機能テストモードは、システムがオフラインまたはオンラインのどちらの状態のときに SunVTS が起動されたかによって異なる動作をします (「オフラインテストとオンラインテスト」参照)。
オフラインの機能テストモードでは、選択されているデバイスとそのデバイスドライバがあらゆる面からテストされます。このモードでは、1 つのテストを実行して 1 つのデバイスの機能を検査することも、あらゆるシステムデバイスに対して複数のテストを実行して、システム全体の妥当性を検査することもできます。
徹底的なテストを行うため、オフラインの機能テストモードでは、システム資源のかなりの部分が使用されます。このため、機能テストモードでテストを行うときは、システムで重要なアプリケーションを実行したり、システムを一般業務などに使用したりしないでください。
機能テストモードでは、デバイスに関係するあらゆるシステム資源がテストに利用できることを前提としています。デバイスにアクセスできない場合は、障害として記録されます。テストの実行時には、システム資源を制限せずにデバイスを徹底的に使用して、完全なテストを行うことを目的としています。
SunVTS は、機能テストモードでテストするシステムが安全なオフライン状態になっているかどうかを確認しません。このため、ユーザー自身が、アプリケーションと SunVTS 診断テストの間でシステム資源の競合が起きないようにする必要があります。実行時の注意事項については、「SunVTS の実行時の注意事項」を参照してください。
オンラインの機能テストモードでは、他のアプリケーションおよびユーザーに対する影響を最小限に抑えながら、障害を検出し、特定するという限定的な動作テストが行われます。このモードでは、テストパラメタ、テスト実行オプション、システムレベルのオプションの一部が固定され、値を変更できなくなります。これは、危険な処理を引き起こす可能性があるオプションあるいはオプションの組み合わせが選択されることによって、システムが危険な状態にならないようにするためです。
Functional テストモードでは、オプション値の一部が固定される以外に (下記の表を参照)、以下の制限を受けます。
スケーラブルテストを選択した場合は、そのテストのインスタンスを 1 つだけ実行できる
選択されたテストは、そのすべてが終了するまで順次実行される
選択されたすべてのテストはそれぞれ 1 回のパスだけ実行される
1 つでもエラーが見つかると、テストが停止する
オンライン環境で危険とみなされるテストオプションを有効にすることはできない
表 5-1 は、上記のそれぞれのモードでのテスト実行オプションのデフォルト値をまとめています。
表 5-1 テスト実行オプション
オプション |
Connection テストモード |
Functional テストモード (オフライン) | Functional テストモード (オンライン) |
---|---|---|---|
Stress |
Disabled (固定) |
Disabled |
Disabled (固定) |
Verbose |
Disabled (固定) |
Disabled |
Disabled (固定) |
Core File |
Disabled (固定) |
Disabled |
Disabled (固定) |
Run On Error |
Disabled (固定) |
Disabled |
Disabled (固定) |
Max Passes |
1 (固定) |
0 |
1 (固定) |
Max Time |
0 (固定) |
0 |
0 (固定) |
Number of Instances |
1 (固定) |
プロセッサ数に依存 |
1 (固定) |
オンラインテストを行うには、SUNWodu および SyMON の configd パッケージ (SUNWeswsa または SUNWsycfd) がインストールされている必要があります。これらのパッケージは、Sun Enterprise SyMON 2.0.1 ソフトウェアがサポートするシステムでだけ機能します。詳細は、第 2 章「SunVTS のインストールと削除」を参照してください。