Solaris ネーミングの管理

NIS を DNS と一緒に使用する

一般に NIS クライアントは、マシン名とアドレスの検索に NIS だけが使用されるように、nsswitch.conf ファイルで構成されます。このような検索が失敗した場合は、NIS サーバーはこれらの結果を DNS に転送します。

マシン名とアドレスの検索が最初に NIS で行われ、次に DNS で行われるように構成するには、以下の手順に従ってください。

  1. 2 つのマップ (hosts.bynamehosts.byaddr) に YP_INTERDOMAIN キーが必要です。 このキーを設定するには、Makefile を編集します。つまり、Makefile ファイルの先頭部分の行を次のように変更します。


    #B=-b
    B=


    B=-b
    #B=

    に変更

    この変更が行われると、マップ作成時に makedbm-b フラグで起動されるよう要求されて、また YP_INTERDOMAIN キーが ndbm ファイルに挿入されます。

  2. make を実行して上記マップを作成し直します。


    # /usr/ccs/bin/make hosts
    
  3. 有効な名前のサーバーを指定している /etc/resolv.conf ファイルが NIS サーバーに存在することを確認します。

  4. DNS 転送を行うには、各サーバーを ypstop コマンドで停止します。


    # /usr/lib/netsvc/yp/ypstop
    
  5. 各サーバーを ypstart コマンドで再起動します。


    # /usr/lib/netsvc/yp/ypstart
    

    この NIS インプリメンテーションでは、サーバーに /etc/resolve.conf ファイルが存在する場合は、ypstart-d オプションで自動的に ypserv デーモンを起動して DNS にリクエストを転送します。


    注 -

    Solaris リリース 2 が実行されていない NIS サーバーを使用している場合は、参照される DNS のホストマップに YP_INTERDOMAIN キーが存在することを確認してください。


混在 NIS ドメインにおける問題

これまでの説明の大部分では、NISドメインのマスターサーバーとスレーブサーバーの両方で Solaris リリース 2 が実行されていることが前提となっています。したがって、それ以外の場合には、問題が発生することがあります。混在 NIS ドメインにおける問題を回避する方法については、表 19-1 にまとめてあります。"4.0.3+" という表記は、「SunOS のリリース 4.0.3 以降」であることを意味します。makedbm -b コマンドは、Makefile の "-B" 変数に対する参照です。

表 19-1 混在 NIS ドメインにおける NIS/DNS

スレーブサーバー 

マスターサーバー 

 

4.0.3+ 

Solaris NIS 

4.0.3+ 

マスターサーバー : 

makedbm -b

スレーブサーバー: 

ypxfr

マスターサーバー : 

makedbm -b

スレーブサーバー: 

ypxfr -b

マスターサーバー : 

ypserv -d

スレーブサーバー: 

ypxfr -b

Solaris NIS 

マスターサーバー : 

makedbm -b

スレーブサーバー: 

ypxfr

マスターサーバー : 

makedbm -b

スレーブサーバー: 

ypxfr

マスターサーバー : 

ypserv -d

スレーブサーバー : 

ypxfr が存在する resolve.conf または ypxfr -b