Solaris 7 - 3/99 オンラインリリース情報

オペレーティングシステム/ネットワーク

日本語環境の設定

日本語環境を正しく動作させるためには、環境変数 LANGja (日本語 EUC)、 ja_JP.PCK (PC 漢字コード、シフト JIS コード)、または、ja_JP.UTF-8 (UTF-8) に設定されている必要があります。また、端末ドライバに、日本語の文字を正しく透過させ、日本語の文字幅に応じた処理を正しく行わせるためには、端末が認識する文字コードに従って setterm で設定する必要があります。

これらの設定を C シェルのコマンド行から行う場合は、次のように入力してください。

システムインストール時にシステムのデフォルトロケールを日本語に指定したシステムでは、デフォルトで LANGjaja_JP.PCK、または ja_JP.UTF-8 に設定されているためLANG の設定は不要になります。

デフォルトロケールを変更したい場合は、/etc/default/init ファイル内の LANG を変更して、システムを再起動してください。詳細は『JFP ユーザーズガイド』を参照してください。

コマンド検索パスの設定

/usr/bin/talk/usr/bin/mailx は複数バイト対応になっていません。複数バイト対応の mailx と talk は、/usr/SUNWale/bin にあります。複数バイト対応のコマンドを使用する場合、/usr/SUNWale/bin のパスを /usr/bin よりも前に設定してください。なお、/usr/SUNWale/bin のコマンドは ja ロケールのみ動作が保証されています。

ja_JP.PCK ロケールと ja_JP.UTF-8 ロケールの注意事項

Solaris 7 では、次の機能が ja_JP.PCK および ja_JP.UTF-8 ロケールでサポートされていません。


注 -

libjapanese.a と BCP は将来のリリースでもサポートの予定はありません。



注 -

PCFS での PCK ファイル名は ja ロケールでもサポートされていません。


また、次の機能が ja_JP.UTF-8 ロケールでサポートされていません。

/usr/xpg4/bin/usr/bin の両方に存在するコマンドは、ja_JP.PCK および ja_JP.UTF-8 ロケールでは /usr/bin のコマンドがサポートされません。したがって、/usr/bin よりも前に /usr/xpg4/bin のパスを加えてください。

ja_JP.PCK ロケールでは PCK を直接扱えますが、DOS のファイルシステムと UNIX ファイルシステムの違いは依然残ります。たとえば、DOS からテキストファイルを PCFS でマウントして持ってくる場合は dos2unix -ascii が、DOS へ持っていく場合は unix2dos -ascii がそれぞれ必要になります。詳細は、pcfs(7)、dos2unix(1)、 unix2dos(1) の各マニュアルページを参照してください。

ja_JP.UTF-8 ロケールデータベースに関する注意事項

日本語 UTF-8 ロケールは、日本語の文字情報は「UI-OSF 日本語環境実装規約 Version 1.1」を、日本語以外の文字情報は Unicode Consortium の UNICODE 2.1 CHARACTER DATABASE をもとに作成されています。日本語の文字情報は、UI-OSF の実装規約をもとにしているため、他の UNIX ベンダーとの互換性は向上しますが、その反面 ja ロケールおよび ja_JP.PCK ロケールとの相違点も生じます。以下に、日本語文字処理に影響する相違点を説明します。

libjapanese に関する注意事項

libjapanese とそれに関連したヘッダーファイルは、Solaris 7 から SUNWjlibj という全体ディストリビューションクラスタでのみインストールされるパッケージに移動しました。この中には、libjapanese ソース互換パッケージも含まれていますので、既存の libjapanese ユーザーはこれを用いて移行を進めてください。将来のリリースでは libjapanese.a およびこれに関連したヘッダーファイルは削除される予定です。libjapanese ソース互換パッケージの使用法に関しては、/usr/share/src/libjapanese/README を参照してください。

関数 iconv() およびコマンド iconv によるコード変換

Solaris 7 の関数 iconv() およびコマンド iconv で利用できる符号変換の種類の詳細は、iconv_ja(5) のマニュアルページを参照してください。

関数 iconv() およびコマンド iconv の詳細は、iconv(3) および iconv(1) のマニュアルページを参照してください。

iconv() およびコマンド iconv における ISO-2022-JP は、UI-OSF 日本語環境実装規約 Version 1.1 で定義される ISO-2022-JP 符号化文字集合を意味します。

jisconv(3x) インタフェースの制限

jisconv インタフェースには、次の制限があります。

これらの機能を利用する場合は、iconv(3) プログラミングインタフェースを使用してください。

ワイド文字 (wchar_t) の制限

ワイド文字の内部表現に依存した処理を行うことは避けてください。ja ロケールは、従来の内部表現が維持されています。

ネットワーク上の混在環境における日本語テキストの注意事項

ネットワークを通して日本語 EUC、PCK または UTF-8 間の文字変換を行う機能はありません (メールを除く)。そのため、サーバー・クライアント型のアプリケーションなどは、明示的にユーザー側で変換できない限り、混在環境では正しく動きません。

ネットワークプリンタのサポート

Solaris 2.6 では、ネットワークプリンタのサポートが追加されました。ここでは、日本語 PostScriptTM プリンタをネットワーク経由で接続した場合を例に、その設定方法を紹介します。プリンタの設定方法に関する詳細は、lpadmin(1) のマニュアルページ、 『Solaris 7 のシステム管理 (第 1 巻) および (第 2 巻)』、『JFP ユーザーズガイド 』を参照してください。

ネットワークプリンタとして追加する場合

以上の手順が終了すると、lp コマンドを使用して、追加したネットワークプリンタに出力することができます。

日本語ファイル名の印刷に関する注意事項

ファイル名が日本語の場合、lp の引数のファイル名としては、プリンタサーバーのシステムロケールのコードセットのみ使用可能です。たとえば、プリンタサーバーの /etc/default/initLANG の設定値が、LANG=ja となっている場合は、日本語 EUC のファイル名は正しく印刷できますが、それ以外は印刷できません。この場合は、


sun% cat <日本語.txt> | lp -y PCK

などを実行し(ファイルの中身も PCK の場合)、lp に直接日本語ファイル名を渡さないようにすることで回避してください。なお、ファイルの中身のコードセットに関しては、-y オプションを指定してプリンタサーバーのサポートするコードセットに変換することが可能です。

jpostprint におけるコードポイント 0x21 - 0x7e 部分のフォントに関する注意事項

デフォルトでは、ASCII フォントである Courier が使用されます。JIS X 0201 ローマ文字用図形キャラクタ集合に切り替えたいときは、以下のように -f オプションで指定してください。

Ryumin-Light:


sun% jpostprint -f Ryumin-Light.Hankaku

GothicBBB-Medium:


sun% jpostprint -f GothicBBB-Medium.Hankaku+GothicBBB-Medium

マニュアルページ、および nroff、troff 形式の出力を /usr/xpg4/bin/more でうまく表示できない (1225024)

マニュアルページや、nroff、troff などで清書された日本語ファイルを /usr/xpg4/bin/more で表示させると、一部の文字が欠けるなど、きれいに表示されないことがあります。

回避方法: 環境変数 PAGER として、ja (japanese) ロケールの場合は /usr/bin/more を、ja_JP.PCK および ja_JP.UTF-8 ロケールの場合は /usr/bin/pg を、明示的に指定して表示させてください。