Solaris 7 オンラインリリース情報

Solaris 7 最新情報

64 ビット Solaris

SPARC only: 64 ビットアセンブラ命令

SPARC システムにバンドルされているアセンブラは、32 ビットおよび 64 ビット SPARC アセンブラプログラムのアセンブルをサポートするように更新されました。サポートされる命令セットには、SPARC V8、SPARC V9、さらに、UltraSPARC 固有の Visual Instruction Set (VIS) 命令が含まれます。

JavaTM Development Kit のアップデートバージョン

このリリースに含まれている Java Development Kit (JDK) は、バージョン 1.1.6 に更新されました。このバージョンでは、安定性が高まったほか、JIT コンパイラが大幅に最適化されたため、特定のアプリケーション (演算の多いアプリケーションなど) の性能が大きく向上するようになりました。

このバージョンは大規模ファイルもサポートしており、Java の各種クラスおよびメソッドでは API に変更を加えなくても 2G バイト以上のファイルにアクセスできるようになりました。このため、このバージョンの JDK で動作する Java アプリケーションは、現在では大規模ファイルにアクセスできます。

Sendmail におけるセキュリティの向上

Solaris 7 ソフトウェアには、Sendmail バージョン 8.9.1 が含まれます。このバージョンでは、一部のセキュリティチェックが初めから強化されています。メール転送に使用される .forward ファイルや「:include:」で指定される別名ファイルなどは、この Solaris リリースで正しく動作するように一部変更が必要な場合があります。

詳細は、『メールシステムの管理』を参照してください。

マルチスレッドに対応できる malloc

libmtmalloc は、マルチスレッドアプリケーションに対し、動的な代替メモリアロケータを提供します。このライブラリは、ヒープ管理の malloc、calloc、realloc、および free には従来の API を提供します。libc malloc と異なり、libmtmalloc ではヒープ管理された領域に対する同時アクセスが行えます。そのため、重要なシステムユーティリティの性能を向上できます。

このライブラリを使用するには、アプリケーションを -lmtmalloc を使用してリンクする必要があります。-lmtmalloc は、リンク行で libc -lc によるリンクよりも先に指定してください。

詳細は、malloc(3t) のマニュアルページを参照してください。

プロセッサの割り込み制御

システム管理者やリアルタイムアプリケーションの開発者は、プロセッサの割り込み制御を使用して、マルチプロセッサシステムにおける割り込みの分散を制御できます。これにより、割り込みが無効になっている場合に、プロセッサ上で動作するアプリケーションの性能を高めることができます。

プロセッサ割り込み制御を行うと、一定のプロセッサ上のほとんどの割り込みを無効にすることもできます。これは、個々のプロセッサに対して psradm(1m) コマンドまたは p_online(2) システムコールを使用するか、あるいはプロセッサセット内のすべてのプロセッサに対し psrset(1m) コマンドを使用することにより行います。

詳細は、psradm(1M)、p_online(2)、および psrset(1M) のマニュアルページを参照してください。

Solaris 7 インストールライブラリ (SPARC 版) または (Intel 版)』の訂正

「新規機能の概要」の章の「ソフトウェア開発環境」で、XIL 開発マニュアルの Web アドレスが記載されていますが、このアドレスは http://www.sun.com/software/imaging に変わりました。また、XIL 開発構成要素には、現在次のドキュメントは含まれていません。

XIL の実行時ライブラリとヘッダーは、XIL を使用したアプリケーションが継続してサポートされるように、Solaris に残ります。

「XIL は、立体画像イメージ表示機能を新たにサポートすることにより...」という文章を、「XIL は立体画像イメージ表示機能を新たにサポートしたため...」と読み替えてください。

Solaris のシステム管理 (第 2 巻)』の「システム性能の管理」の訂正

Solaris 7 (Intel 版) には、カーネルベースという調整可能な新しいプロパティがあります。システム管理者は、このプロパティを使用してカーネル空間またはユーザー空間の最大サイズを変更できます。

x86 およびその互換プロセッサでは、仮想アドレス空間としてサポートするのは 4G バイトだけです。Solaris オペレーティング環境のデフォルト設定では、4G バイトのうちユーザープロセスに 3.5G バイト、Solaris カーネルに 512M バイトを当てます。この割り当ては、作業負荷によっては適当でない場合があります。たとえば、カーネルベースのネットワークキャッシュアクセラレータでは、カーネルにより大きな仮想アドレス空間を設定すると効果的です。一方、Oracle のような RDBMS を使用したトランザクション処理オペレーションを実行する物理的なメモリーとして 4G バイトを持つシステムでは、ユーザープロセスの空間を増やすと効果的です。

デフォルトの割り当ては、カーネルベースプロパティにより変更できます。カーネルベースは、カーネルアドレス空間の初めを定義します (デフォルト値は 0xE0000000)。カーネルベースを 0xC0000000 よりも低く設定すると、システムの ABI との互換性が失われ、ABI 互換のユーザープログラムが動作しなくなる場合があります。

カーネルベースの値の変更は、eeprom(1M) を使用して行います (16 進を使用)。新しい値は、システムのリブート時に有効になります。