この節では、Solaris 7 - 8/99 実行時の注意事項およびバグ情報について説明します。
ru、 hr、 pl など、ロケールが ISO-8859-1 以外の場合、dtmail で電子メールを印刷することができません。
日本語のロケールは、このバグの影響を受けません。
回避方法: 電子メールをファイルに保存し、 そのファイルを、dtpad または lp コマンドを使用して印刷してください。
ファイル・マネージャを使用してフロッピーディスクのフォーマットをする場合、フォーマットウィンドウが繰り返し表示されて、フォーマットができないことがあります。
回避方法 : 以下のようにして、いったんコマンド行からフロッピーディスクを取り出し、フォーマットウィンドウを終了してください。
% eject |
netinstall 実行後の最初のブートに関する情報を表示した場合、/var/adm/messages ファイル中のシステム時間が不正確です。/var/adm/messages ファイルの一部を例として示します。この例では、システム時間が後の (遅い) 時刻になっていることがわかります。
Jun 1 22:05:07 sunergy2 unix: mem = 49152K (0x3000000) Jun 1 22:05:07 sunergy2 unix: avail mem = 44359680 Jun 1 22:05:07 sunergy2 unix: root nexus = SUNW,SPARCclassic Jun 1 17:39:59 sunergy2 unix: iommu0 at root Jun 1 17:39:59 sunergy2 unix: : Jun 1 17:39:59 sunergy2 unix: obio 0x10000000 Jun 1 17:39:59 sunergy2 unix: Jun 1 17:39:59 sunergy2 unix: sbus0 at iommu0 |
回避方法 : 不正確なメッセージを削除してもかまいません。
/etc/vfstab ファイル中に、ディスク割り当て使用可能としてリストされている UFS ファイルシステムがある場合、以下の処理を行なってください。以下の処理を行わないと、システムをブート後にディスク割り当てが自動的に使用可能になりません。
回避方法: 使用可能にするディスク割り当てに対して quotacheck -a と quotaon -a コマンドを実行してください。このコマンドを実行しないと、ディスク割り当てが使用不可のままです。
キャリアが失われたときつまり (ログイン時に経由したデフォルトのコンソール上または補助コンソール上にはない) シリアルポートとの接続が切れたときに、そのシリアルポートから init コマンドを実行してシステムをシングルユーザーモードまたは管理モードにした場合、システムをリブートする前にそのシリアルポート上にキャリアが再確立されていることを確認してください。(init コマンドの実行対象となったポート上のみの) システムをブートする実行レベルを入力するためのプロンプトが表示されます。
回避方法: キャリアが失われた時には、シリアルポートに再接続してから、システムをリブートしてください。
init コマンドを使用するシステム管理作業を行なっているとき、reboot コマンドを実行すると init 状態 (実行レベル) を変更したデバイス上に不適当なメッセージが出力されることがあります。init s を実行するとリモートコンソール上にシングルユーザーシェルが確立され、その後システムをリブートすると、以下のようなメッセージが出力されます。
Enter run level |
回避方法: 上記のような場合は、メッセージを無視してください。
デフォルトの実行レベルにするために、スーパーユーザーで Control-D キーを押すかまたはスーパーユーザーのログインプロンプトから root としてログインした後に exit コマンドを実行すると、デフォルトの実行レベルを入力するためのプロンプトが表示されます。プロンプトは、Control-D キーまたは exit コマンドが実行されたコンソール上ではなく、init コマンドが最初に実行されたコンソール上に表示されます。
pty から init コマンドを実行した場合は、/dev/console がデフォルトのデバイスになり、このデバイス上に実行レベルを入力するためのプロンプトが表示されます。リモートコンソールを実行中にスーパーユーザーとしてログインし、Control-D キーを押してシステムをブートすると、実行レベルを入力するためのプロンプトが補助コンソール上ではなくそのコンソール上に表示されます。
1 つまたはそれ以上の補助コンソールを構成している場合に、init コマンドが実行された補助コンソールに対する接続をキャリアが切断し、別の補助コンソールまたはデフォルトコンソールから sulogin シェルが終了した場合、キャリアが接続を切断したポート上に接続を再確立した後、以下のプロンプトが表示されません。
ENTER RUN LEVEL |
実行レベルを指定するためのプロンプトが表示されませんが、システムは実行レベルが入力されるのを待機しています。
回避方法: キャリアが接続を切断したポートに対して接続を再度確立し、プロンプトが表示されていなくても任意の実行レベルを入力してください。
デーモンまたはコマンドは、メッセージを表示するために明示的に /dev/console を使用することがあります。そのようなメッセージは、コンソールに表示されるその他のメッセージの中で表示される頻度が低いです。
回避方法: すべてのメッセージは /dev/console に出力されるので、これを監視できます。また、syslog のログファイルを監視することもできます。
syslogd がコンソール上にエラーメッセージを表示する必要がある場合、これらのエラーメッセージはデフォルトの場所 /dev/syscon にリダイレクトされます。エラーメッセージは、機能パッチ中に含まれている構成済み補助コ ンソール上には表示されません。
ディスク入出力中に、次に示すようなエラーメッセージが表示され、UFS ファイルシステムのパニックが発生することがあります。
panic, ufs_fault_v+0x4c:, call, real_panic_v, alloccgblk: can't find blk in cyl ..... |
回避方法 : システムをリブートし、影響を受けたファイルシステムに対して fsck コマンドを実行してください。パニックからシステムが回復します。
スワップ領域が十分にない場合、Java アプリケーションでコアダンプが起き、次のバスエラーが表示されます。
not enough space |
回避方法 : システムで動作しているほかのアプリケーションを終了するか、スワップ領域を追加してください。スワップ領域の追加方法については、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』を参照してください。
Java アプリケーションでの X 要求が多いと、8 ビットカラー (TrueColor または PseudoColor) 環境でときどき起動が遅くなります。処理速度の遅いマシン上では、より顕著にこの状態が現れます。起動が遅れる主な原因は、初期化時に awt ライブラリにより最適にディザー処理されるカラーマップの計算です。
回避方法 : 初期化時に計算されたカラーマップの大きさを、環境変数 VIRTCUBESIZE を使用して調整してください。4 から 32 までの間の 2 の累乗数を設定してください。デフォルトは 32 です。
setenv VIRTCUBESIZE 8 |
仮想マシンを実行しているマシン以外のホストに環境変数 DISPLAY を設定しているとき、ブラウザでの下線付きテキストの表示が、下線が付いていないテキストよりもかなり遅くなります。
回避方法 : リモートディスプレイを使用しないでください。
JDK 1.2 では、テキストのレンダリング (描画) が JDK 1.1.7 およびそれ以前のリリースよりも遅くなっています。cg6 および ffb フレームバッファーなど、ダイレクトグラフィックスアクセス (Direct Graphics Access, DGA) をサポートしているプラットフォーム上でも、同様のパフォーマンス低下が起こります。
回避方法 : ソケット書き込みを 64 K バイトよりも小さい値にしてください。
韓国語、簡体字中国語、繁体字中国語のページは、AnswerBook2 の印刷機能で印刷することができません。
回避方法 : 上記のロケールの AnswerBook2 のページを印刷するには、ご利用のブラウザの印刷機能を使用してください。
ab2cd コマンドで AnswerBook2 サーバーを起動したときに LC_ALL の値が C または空白に設定されている場合、次に示すようなエラーメッセージが表示されます。
Internal Server Plugin Error ../dwinterp/dwinterp.cc reported TCL script exception: File not found: "/tmp/.ab2/data/config/dynaweb.dwc" ------------------------------ Please notify your System Administrator.../dwsp/dwspns.cc reported "Null Pointer" exception caught in ../dwsp/dwspns.cc, line 244 Please notify your System Administrator. |
回避方法 : ab2cd コマンドを実行する前に、以下のコマンドを実行してください。
# unsetenv LC_ALL |
コレクションの追加や削除を行なった後に「再起動」を実行しても、コレクションに対する変更内容が個人用ライブラリに反映されません。
回避方法 : コマンド行で以下のように実行して、再起動してください。
# /usr/lib/ab2/bin/ab2admin -o restart |
man コマンドでマニュアルページ netstat(1M) を表示しようとしても、途中までしか表示されません。これは C ロケールだけで発生する nroff のバグが原因です。man コマンドによって生成される nroff ファイル中に、コアダンプを発生させる不正な文字が含まれるからです。
マニュアルページ netmask(1M) および m64config(1M) の表示でも、同様の問題が起こります。
回避方法 : マニュアルページ netstat(1M)、 netmask(1M)、 m64config(1M) を完全に表示するには、AnswerBook2 の Solaris 7 Reference Manual Collection 『man Pages(1M): System Administration Commands』をご覧ください。