Solaris 7 - 3/99 オンラインリリース情報

x86 only: 調整可能なカーネルベース

対象マニュアル:Solaris のシステム管理 (第 2 巻)』 「システム性能の管理」の章

Solaris 7 (Intel 版) には、カーネルベースという調整可能な新しいプロパティがあります。システム管理者は、このプロパティを使用してカーネル空間またはユーザー空間の最大サイズを変更できます。

x86 およびその互換プロセッサでは、仮想アドレス空間としてサポートするのは 4G バイトだけです。Solaris オペレーティング環境のデフォルト設定では、4G バイトのうちユーザープロセスに 3.5G バイト、Solaris カーネルに 512M バイトを当てます。この割り当ては、作業負荷によっては適当でない場合があります。たとえば、カーネルベースのネットワークキャッシュアクセラレータでは、カーネルにより大きな仮想アドレス空間を設定すると効果的です。一方、Oracle のような RDBMS を使用したトランザクション処理オペレーションを実行する物理的なメモリーとして 4G バイトを持つシステムでは、ユーザープロセスの空間を増やすと効果的です。

デフォルトの割り当ては、カーネルベースプロパティにより変更できます。カーネルベースは、カーネルアドレス空間の始まりを定義します (デフォルト値は 0xE0000000)。カーネルベースを 0xC0000000 よりも低く設定すると、システムの ABI との互換性が失われ、ABI 互換のユーザープログラムが動作しなくなる場合があります。

カーネルベースの値の変更は、eeprom(1M) を使用して行います (16 進を使用)。新しい値は、システムのリブート時に有効になります。