Solaris ネーミングの設定と構成

グローバルな FNS の名前空間コンテキストの作成

この節では、企業または NIS+ ドメインに対する名前空間をグローバルに作成する方法を説明します。

FNS の名前空間は、fncreate コマンドを使用して作成されます。


# fncreate -t org org//

もしくは次のコマンドを使用します。


# fncreate -t org org/domain/ 

この場合 domain 名は、NIS+ドメイン名またはサブドメイン名です。

fncreate コマンドは、指定された編成と、そのすべてのサブコンテキスト用のデフォルトのコンテキストを作成します。これには編成内のユーザーとホストに対するコンテキストとサブコンテキストが含まれます。

個々の FNS コンテキストを手作業で作成する方法は、『Solaris ネーミングの管理』を参照してください。

グローバルな FNS の名前空間コンテキストの作成 - タスクマップ

表 11-2 グローバルな FNS の名前空間コンテキストの作成
 

タスク 

 

説明 

 

指示の参照先 

 
 

グローバルな FNS の名前空間コンテキストの作成 

 

FNS の名前空間コンテキストの作成 

 

「NIS+ の下での名前空間コンテキストの作成」

 
 

 

   

 

   

「NIS の下での名前空間コンテキストの作成」

 
 

 

   

 

   

「ローカルファイルの下での名前空間コンテキストの作成」

 
       

NIS+ の下での名前空間コンテキストの作成

企業レベルの主なネームサービスが NIS+ であるときは、NIS+ ドメインまたはサブドメインごとに名前空間のコンテキストを個別に作成する必要があります。

たとえば、そのドメイン用の NIS+ マスターサーバーである submaster マシン上の manf.doc.com サブドメイン用にコンテキストを作成するには、次のようにします。

    サブドメインのマスターで、fncreate を実行します。


    submaster# fncreate -t org org/manf.doc.com./ 
    

これで、NIS+ manf.doc.com.サブドメイン用の編成コンテキスト、サブドメインの passwd.org_dir テーブルのすべてのユーザーとサブドメインの hosts.org_dir テーブルのすべてのホストに対するコンテキストとサブコンテキストが作成されます。

NIS+ と FNS のサーバーに異なるマシンを使用するには、FNS サーバーとして使用するマシン上で前述のコマンドを実行します。NIS+ ではないサーバーを FNS サーバーとして設定する方法についての説明は、前記の「FNS 用の NIS+ サービスの準備」の手順 4 を参照してください。

    nisping コマンドを使用して ctx_dir ディレクトリをチェックポイントにします。


    # /usr/lib/nis/nisping -C ctx_dir.manf.doc.com. 
    


    注 -

    数千のユーザーやホストを有する大規模な組織では、最初の fncreate 操作に数時間、それ以降のチェックポイントにも数時間かかる場合があります。


NIS の下での名前空間コンテキストの作成

企業レベルの主なネームサービスが NIS であるときは、企業に対して 1 つのドメインだけが存在します。その企業全体のドメインに対して名前空間コンテキストが作成されます。

たとえば、NIS マスターサーバーでもある fns_master というマシンで doc.com ドメイン用にコンテキストを作成するには、次のようにします。

    ドメインマスターで fncreate を次のように実行します。


    fns_master# fncreate -t org org//
    

    これで NIS ドメイン doc.com 用の編成コンテキストと、NIS サーバーの passwd マップのすべてのユーザーとサーバーの hosts マップの、すべてのホストに対するコンテキストと関連のサブコンテキストが作成されます。


    注 -

    コンテキストマップを作成したら、他の任意の NIS マップに異なるマスターを割り当てるのと同じ手順で、同じマシンをマスターサーバーに割り当てることができます。FNS マップはすべて、.ctx または .attr のいずれかで終わる名前を持ちます。詳細は、『Solaris ネーミングの管理』を参照してください。


ローカルファイルの下での名前空間コンテキストの作成

企業レベルの主なネームサービスがファイルであるときは、コンテキストはシステムに対して作成されます。

たとえば、システム用のコンテキストを作成するには次のようにします。

    /var/fn ディレクトリのあるマシンで、fncreate を次のように実行します


    server1# fncreate -t org org//
    

これで、マシン内の /etc/passwd ファイルのすべてのユーザーとマシン内の /etc/hosts ファイルのすべてのホスト用にシステム、コンテキスト、関連のサブコンテキストに対する編成コンテキストが作成されます。