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iPlanet Directory Server 5.1 管理者ガイド



第 12 章   サーバとデータベースアクティビティの監視


この章では、データベースログとサーバログの監視について説明します。この章は、次の節で構成されています。

SNMP を使用してサーバを監視する方法については、第 13 章「SNMP を使用した Directory Server の監視」を参照してください。



ログファイルの表示と構成



iPlanet Directory Server では、3 種類のログを使用して、ディレクトリの管理と性能調整を行うことができます。ログの種類は以下のとおりです。

次に、すべてのタイプのログ構成に共通する項目を示します。

  • ログファイルの作成ポリシーの定義

  • ログファイルの削除ポリシーの定義

次の節では、ログファイルの作成ポリシーと削除ポリシーの定義方法と、それぞれのタイプのログの表示方法および構成方法を説明します。


ログファイルのローテーションポリシーの定義

ディレクトリの最新ログを定期的にアーカイブして、新しいログへの記録を開始する場合は、Directory Server Console を使用してログファイルのローテーションポリシーを定義できます。次のパラメタを構成します。

  • ディレクトリに保持するログの総数。ディレクトリ内のログがこの数に達すると、新しいログを作成する前に、フォルダ内のもっとも古いログが削除される。デフォルトは 101 に設定すると、ログのローテーションは行われず、ログが無限に増大してしまうため、この値は 1 には設定できない

  • 各ログファイルの最大サイズ (M バイト)。最大サイズを設定しない場合は、このフィールドに -1 を入力する。デフォルトは 100 M バイト。ログファイルがこの最大サイズ (あるいは次の手順で定義する最大維持期間) に達すると、そのファイルがアーカイブされ、新しいファイルへの記録が開始される。ログの最大数を 1 に設定すると、この属性は無視される

  • 現在のログファイルをアーカイブして、新しいログへの記録を開始する間隔。分、時間、日、週、または月を単位とすることを指定して決定する。デフォルトでは、「毎日」に設定されている。ログの最大数を 1 に設定すると、この属性は無視される


ログファイルの削除ポリシーの定義

アーカイブ済みの古いログを自動的に削除する場合には、Directory Server Console を使用してログファイル削除ポリシーを定義します。



 

ログファイルのローテーションポリシーが事前に定義されていないと、ログ削除ポリシーを定義しても意味がありません。ログファイルが 1 つしかない場合は、ログファイル削除ポリシーは機能しないからです。

ログのローテーション時に、ログファイル削除ポリシーがサーバによって評価されます。  



次のパラメタを構成します。

  • アーカイブされたログの最大合計サイズ。最大サイズに達すると、アーカイブ済みのもっとも古いログが自動的に削除される。最大サイズを設定しない場合は、このフィールドに -1 を入力する。デフォルトは 500 M バイト。ログファイル数が 1 に設定されていると、このパラメタは無視される

  • ディスクの最小空き容量。ディスクの空き容量がこの値に達すると、アーカイブ済みのもっとも古いログが自動的に削除される。デフォルトは 5 M バイト。ログファイル数が 1 に設定されていると、このパラメタは無視される

  • ログファイルの最大維持期間。ログファイルが作成されてからこの期間が経過すると、ファイルは自動的に削除される。デフォルトは 1 か月。ログファイル数が 1 に設定されていると、このパラメタは無視される


アクセスログ

アクセスログには、ディレクトリへのクライアントの接続に関する詳しい情報が記録されます。

ここでは、次の手順について説明します。


アクセスログの表示

アクセスログを表示するには、次の手順を実行します。

  1. Directory Server Console で「状態」タブを選択し、ナビゲーションツリーの Logs フォルダを展開して、「Access Log」アイコンを選択します。

    アクセスログの最後の 25 エントリが、テーブルに一覧表示されます。

  2. 表示を更新するには、「再読み込み」をクリックします。「連続」チェックボックスを選択すると、10 秒ごとに自動的に表示が更新されます。

  3. アーカイブ済みのアクセスログを表示するには、「ログの選択」プルダウンメニューからログを選択します。

  4. 表示するメッセージの数を指定するには、表示する数を「表示する行」テキストボックスに入力して、「再読み込み」をクリックします。

  5. 指定した文字列を含むメッセージを表示することもできます。このためには、「次を含む行のみ表示」テキストボックスに文字列を入力して、「再読み込み」をクリックします。


アクセスログの構成

アクセスログは、格納場所、作成ポリシーまたは削除ポリシーなど、さまざまな項目を設定することによってカスタマイズできます。

また、ディレクトリのアクセスログ機能を無効にすることもできます。アクセスログはすぐに大きくなるので、この設定が必要になることもあります。ディレクトリへのアクセスが 2000 回に達するごとに、アクセスログは約 1 M バイトずつ大きくなります。ただし、アクセスログにはトラブルシューティングに関する有益な情報が記録されるので、アクセスログを無効にする前に、この点を十分に考慮してください。

ディレクトリのアクセスログを構成するには、次の手順を実行します。

  1. Directory Server Console で、「構成」タブを選択します。次に、ナビゲーションツリーの Logs フォルダを展開し、Access Log アイコンを選択します。

    アクセスログの構成属性が右側の区画に表示されます。

  2. アクセスログを有効にするには、「ログを有効にする」チェックボックスを選択します。

    アクセスログを使用しない場合は、このチェックボックスの選択を解除します。

    アクセスログはデフォルトで有効に設定されています。

  3. 「ログファイル」フィールドに、そのディレクトリのアクセスログの絶対パスとファイル名を入力します。デフォルトでは、次のファイルが使用されます。

    Solaris 9 プラットフォーム

    /var/ds5/slapd-serverID/logs/access

    その他のプラットフォーム

    /usr/iplanet/servers/slapd-serverID/logs/access

  4. ログの最大数、ログサイズ、およびアーカイブ間隔を設定します。

    これらのパラメタについては、「ログファイルのローテーションポリシーの定義」を参照してください。

  5. アーカイブされたログの最大合計サイズ、ディスクの最小空き容量、およびログファイルの最大維持期間を設定します。

    これらのパラメタについては、「ログファイルの削除ポリシーの定義」を参照してください。

  6. 変更が完了したら、「保存」をクリックします。


エラーログ

エラーログには、エラーの詳細メッセージと、通常の操作中にディレクトリに発生したイベントが記録されます。

ここでは、次の手順について説明します。


エラーログの表示

エラーログを表示するには、次の手順を実行します。

  1. Directory Server Console で「状態」タブを選択し、ナビゲーションツリーの Logs フォルダを展開して、Error Log アイコンを選択します。

    エラーログの最後の 25 エントリが、テーブルに一覧表示されます。

  2. 表示を更新するには、「再読み込み」をクリックします。「連続」チェックボックスを選択すると、10 秒ごとに自動的に表示が更新されます。

  3. アーカイブ済みのエラーログを表示するには、「ログの選択」プルダウンメニューからログを選択します。

  4. 表示するメッセージの数を指定するには、表示する数を「表示する行」テキストボックスに入力して、「再読み込み」をクリックします。

  5. 指定した文字列を含むメッセージを表示することもできます。このためには、「次を含む行のみ表示」テキストボックスに文字列を入力して、「再読み込み」をクリックします。


エラーログの構成

ログの格納場所やログに記録する内容など、エラーログのいくつかの設定は変更できます。

エラーログを構成するには、次の手順を実行します。

  1. Directory Server Console で、「構成」タブを選択します。次に、ナビゲーションツリーの Logs フォルダを展開し、Error Log アイコンを選択します。

    エラーログの構成属性が右側の区画に表示されます。

  2. 右側の区画で「エラーログ」タブを選択します。

  3. エラーログを有効にするには、「ログを有効にする」チェックボックスを選択します。

    エラーログを使用しない場合は、このチェックボックスの選択を解除します。

    エラーログはデフォルトで有効に設定されています。

  4. 「ログファイル」フィールドに、そのディレクトリのエラーログの絶対パスとファイル名を入力します。デフォルトでは、次のファイルが使用されます。

    Solaris 9 プラットフォーム

    /var/ds5/slapd-serverID/logs/error

    その他のプラットフォーム

    /usr/iplanet/servers/slapd-serverID/logs/error

  5. ログの最大数、ログサイズ、およびアーカイブ間隔を設定します。

    これらのパラメタについては、「ログファイルのローテーションポリシーの定義」を参照してください。

  6. アーカイブされたログの最大合計サイズ、ディスクの最小空き容量、およびログファイルの最大維持期間を設定します。

    これらのパラメタについては、「ログファイルの削除ポリシーの定義」を参照してください。

  7. ログレベルを設定する場合は、Ctrl キーを押しながら「ログレベル」リストボックス内の目的のオプションをクリックします。

    ログレベルオプションについては、『iPlanet Directory Server 構成、コマンド、およびファイルのリファレンス』の「ログのレベル」を参照してください。

    これらの値をデフォルトから変更すると、エラーログがすぐに大きくなってしまうことがあります。したがって、iPlanet カスタマサポートに指示された場合を除き、ログレベルを変更しないことをお勧めします。

  8. 変更が完了したら、「保存」をクリックします。


監査ログ

監査ログには、サーバの構成だけでなく、各データベースに対する変更に関する詳細情報が記録されます。

ここでは、次の手順について説明します。


監査ログの表示

監査ログを表示するには、そのディレクトリの監査ログの機能を有効にする必要があります。詳細は、「監査ログの構成」を参照してください。

監査ログを表示するには、次の手順を実行します。

  1. Directory Server Console で、「状態」タブを選択します。次に、ナビゲーションツリーの Logs フォルダを展開し、Audit Log アイコンを選択します。

    監査ログの最後の 25 エントリが、テーブルに一覧表示されます。

  2. 表示を更新するには、「再読み込み」をクリックします。「連続」チェックボックスを選択すると、10 秒ごとに自動的に表示が更新されます。

  3. アーカイブ済みの監査ログを表示するには、「ログの選択」プルダウンメニューからログを選択します。

  4. 表示するメッセージの数を指定するには、表示する数を「表示する行」テキストボックスに入力して、「再読み込み」をクリックします。

  5. 指定した文字列を含むメッセージを表示することもできます。このためには、「次を含む行のみ表示」テキストボックスに文字列を入力して、「再読み込み」をクリックします。


監査ログの構成

監査ログ機能の有効または無効の設定や、監査ログファイルの格納場所の指定は、Directory Server Console を使用して行います。

監査ログを構成するには、次の手順を実行します。

  1. Directory Server Console で、「構成」タブを選択します。次に、ナビゲーションツリーの Logs フォルダを展開し、Audit Log アイコンを選択します。

    監査ログの構成属性が右側の区画に表示されます。

  2. 監査ログを有効にするには、「ログを有効にする」チェックボックスを選択します。

    監査ログを無効にするには、このチェックボックスの選択を解除します。監査ログはデフォルトで無効に設定されています。

  3. 「ログファイル」フィールドに、そのディレクトリの監査ログの絶対パスとファイル名を入力します。デフォルトでは、次のファイルが使用されます。

    Solaris 9 プラットフォーム

    /var/ds5/slapd-serverID/logs/audit

    その他のプラットフォーム

    /usr/iplanet/servers/slapd-serverID/logs/audit

  4. ログの最大数、ログサイズ、およびアーカイブ間隔を設定します。

    これらのパラメタについては、「ログファイルのローテーションポリシーの定義」を参照してください。

  5. アーカイブされたログの最大合計サイズ、ディスクの最小空き容量、およびログファイルの最大維持期間を設定します。

    これらのパラメタについては、「ログファイルの削除ポリシーの定義」を参照してください。

  6. 変更が完了したら、「保存」をクリックします。



手動によるログファイルのローテーション

Directory Server では、3 種類のログすべてにおいて、ログファイルの自動ローテーションが可能です。ただし、ログファイルの自動作成ポリシーや自動削除ポリシーを設定しなかった場合は、手動でログファイルをローテーションさせることもできます。デフォルトでは、アクセスログ、エラーログ、監査ログファイルは、次のディレクトリに置かれます。

Solaris 9 プラットフォーム

/var/ds5/slapd-serverID/logs

その他のプラットフォーム

/usr/iplanet/servers/slapd-serverID/logs

手動でログファイルをローテーションさせるには、次の手順を実行します。

  1. サーバを停止します。手順については、「Directory Server の起動と停止」を参照してください。

  2. 古いログファイルを後で参照できるように、ローテーションさせるログファイルを移動するか、ファイル名を変更します。

  3. サーバを再起動します。手順については、「Directory Server の起動と停止」を参照してください。



サーバアクティビティの監視

Directory Server Console またはコマンド行から、Directory Server の現在のアクティビティを監視できます。また、すべてのデータベースのキャッシュを監視することもできます。ここでは、次の項目について説明します。


Directory Server Console を使用したサーバの監視

この節では、Directory Server Console を使用してサーバを監視する方法と、性能モニターによって確認できる情報について説明します。


サーバ性能モニター情報の表示

Directory Server Console を使用してサーバアクティビティを監視するには、次の手順を実行します。

  1. Directory Server Console で、「状態」タブを選択します。ナビゲーションツリーで、「性能カウンタ」を選択します。

    右側の区画の「状態」タブに、現在のサーバアクティビティに関する情報が表示されます。サーバが実行されていない場合は、このタブには性能監視情報は表示されません。

  2. 「再読み込み」をクリックすると、現在の表示が更新されます。表示される情報を継続して更新するには、「連続」チェックボックスを選択します。


サーバ性能モニター情報の概要

続く節で解説する次の項目に関する監視情報が提供されます。


一般情報 (サーバ)

次のような一般情報が表示されます。

  • サーバのバージョン

    現在のサーバのバージョンを特定します。

  • 構成 DN

    ldapsearch コマンド行ユーティリティを使用して、結果を取得するために検索ベースとして使用する識別名を示します。このフィールドには cn=monitor と表示されます。

  • データのバージョン

    サーバのデータに関する識別情報が表示されます。通常ここに表示される情報は、サーバによってレプリカがコンシューマサーバに提供されるときに意味を持ちます。データのバージョン情報は、次のように表示されます。

    • サーバのホスト名

    • サーバのポート番号

    • データベース生成番号。廃止される予定。LDIF ファイル内にマシンのデータエントリを設定しないでディレクトリデータベースを作成した場合にだけ作成される識別子で、ほかと重複しない固有の値を持つ。

    • 現在の更新履歴ログ番号。ディレクトリに加えられた最後の変更に対応する番号。この番号は 1 から始まり、データベースに変更を加えるたびに 1 ずつ加算される。

  • サーバの起動日時

    サーバが起動した日付と時刻が表示されます。

  • サーバの現在の日時

    サーバ上の現在の日付と時刻が表示されます。


資源の概要

Console によって表示される資源の概要テーブルには、次のような資源関連情報が提供されます。


表 12-1 サーバ性能監視 : 資源の概要テーブル 

資源

起動時からの使用状況

1 分あたりの平均

接続回数  

サーバの起動時から現在までの合計接続回数  

サーバの起動時から現在までの 1 分あたりの平均接続回数  

開始した処理  

サーバの起動時から現在までに開始された処理の総数。処理には、検索、追加、変更などのサーバ処理を求めるすべてのクライアント要求が含まれる。1 回の接続で複数の処理が実行されることもある  

サーバの起動時から現在までの 1 分あたりの平均処理回数  

完了した処理  

サーバの起動時から現在までにサーバによって完了された処理の回数  

サーバの起動時から現在までの 1 分あたりの平均処理回数  

クライアントに送信されたエントリ数  

サーバの起動時から現在までのクライアントへの合計送信エントリ数。エントリは、検索要求の結果としてクライアントに送られる  

サーバの起動時から現在までの、クライアントへの 1 分あたりの平均エントリ数  

クライアントに送信されたバイト数  

サーバの起動時から現在までのクライアントへの合計送信バイト数  

サーバの起動時から現在までの、クライアントへの 1 分あたりの平均バイト数  


現在の資源使用状況

Directory Server Console の資源の概要テーブルには、次のような資源関連情報が表示されます。


表 12-2 サーバ性能監視 : 現在の資源使用状況テーブル 

資源

現在の使用状況

有効なスレッド数  

要求処理で使われる、現在有効なスレッドの数が表示される。レプリケーションや連鎖などのサーバの内部タスクによって、追加のスレッドが生成されることもある  

開いている接続数  

開いている接続の合計数が表示される。各接続は複数の操作、つまり複数のスレッドを扱うことができる  

使用可能な接続数  

同時に接続することができる残りの接続の合計数が表示される。この数は、現在開いている接続の数と、サーバに許可される最大接続数に基づいて決められる。ほとんどの場合、サーバに許可される接続数はオペレーティングシステムによって決まり、タスクに割り当てることのできるファイル識別子の数で示される

Windows NT と IBM AIX では、可能な同時接続の数はオペレーティングシステムによって決まる。ただし、ファイル識別子に基づくものではない。詳細は、オペレーティングシステムのマニュアルを参照  

クライアントへの書き込み待機中のスレッド数  

クライアントへの書き込み待機状態にあるスレッドの合計数。サーバからクライアントへのデータ送信時に、送信を一時的に停止しなければならない場合は、スレッドによる書き込みもすぐには行われない。一時停止の理由としては、ネットワークの速度が遅い、クライアントの処理速度が遅い、クライアントに送る情報量が非常に大きい、などが考えられる  

クライアントから読み取り待機中のスレッド数  

クライアントからの読み取り待機状態にあるスレッドの合計数。サーバがクライアントからの要求受信を開始した後に、その要求の送信が何らかの理由で中断された場合は、スレッドの読み取りもすぐには行われない。一般に、スレッドの読み取り待機状態は、ネットワークの速度やクライアントの処理速度が遅いことを示す  

スレッド多重度  

Solaris 2.x だけに適用される。スレッド多重度を示す  

使用中のデータベース  

サーバが使用している合計データベース数  


接続状態

Directory Server Console の接続状態テーブルには、現在開かれている個々の接続が使用中の資源の量に関して、次の情報が表示されます。


表 12-3 サーバ性能監視 : 接続状況テーブル 

テーブルの見出し

説明

接続が行われた時刻  

最初の接続時のサーバ上の時刻を示す  

開始された処理  

この接続が開始された処理の数を示す  

完了した処理  

この接続で完了した処理の数を示す  

バインド DN  

クライアントがサーバへのバインド処理に使用した識別名を示す。クライアントがサーバに対して認証していない場合は、このフィールドには「not bound」と表示される  

読み取り / 書き込み  

クライアントによるサーバへの読み取りまたは書き込みアクセスが、現在ブロックされているかどうかを示す。次の 2 つの値が可

  • ブロックなし :サーバがアイドル状態にあることを示す。クライアントへのアクティブなデータ送信、またはクライアントからのアクティブなデータ読み取りが可

  • ブロック :サーバがクライアントへのデータ送信、またはクライアントからのデータ読み取りを試みているが、どちらも処理できないことを示す。原因としては、ネットワークまたはクライアントが低速であることが考えられる

 


グローバルデータベースのキャッシュ情報

Directory Server Console のグローバルデータベースのキャッシュ情報テーブルには、次の情報が表示されます。


表 12-4 サーバ性能監視 : グローバルデータベースのキャッシュテーブル 

テーブルの見出し

説明

ヒット数  

サーバがディスクにアクセスせずに、キャッシュからデータを取得することによって要求を処理できる回数を示す  

試行数  

サーバの起動時からディレクトリ上で実行された要求の合計数を示す  

ヒット率  

キャッシュヒットを試みて成功した率を示す。この数値が 100% に近いほど、性能が高くなる  

読み取りページ  

ディスクからキャッシュに読み取られたページ数を示す  

書き込みページ  

キャッシュからふたたびディスクに書き込まれたページ数を示す  

破棄された読み取り専用ページ  

新しいページ用のスペースを確保するためにキャッシュから破棄された読み取り専用ページの数を示す。ページがキャッシュから破棄されると、サーバの性能に影響することがあるので、そのページをディスクに書き込む必要がある。この数値が小さいほど、性能は高くなる  

破棄された読み取り / 書き込みページ  

新しいページ用のスペースを確保するためにキャッシュから破棄された読み取り / 書き込みページの数を示す。この値は、変更されていない読み取りおよび書き込みページであるという点で、「書き込みページ」の値とは異なる

ページがキャッシュから破棄されると、サーバの性能に影響することがあるので、そのページをディスクに書き込む必要がある。この数値が小さいほど、性能は高くなる  


コマンド行からのサーバの監視

次の特性を使用して検索操作を実行することによって、あらゆる LDAP クライアントから、Directory Server の現在のアクティビティを監視できます。

  • 検索属性 : objectClass=*

  • 検索ベース : cn=monitor

  • 検索対象 : base

たとえば、次のようにします。

ldapsearch -h directory.siroe.com -s base -b "cn=monitor" "(objectclass=*)"

Directory Server の検索については、「ldapsearch の使用」を参照してください。

サーバの監視属性は、 cn=monitor,cn=config エントリ内にあります。

ldapsearch を使用してサーバアクティビティを監視すると、次の情報を見ることができます。

  • version: ディレクトリの現在のバージョン番号が表示される

  • threads: 要求処理で使われる、現在有効なスレッドの数が表示される。レプリケーションや連鎖などのサーバの内部タスクによって、追加のスレッドが生成されることもある

  • connection:fd:opentime:opsinitiated:opscompleted:binddn:[rw]: 開いている各接続について、次のような概要情報を与える (ディレクトリマネージャとしてディレクトリにバインドする場合にだけ使用可能)

    • fd : この接続に使用されているファイルディスクリプタ。

    • opentime : この接続が開かれた時刻。

    • opsinitiated : この接続によって開始された処理の数。

    • opscompleted : 完了した処理の数。

    • binddn : ディレクトリへの接続のためこの接続に使用された識別名。

    • rw : 読み取りまたは書き込みに対して接続がブロックされているかを表すフィールド。

    デフォルトでは、この情報が使用できるのは、ディレクトリマネージャとしてディレクトリにバインドした場合だけ。ただし、この情報に関連する ACI を変更すれば、ほかのユーザにもこの情報へのアクセスを許可できる

  • currentconnections : 現在ディレクトリが使用中の接続の数を示す

  • totalconnections : ディレクトリの起動時から現在までに処理された接続数を示す

  • dtablesize : そのディレクトリで使用できるファイルディスクリプタの数を表す。接続ごとに 1 つのファイルディスクリプタが必要。1 つはすべての開いたインデックス用、1 つはログファイルの管理用、1 つは ns-slapd 自身用。本来この値は、そのディレクトリであといくつの同時接続が可能であるかを示す。ファイルディスクリプタについては、オペレーティングシステムのマニュアルを参照

  • readwaiters : クライアントからの読み取り待機状態にあるスレッドの数を示す

  • opsinitiated : サーバの起動時から現在までに開始された操作の数を示す

  • opscompleted : サーバの起動時から現在までに完了した操作の数を示す

  • entriessent : サーバの起動時から現在までのクライアントへの送信エントリ数を示す

  • bytessent : サーバの起動時から現在までのクライアントへの送信バイト数を示す

  • currentime : このサーバのスナップショットの出力時刻を示す。この時刻にはグリニッジ標準時 (GMT) が使用され、UTC 形式で表示される

  • starttime : サーバが起動した時刻を示す。この時刻にはグリニッジ標準時 (GMT) が使用され、UTC 形式で表示される

  • nbackends : サーバのサービス対象となるバックエンド (データベース) の数を示す

  • concurrency : Solaris 2.x だけに適用。現在のスレッド多重度を表示する

  • backendmonitordn : 各ディレクトリデータベースの DN を示す



データベースアクティビティの監視

Directory Server Console またはコマンド行から、データベースの現在のアクティビティを監視できます。ここでは、次の項目について説明します。


Server Console を使用したデータベースアクティビティの監視

この節では、Directory Server Console を使用してデータベース性能モニターを表示する方法と、モニターに表示される情報の内容について説明します。


データベース性能モニターの表示

データベースアクティビティを監視するには、次の手順を実行します。

  1. Directory Server Console で、「状態」タブを選択します。ナビゲーションツリーの「Performance Counters」フォルダを展開し、監視するデータベースを選択します。

    タブに、現在のデータベースアクティビティに関する情報が表示されます。サーバが実行されていない場合は、このタブには性能監視情報は表示されません。

  2. 「再読み込み」をクリックすると、現在表示されている情報が更新されます。表示される情報を継続して更新するには、「連続」チェックボックスを選択して、「再読み込み」をクリックします。


データベース性能モニター情報の概要

次の節で説明するように、データベース監視情報が表示されます。


一般情報 (データベース)

次のような一般情報が表示されます。

  • データベース

    監視対象のデータベースのタイプを示します。

  • 構成 DN

    ldapsearch コマンド行ユーティリティを使用して、結果を取得するために検索ベースとして使用する識別名を示します。


概要情報テーブル

概要情報テーブルには、次の情報が表示されます。


表 12-5 データベース性能監視 : 概要情報 

性能の基準

内容

読み込み専用の状態  

現在データベースが読み取り専用モードであるかどうかを示す。readonly 属性が on に設定されていれば、データベースは読み取り専用モードになっている  

エントリキャッシュの検索ヒット数  

エントリキャッシュを使用した検索が成功した回数。つまり、サーバがディスクにアクセスせずに、キャッシュからデータを取得することによって、検索要求を処理できた回数  

エントリキャッシュの検索試行数  

ディレクトリが最後に起動してから現在までの、エントリキャッシュ検索の回数。つまり、サーバの起動時からサーバに対して実行された検索操作の合計数  

エントリキャッシュの検索ヒット率  

エントリキャッシュの検索に対する、エントリキャッシュ試行が成功した割合。この値は、ディレクトリが最後に起動してから現在までの、検索回数とヒット回数の合計に基づく。この値が 100% に近いほど、性能が高くなる。エントリキャッシュにないエントリを検索するには、ディレクトリがディスクにアクセスして検索を実行する必要がある。したがって、この率がゼロに近くなれば、それだけディスクアクセスの回数が増え、ディレクトリの検索性能は低下する

このヒット率を上げるために、「最大キャッシュエントリ数」属性の値を大きくして、エントリキャッシュ内に維持できるエントリ数を増やすことができる。Server Console を使用してこの値を変更する方法については、「データベースの性能の調整」を参照  

現在のエントリキャッシュサイズ
(バイト単位)
 

現在エントリキャッシュ内にある、ディレクトリエントリの合計サイズを示す  

最大エントリキャッシュサイズ
(バイト単位)
 

ディレクトリが維持するエントリキャッシュのサイズを示す。この値は、「最大キャッシュサイズ」属性によって管理される。Server Console を使用してこの値を変更する方法については、「データベースの性能の調整」を参照  

現在のエントリキャッシュサイズ
(エントリ単位)
 

現在エントリキャッシュ内にある、ディレクトリエントリの合計数を示す  

最大エントリキャッシュサイズ
(エントリ単位)
 

現在エントリキャッシュ内で維持できる、ディレクトリエントリの最大数を示す。この値は、「最大キャッシュエントリ数」属性によって管理される。Server Console を使用してこの値を変更する方法については、「データベースの性能の調整」を参照  


データベースのキャッシュ情報テーブル

データベースのキャッシュ情報テーブルには、次のキャッシュ情報が表示されます。


表 12-6 データベース性能監視 : データベースキャッシュ情報 

性能の基準

内容

ヒット数  

要求されたページをデータベースキャッシュから正常に提供した回数を示す。1 ページは、サイズ 2 K のバッファ  

試行数  

データベースキャッシュにあるページが要求された回数を示す  

ヒット率  

データベースキャッシュの「ヒット数」と「試行数」の比率を示す。この値が 100% に近いほど、性能が高くなる。データベースキャッシュにないデータベースのデータを検索するには、ディレクトリがディスクにアクセスして、適切なページを取得する必要がある。したがって、この率がゼロに近くなれば、それだけディスクアクセスの回数が増え、ディレクトリの性能は低下する

このヒット率を上げるために、「最大キャッシュサイズ」属性の値を大きくして、データベースキャッシュ内に維持できるデータ量を増やすことができる。Server Console を使用してこの値を変更する方法については、「データベースの性能の調整」を参照  

読み取りページ  

ディスクからデータベースキャッシュに読み取られたページ数を示す  

書き込みページ  

キャッシュからふたたびディスクに書き込まれたページ数を示す。読み書き可能ページに変更が加えられると、データベースページはディスクに書き込まれ、キャッシュから削除される。キャッシュがいっぱいになり、ディレクトリ操作のために現在キャッシュにないデータベースページが必要になると、古いページがデータベースキャッシュから削除される  

破棄された読み取り専用ページ  

新しいページ用のスペースを確保するためにキャッシュから破棄された読み取り専用ページの数を示す  

破棄された読み取り / 書き込みページ  

新しいページ用のスペースを確保するためにキャッシュから破棄された読み取り / 書き込みページの数を示す。この値は、変更されていない読み取りおよび書き込みページであるという点で、「書き込みページ」の値とは異なる  


データベースファイル固有テーブル

ディレクトリは、データベースを構成するインデックスファイルのテーブルを表示します。テーブルには、次の情報が表示されます。


表 12-7 データベース性能監視 : データベースファイル固有テーブル 

性能の基準

内容

キャッシュのヒット数  

この特定ファイルについて、検索結果としてのキャッシュヒットの回数。つまり、このファイルからのデータを必要とする検索をクライアントが実行し、これに対してディレクトリがキャッシュから必要なデータを取得した回数  

キャッシュのミス数  

この特定ファイルについて、検索結果としてキャッシュヒットとならなかった回数。つまり、このファイルからのデータを必要とする検索が実行され、これに対してキャッシュ内に必要なデータが見つからなかった回数  

読み取りページ  

このファイルからキャッシュに移動されたページ数を示す  

書き込みページ  

このファイル用にキャッシュからふたたびディスクに書き込まれたページ数を示す  


コマンド行からのデータベースの監視

次の特性を使用して検索操作を実行することによって、すべての LDAP クライアントから、ディレクトリデータベースのアクティビティを監視できます。

  • 検索属性 : objectClass=*

  • 検索ベース : cn=monitor,cn=database_instance,cn=ldbm database, cn=plugins, cn=config。ここで、database は監視するデータベースの名前

  • 検索対象 : base

たとえば、次のようにします。

ldapsearch -h directory.siroe.com -s base -b "cn=monitor,cn=Siroe,cn=ldbm database,cn=plugins, cn=config" "objectclass=*"

この例では、ldapsearch 操作は Siroe データベースを対象に実行されます。ディレクトリの検索については、「ldapsearch の使用」を参照してください。

サーバアクティビティを監視するときに、次の情報を見ることができます。

次に、データベースを構成する各ファイルについて、次の情報が表示されます。

  • dbfilename-number : この属性はファイルの名前を示します。number は、連続した整数で表されるファイルの識別子 (0 から始まる) 。そのファイルに関連付けられるすべての統計情報にも、同じ整数の識別子が付けられる

  • dbfilecachehit-number : 表 12-7 の「キャッシュのヒット数」で説明した内容と同じ情報を与える

  • dbfilecachemiss-number : 表 12-7 の「キャッシュのミス数」で説明した内容と同じ情報を与える

  • dbfilepagein-number : 表 12-7 の「読み取りページ」で説明した内容と同じ情報を与える

  • dbfilepageout-number : 表 12-7 の「書き込みページ」で説明した内容と同じ情報を与える



データベースリンクアクティビティの監視

監視用属性を使用すると、コマンド行からデータベースリンクのアクティビティを監視できます。ldapsearch コマンド行ユーティリティを使用して、必要な属性値を返します。監視用の属性は、cn=monitor,cn=database_link_name,cn=chaining database,cn=plugins,cn=config に格納されます。

たとえば、ldapsearch コマンド行ユーティリティを使用すると、DBLink1 という特定のデータベースリンクが受け取った追加操作の数を調べることができます。まず、次のユーティリティが置かれたディレクトリに移動します。

Solaris 9 プラットフォーム

# cd /usr/iplanet/ds5/shared/bin

その他のプラットフォーム

# cd installDir/shared/bin

次に、以下のように入力して ldapsearch を実行します。

ldapsearch -h server.siroe.com -p 389 \
-D "cn=Directory Manager" -w
password -s sub -b \
"cn=monitor,cn=DBLink1,cn=chaining database,cn=plugins,cn=config" \
"(objectclass=*)" nsAddCount



 

前述のコマンドは、1 行で入力してください。ここでは、ページサイズの都合上、複数の行に分けて示しています。  



次のデータベースリンク監視属性を検索できます。


表 12-8 データベースリンク監視属性 

属性名

説明

nsAddCount  

受け取った追加操作の数  

nsDeleteCount  

受け取った削除操作の数  

nsModifyCount  

受け取った変更操作の数  

nsRenameCount  

受け取った名前変更操作の数  

nsSearchBaseCount  

受け取ったベースレベル検索の数  

nsSearchOneLevelCount  

受け取った 1 レベル検索の数  

nsSearchSubtreeCount  

受け取ったサブツリー検索の数  

nsAbandonCount  

受け取った中止操作の数  

nsBindCount  

受け取ったバインド要求の数  

nsUnbindCount  

受け取ったバインド解除要求の数  

nsCompareCount  

受け取った比較操作の数  

nsOperationConnectionCount  

通常操作に対して開かれた接続の数  

nsBindConnectionCount  

バインド操作に対して開かれた接続の数  

ldapsearch については、『iPlanet Directory Server 構成、コマンド、およびファイルのリファレンス』を参照してください。


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Last Updated February 26, 2002