェアおよびインストールする同梱ソフトウェアの各々に対して、日本語ロケールを指定します。なお、日本語化されている製品はそのサポートロケールが表示されており、あらかじめ選択されたデフォルトロケールが自動的に選択された状態になっています。
カスタム JumpStart インストールの場合
カスタム JumpStart インストールが参照するプロファイルに locale キーワードを追加します。 [locale キーワードは、JFP パッケージのインストールに影響しますが、システムのデフォルトロケールを決定するものではありません。]
ja と ja_JP.PCK の両ロケール環境をインストールする場合のプロファイルの例を次に示します。
キーワード | 値 |
---|---|
install_type | initial_install |
system_type | standalone |
partitioning | default |
cluster | SUNWCuser |
locale | ja |
locale | ja_JP.PCK |
なお、このようにプロファイル中で locale キーワードを明示的に定義しない場合でも、デフォルトロケールとして日本語ロケールが設定されていれば、そのロケール環境が自動的にインストールされます。ただし、複数の日本語ロケール環境をインストールするには、プロファイルで指定する必要があります。