この章では、Java ES インストーラを使用してインストールした Sun JavaTM Enterprise System (Java ES) コンポーネントをアンインストールする方法について説明します。
この章で説明する内容は、次のとおりです。
Java ES には、Java ES インストーラを使用してシステムにインストールしたコンポーネントを削除するためのアンインストールプログラムが用意されています。Java ES インストーラと同じく、アンインストーラは、グラフィカル、テキストベース、またはサイレントの各モードで実行できます。
Java ES インストーラはインストール中に、Java ES アンインストーラを次の場所に配置します。
Solaris OS の場合: /var/sadm/prod/SUNWentsys4
Linux の場合: /var/sadm/prod/sun-entsys4
オプションの -no パラメータを使用して、ソフトウェアをアンインストールしない設定でアンインストーラを実行することができます。このオプションは、アンインストーラの動作に慣れるのに役立つだけでなく、状態ファイルを作成してサイレントアンインストールにそれを使用する場合にも便利です。
Java ES インストーラと同じく、アンインストーラは、グラフィカル、テキストベース、またはサイレントの各モードで実行できます。
アンインストーラによって削除されるのは、Java ES インストーラによってインストールされたコンポーネント製品だけです。Java ES インストーラを使用せずにインストールしたコンポーネントの削除については、各コンポーネントのドキュメントに記載されている操作手順を参照してください。
アンインストーラの実行は、Java ES コンポーネントがインストールされている個々のホストごとに行う必要があります。リモートアンインストールはサポートされていません。削除するコンポーネントを、ホストごとに 1 つまたは複数選択することができます。
アンインストーラは Java ES 共有コンポーネントを削除しません。
アンインストーラによって、設定ファイルとユーザーデータファイルが削除される場合があります。これらのファイルはコンポーネントによって異なります。
アンインストールプロセスが完了したあとで、一部のファイルとディレクトリの削除が必要になる場合もあります。製品別の情報については、「Java ES コンポーネントのアンインストール動作の確認」を参照してください。
アンインストーラは、コンポーネントの依存関係をチェックし、依存が検出された場合は警告メッセージを出力します。ただし、そのチェック対象はアンインストーラが実行されているシステムだけです。
アンインストーラがサードパーティー製の Web コンテナのインストール設定を解除することはありません。
アンインストーラが Web コンテナでの Access Manager SDK のインストール設定を解除することはありません。Web コンテナの再設定は、元の classpath に戻すなどして手動で行う必要があります。
Sun Cluster ソフトウェアがインストールされているが、クラスタノードの設定に一度も使用されていない場合を除き、Sun Cluster ソフトウェアの削除にはアンインストーラを使用しないでください。詳細については、「Sun Cluster ソフトウェアのアンインストール」を参照してください。
アンインストーラの動作は、インストールしたコンポーネント、および各コンポーネントの相互関係によって異なります。
アンインストーラは、同一ホストにインストールされている製品間の依存関係を認識します。同一ホスト上で依存関係を持つコンポーネントをアンインストールしようとすると、アンインストーラは警告を出力します。
たとえば、Portal Server がインストールされているホストから Access Manager をアンインストールしようとすると、Portal Server は Access Manager がないと機能できないことを、アンインストーラが警告します。
通常は、他のコンポーネントが依存していないコンポーネントはアンインストールできます。
たとえば、Portal Server は Access Manager に依存していますが、Access Manager は Portal Server に依存していません。Portal Server をアンインストールしようとした場合、Access Manager は Portal Server がなくても機能できるため、アンインストーラは警告を発行しません。
コンポーネント製品をアンインストールするときは、どの製品がそのコンポーネントをサポートするように設定されているかを調べ、必要であれば追加の設定を行います。必要な追加設定を行わない場合、存在しなくなった製品をサポートするように設定されたコンポーネントがシステムに残されることになります。
アンインストーラは、次の相互依存関係を認識しません。
リモートホストからの依存関係
設定による依存関係
コンポーネントの依存関係のなかには、リモートホストに配備されたコンポーネントによって解決できるものもあります。アンインストーラはこのような依存関係を認識しません。
たとえば、Directory Server をアンインストールする場合、アンインストーラは、Access Manager が Directory Server に依存することを、両製品が同じホスト上に配備されている場合でも警告しません。これは、別のホスト上の別の Directory Server インスタンスが Access Manager をサポートする「可能性がある」からです。
アンインストーラは、インストール後の設定によって生じるコンポーネント間の依存関係を認識しません。
たとえば、同じホストに Portal Server と Calendar Server をインストールし、Portal Server のカレンダチャネルとして Calendar Server を使用するように Portal Server を設定したとします。この設定により、Portal Server は Calendar Server に依存します。ただし、そのあとで Calendar Server をアンインストールしようとしても、アンインストーラはインストール後の設定を認識していないため、Portal Server が Calendar Server に依存することを警告しません。
次の表は、アンインストールの前に必要なタスクを示しています。タスクによっては、ご使用の環境に適用されない場合もあります。
左の列には作業の実行順序が、右の列にはその他の有用情報や手順の参照先が、それぞれ記載されています。
表 8–1 アンインストール前のチェックリスト
作業の説明 |
便利な情報または参照先 |
---|---|
1. アンインストールする各コンポーネントの要求や動作を確認します。 | |
2. 設定によって生じるコンポーネント間の依存関係を調べ、データのバックアップ、依存コンポーネントの設定変更による依存関係の解消、適切な順序でのコンポーネントのアンインストールなど、適切な対応をとる必要があります。 | |
3. 製品レジストリファイルのコピーを作成します。このバックアップコピーは、アンインストールが失敗した場合にシステムを復旧するのに役立ちます。 |
Solaris OS の場合: /var/sadm/install/productregistry Linux の場合: /var/opt/sun/install/productregistry |
4. 以後のインストールでデータの再利用を考えている場合は、アンインストールするコンポーネントの設定データまたはユーザーデータをバックアップまたはアーカイブします。 | |
5. 設定ディレクトリをホストする Directory Server インスタンスが稼働していることを確認します。注: ほとんどの場合、Web コンテナと Directory Server は稼働させておきますが、その他のサーバーはアンインストール前にシャットダウンします。 |
アンインストールするコンポーネントの設定をアンインストーラが正しく解除するには、この Directory Server インスタンスが稼働している必要があります。 |
6. 必要に応じて、管理サーバー、Directory Server、Access Manager の管理者アクセス情報を収集します。 | |
7. Access Manager をアンインストールする場合、アンインストール前にスキーマを削除します。 |
次の LDIF ファイルを使ってスキーマを削除します。 /etc/opt/SUNWam/config/ds_remote_schema_uninstall.ldif |
8. 独自のシステムにインストールされている Messaging Server をアンインストールする前に、管理サーバーの設定を解除します。 |
管理サーバーの設定解除方法: cd /usr/sbin/mpsadmserver unconfigure |
アンインストーラを使用する場合は、データが紛失したり相互依存関係が消失したりしないように、事前にインストール状況を調査して、作業手順の計画を立てる必要があります。各種 Java ES コンポーネントをアンインストールしたときに、残るコンポーネントがどのように動作するかを理解しておくことは重要です。
ここで説明する内容は、次のとおりです。
各ホストにすでにインストールされている Java ES コンポーネントソフトウェアを確認するには、次のいずれかの手順を実行します。
root として、アンインストーラが格納されているディレクトリに移動します。
Solaris OS の場合: /var/sadm/prod/SUNWentsys4
Linux の場合: /var/sadm/prod/sun-entsys4
ローカルシステムを調査するために、ソフトウェアをアンインストールしない設定でアンインストーラを実行します。
グラフィカルモードの場合:
./uninstall -no |
テキストベースモードの場合:
./uninstall -no -nodisplay |
uninstall コマンドの完全な構文については、「アンインストールコマンド」を参照してください。
インストールされている製品のリストが表示されるまでアンインストーラのページを切り替えます。
インストールされているコンポーネントのリストを確認したら、アンインストーラを終了します。
ソフトウェアのアンインストールは行われません。
prodreg ユーティリティーを使用して、Java ES コンポーネントを含む、システムにインストールされているすべてのパッケージに関する情報を表示することができます。
この情報は、コンポーネントの依存関係を調べる場合に便利です。また、prodreg ユーティリティーは、インストールが不完全で、特別な処理が必要なパッケージも示します。Solaris 10 および Solaris 9 オペレーティングシステム、および一部のバージョンの Solaris 8 オペレーティングシステムでは、次を実行してこのユーティリティーを起動します。
prodreg
詳細については、prodreg のマニュアルページを参照してください。
以下の中から関係のある表を調べて、アンインストーラが各 Java ES コンポーネントに対して行う内容を確認してください。さらに、作業手順の計画を立てて、データが紛失したり相互依存関係が消失したりすることがないようにします。
ここで説明する内容は、次のとおりです。
項目 |
詳細 |
---|---|
設定データ |
|
依存 |
Directory Server |
このインストールを必要とする製品 |
Directory Proxy Server と Messaging Server には、管理サーバーが必要です。設定によっては、Directory Server にも管理サーバーが必要です。 注: 管理サーバーを削除し、Directory Server を削除しなかった場合、Directory Server に付属するその他のユーティリティーを使用して Directory Server を管理する必要があります。詳細については、Directory Server のマニュアル (http://docs.sun.com/coll/DirectoryServer_05q4_ja) を参照してください。 |
アンインストール前の作業 |
設定 Directory Server が稼働していることを確認し、管理者ユーザー ID とパスワードを指定できるように準備します。 |
アンインストール後の作業 |
なし |
項目 |
詳細 |
---|---|
設定データとユーザーデータ |
|
依存 |
同一システム上に Message Queue が必要です。 |
このインストールを必要とする製品 |
|
アンインストール前の作業 |
設定データを保存するために、管理ドメインディレクトリのコピーを作成します。 |
アンインストール後の作業 |
システムから Application Server を完全に削除するために、残っている Application Server のログファイルとディレクトリを削除します。Application Server ディレクトリのデフォルトの場所は次のとおりです。 Solaris OS の場合: /var/opt/SUNWappserver /opt/SUNWappserver Linux の場合: /var/opt/sun/appserver /opt/sun/appserver Message Queue のアンインストール後の作業については、「Message Queue のアンインストール動作」を参照してください。 |
項目 |
詳細 |
---|---|
設定データとユーザーデータ |
設定データとユーザーデータはアンインストール時には削除されず、以後のインストール時に上書きされます。 Calendar Server のカスタマイズ情報はアンインストール時に削除されます。 |
依存 |
|
このインストールを必要とする製品 |
|
アンインストール前の作業 |
設定データやユーザーデータの再利用を予定している場合は、『Sun Java System Calendar Server 6 2005Q4 Administration Guide』に記載されている移行手順に従ってください。 |
アンインストール後の作業 |
不要なログファイルと Calendar Server ディレクトリを削除します。 |
項目 |
詳細 |
---|---|
設定データとユーザーデータ |
すべての設定データ、ユーザーデータ、UI カスタマイゼーションは、アンインストール後も維持されます。 Communications Express ファイルは、次の 2 つの場所に保持されます。 デフォルトのパッケージインストール: Solaris OS の場合: /opt/SUNWuwc Linux の場合: /opt/sun/uwc 設定時にデフォルトで作成されるアプリケーション配備: Solaris OS の場合: /var/opt/SUNWuwc Linux の場合: /var/opt/sun/uwc Communications Express をアンインストールすると、アンインストーラはパッケージインストールの場所だけからデータを削除します。アプリケーション配備の場所にあるデータは、そのまま残されます。アプリケーション配備の場所からアプリケーションにアクセスすることができます。 ただし、すべての設定データと UI カスタマイゼーションは再設定時に上書きされます。ユーザーデータは再設定後もそのまま維持されます。 |
依存 |
|
このインストールを必要とする製品 |
なし |
アンインストール前の作業 |
Communications Express を設定解除します。『Sun Java System Communications Express 6 2005Q4 Administration Guide』の「Communications Express の設定解除」の節を参照してください。 |
アンインストール後の作業 |
不要なログファイルと Communications Express ディレクトリを削除します。 |
項目 |
詳細 |
---|---|
設定データ |
設定データとユーザーデータはアンインストール時に削除されません。このデータは以降のインストール時に上書きされます。 Delegated Administrator へのカスタマイズはアンインストール時に削除されます。 |
依存 |
|
このインストールを必要とする製品 |
なし |
アンインストール前の作業 |
設定データやユーザーデータの再利用を予定している場合は、『Sun Java System Communications Services 6 2005Q4 Delegated Administrator Guide』の「Preserve an Existing Configuration」を参照してください。 |
アンインストール後の作業 |
不要なログファイルと Delegated Administrator ディレクトリを削除します。 |
項目 |
詳細 |
---|---|
設定データとユーザーデータ |
設定ディレクトリをホストする Directory Server をアンインストールする場合、設定ディレクトリの情報はアンインストール時に削除されます。ユーザーデータをホストする Directory Server をアンインストールする場合、Directory Server の LDAP データベースはアンインストール時に削除されます。 注: データの損失を避けるために、アンインストール前に Directory Server 情報をバックアップする必要があります。Directory Server には、Directory Server をバックアップしたり、設定データを移行したりするためのツールやユーティリティーが、いくつか用意されています。詳細については、Directory Server のマニュアル (http://docs.sun.com/coll/DirectoryServer_05q4_ja) を参照してください。 注: o=NetscapeRoot サフィックスの下にある、設定情報を含む設定ディレクトリをアンインストールする場合、警告は出力されません。その他のディレクトリの設定情報も含む中央の設定ディレクトリをアンインストールすると、アンインストール後にそれらのディレクトリを管理できなくなります。 |
依存 |
なし |
このインストールを必要とする製品 |
|
アンインストール前の作業 |
|
アンインストール後の作業 |
Directory Server のアンインストールでは、残りのファイルとディレクトリの手動削除が必要となる場合があります。 |
項目 |
詳細 |
---|---|
設定データとユーザーデータ |
すべての設定データとカスタマイズ情報はアンインストール後も残されるため、以後のインストールで再利用できます。 |
依存 |
|
このインストールを必要とする製品 |
|
アンインストール前の作業 |
なし |
アンインストール後の作業 |
状況によっては、「Messaging Server インストール後」に記載されているアンインストール後作業が必要になる場合があります。 |
項目 |
詳細 |
---|---|
設定データ |
インスタンスに固有の設定データ、ユーザーリポジトリ、およびアクセス制御ファイルはアンインストール後も残され、以後の再インストール時に再利用できます。 |
依存 |
Directory Server (オプション) |
このインストールを必要とする製品 |
Application Server (Message Queue と同じホストに存在する必要がある) |
アンインストール前の作業 |
|
アンインストール後の作業 |
Message Queue の再インストールを予定していない場合は、コンポーネントのマニュアルで説明されているコマンドを実行してシステムをクリーンアップします。Message Queue のマニュアルは、次の場所から入手できます。http://docs.sun.com/coll/MessageQueue_35_SP1_ja |
項目 |
詳細 |
---|---|
設定データとユーザーデータ |
|
依存 |
Portal Server のチャネルを使用するように設定されている場合:
|
このインストールを必要とする製品 |
なし |
アンインストール前の作業 |
なし |
アンインストール後の作業 |
|
レジストリ設定プロセスは、レジストリデータベースおよびサーバーキーストアを次のディレクトリ内にインストールします。
Solaris OS の場合: /var/opt/SUNWsoar
Linux の場合: /var/opt/sun/SUNWsoar
このディレクトリは、Service Registry をアンインストールしても削除されません。このため、必要であればそのデータベースを保存しておき、将来のインストール時やリリース時に使用することもできます。そうするには、レジストリの再インストール前に Solaris OS の場合は /var/opt/SUNWsoar/3.0 ディレクトリを、Linux の場合は /var/opt/sun/SUNWsoar/3.0 を別の場所にコピーし、再インストール後にそれを元の場所にコピーして戻します。
項目 |
詳細 |
---|---|
設定データ |
インストールされてはいるが、クラスタノードの設定に一度も使用されていない Sun Cluster ソフトウェアを除き、Sun Cluster ソフトウェアの削除には Java Enterprise System アンインストーラを使用しないでください。詳細については、「Sun Cluster ソフトウェアのアンインストール」を参照してください。 |
依存 |
Sun Cluster コアと Sun Cluster エージェントは、同時に削除する必要があります。 |
このインストールを必要とする製品 |
なし |
アンインストール前の作業 |
Sun Cluster ソフトウェアのアンインストールには、Sun Cluster のインストール時に提供されるユーティリティーだけを使用します。 |
アンインストール後の作業 |
Sun Cluster ソフトウェアのアンインストール後に、productregistry ファイルのアップデートが必要になる場合があります。詳細については、「Sun Cluster ソフトウェアのアンインストール」を参照してください。 |
項目 |
詳細 |
---|---|
設定データ |
インストール場所の下にある alias ディレクトリ内の証明書データベースファイルのみが維持されます。その他のファイルはすべて削除されます。 |
依存 |
Directory Server (省略可能。外部 LDAP アクセス制御が選択された場合) |
アンインストール前の作業 |
Web Proxy Server のすべてのインスタンスを停止します。 |
アンインストール後の作業 |
WebProxyServer-base/alias ディレクトリの下に証明書データベースが保存されています。再インストールを実行する前に、この証明書データベースを移動し、古いインストールディレクトリを削除する必要があります。 |
アンインストール対象として選択したコンポーネントによっては、Access Manager、管理サーバー、および Directory Server への管理者アクセス権をアンインストーラに付与する必要があります。
Application Server 上の Access Manager Web アプリケーションの配備を取り消し、Access Manager スキーマを削除するには、Access Manager の管理者アクセス権が必要です。
アンインストール時に設定ディレクトリを管理する必要がある場合は、管理サーバーと Directory Server の管理者アクセス権が必要です。
次の表は、管理者アクセス権を付与するためにアンインストーラが必要とする情報を示しています。各表の左の列は、指定が必要な情報のグラフィカルモードのラベルと状態ファイルのパラメータを示します。右の列は、その説明です。
表 8–18 必要な管理情報
ラベルと状態ファイルのパラメータ |
説明 |
---|---|
Access Manager | |
管理者ユーザー ID IS_IAS81_ADMIN |
Application Server 管理者のユーザー ID |
管理者パスワード IS_IAS81_ADMINPASSWD |
Application Server 管理者のパスワード。 |
ディレクトリマネージャー DN IS_DIRMGRDN |
Directory Server に対して無制限のアクセス権を持つユーザーの識別名 (DN)。 デフォルト値は cn=Directory Manager です。 |
ディレクトリマネージャーパスワード IS_DIRMGRPASSWD |
ディレクトリマネージャーのパスワード。 |
Administration Server | |
管理者ユーザー ID ADMINSERV_CONFIG_ADMIN_USER |
設定ディレクトリ管理者のユーザー ID。管理サーバーは、この ID を使用して設定ディレクトリのデータを管理します。 |
管理者のユーザーパスワード ADMINSERV_CONFIG_ADMIN_PASSWORD |
設定ディレクトリ管理者のパスワード。 |
Directory Server | |
管理者ユーザー ID CONFIG_DIR_ADM_USER |
設定ディレクトリに対して管理者権限を持つユーザー。このユーザーは、サフィックスの作成や削除など、Directory Server の設定を変更できます。アクセス制御の制約を受けます。 |
管理者パスワード CONFIG_DIR_ADM_PASSWD |
管理者のパスワード。 |
Portal Server | |
管理者パスワード PS_DEPLOY_ADMIN_PASSWORD | |
Access Manager 管理者パスワード PS_IS_ADMIN_PASSWORD | |
Directory Server 管理者パスワード PS_DS_DIRMGR_PASSWORD | |
Directory Server 管理者ドメイン PS_DS_DIRMGR_DN |
「アンインストールの前提条件」の関連作業が完了すると、アンインストーラを実行する準備が整います。ここでは、アンインストーラを使用する 3 とおりの方法を説明します。
uninstall コマンドの構文については、付録 B 「インストールコマンド」を参照してください。
ここでは、対話形式によるグラフィカルインタフェースを使用して、Java ES コンポーネントをアンインストールする方法を説明します。
(オプション) ローカルディスプレイへのアクセスを確保します。
リモートマシンにログインするときは、DISPLAY 環境変数がローカルディスプレイに適した設定になっていることを確認します。DISPLAY 変数が正しく設定されていないと、インストーラはテキストベースモードで実行されます。
C Shell での例 (マシン名は myhost):
setenv DISPLAY myhost:0.0 |
Korn Shell での例 (マシン名は myhost):
DISPLAY=myhost:0.0 |
ローカルディスプレイでインストーラを実行するには、表示権限の付与が必要になる場合があります。たとえば、次のコマンドを使用して、myhost から serverhost のルートユーザーに表示権限を付与することができます。
myhost\> xauth extract - myhost:0.0|rsh -l root serverhost xauth merge - |
このような権限を安全に付与する手順については、『Solaris X Window System 開発ガイド』の「サーバーに対するアクセスの操作」の章を参照してください。
root としてログインしていない場合は、スーパーユーザーになります。
アンインストーラが格納されているディレクトリに移動します。
Solaris OS の場合: /var/sadm/prod/SUNWentsys4
Linux の場合: /var/sadm/prod/sun-entsys4
グラフィカルアンインストーラを起動します。
./uninstall |
「ようこそ」ページが表示されます。
「次へ」をクリックして処理を継続します。
「コンポーネントの選択」ページが表示されます。
コンポーネントを調べて、アンインストールするコンポーネントを選択します。
システムにインストールされて有効になっているコンポーネントを選択できます。システムにインストールされていないコンポーネントは選択できません。
コンポーネントによっては、サブコンポーネントを含むものもあります。それらのコンポーネントを展開すると、対応するサブコンポーネントが表示されます。
サブコンポーネントを含むコンポーネントの選択を解除したときは、コンポーネントを展開し、サブコンポーネントのリストを確認します。
選択内容に問題がなければ、「次へ」をクリックします。
アンインストーラが削除対象として選択された製品間の依存関係を認識し、設定データが失われる可能性が検出された場合には、警告メッセージが出力されます。次のいずれかを選択できます。
削除を指定したコンポーネントによっては、アンインストーラから管理者 ID とパスワードが要求されます。アンインストーラで入力する必要のある情報の詳細については、「アンインストーラ用の管理者アクセス権の付与」を参照してください。
それに加えて、ポート番号またはホスト名の入力を求められる場合もあります。
アンインストーラは、削除対象として選択されたコンポーネントと再利用可能になるディスク容量の合計を一覧表示します。
アンインストールの選択内容を確認します。
選択内容に問題がなければ、「次へ」をクリックします。
アンインストーラはシステムからのソフトウェアの削除を開始し、次の情報を表示します。
現在削除中のパッケージの名前
全体的な完了割合を示す進捗状況バー
すべてのコンポーネント製品ソフトウェアの削除が完了すると、アンインストーラは「アンインストールが完了しました」ページを表示します。
「サマリーの表示」ボタンまたは「アンインストールログの表示」ボタンをクリックすると、アンインストールに関する情報が表示されます。
アンインストールサマリー: アンインストールされたコンポーネントおよびそれらのコンポーネントの設定情報がリストされます。
アンインストールログ: アンインストール時にアンインストーラが出力したすべてのメッセージが表示されます。
アンインストールのサマリーファイルとログファイルは、次の場所でも確認できます。
Solaris OS の場合: /var/sadm/install/logs
Linux の場合: /var/opt/sun/install/logs
「閉じる」をクリックしてアンインストーラを終了します。
Access Manager または Messaging Server をインストールした場合は、「アンインストール後の作業」に進みます。
テキストベースインタフェースを使用すると、端末ウィンドウ内に表示されるプロンプトに順次応答することで、端末ウィンドウからアンインストーラを直接実行できます。
アンインストール時のテキストベースの入力要求については、「テキストベースのインタフェースの使用方法」を参照してください。
アンインストール中に問題が発生した場合は、第 9 章「トラブルシューティング」を参照してください。
root としてログインしていない場合は、スーパーユーザーになります。
アンインストーラのディレクトリに移動します。
Solaris OS の場合: /var/sadm/prod/SUNWentsys4
Linux の場合: /var/sadm/prod/sun-entsys4
アンインストーラを実行します。
./uninstall -nodisplay |
「ようこそ」というメッセージが表示され、システムにインストールされているすべての使用可能な Java ES コンポーネントがリスト表示されます。
アンインストーラは、システム内で検出したインストール済みの Java ES コンポーネントすべてに番号を付けてリストし、削除対象として選択します。Return キーを押して、すべてのコンポーネントをアンインストールします。
または、アンインストールするコンポーネントに対応する番号をコンマで区切ってリストにし、アンインストールするコンポーネントを指定して、Return キーを押します。
システムにインストールされていないコンポーネントは無効になっており、選択できません。
アンインストーラは、削除対象として選択された製品間にコンポーネントの依存関係を検出すると、設定データが失われる可能性があることを知らせる警告メッセージが表示されます。次のいずれかを選択できます。
アンインストーラが管理者 ID とパスワードを必要とするコンポーネントを選択した場合は、管理者 ID とパスワードが要求されます。
アンインストーラで入力する必要のある情報の詳細については、「アンインストーラ用の管理者アクセス権の付与」を参照してください。
削除対象として選択したコンポーネントによっては、ポート番号またはホスト名の入力を求められる場合もあります。
アンインストーラは、ソフトウェアをシステムから削除する前に、サマリーページを表示します。 このページには、削除対象として選択されたコンポーネントが表示されます。
選択内容を確認します。
選択内容に問題がなければ、数値 1 を入力し、Return キーを押します。
アンインストーラは、システムからのソフトウェアの削除を開始します。アンインストール時に、アンインストーラは全体的な完了割合を示す進捗状況バーを表示します。
すべてのコンポーネントソフトウェアが削除されたら、アンインストールサマリーおよびログを表示することができます。
1 または 2 を入力し、Return キーを押してアンインストールに関する情報を表示します。
アンインストールサマリー: 1 を入力すると、アンインストールされたコンポーネントおよびそれらのコンポーネントの設定情報がリストされます。
アンインストールログ: 2 を入力すると、アンインストール時にアンインストーラが出力したすべてのメッセージがリストされます。
アンインストールのサマリーファイルとログファイルは、次の場所でも見ることができます。
Solaris OS の場合: /var/sadm/install/logs
Linux の場合: /var/opt/sun/install/logs
! 文字を入力して、アンインストーラを終了します。
Access Manager または Messaging Server をアンインストールした場合は、「アンインストール後の作業」に進みます。
サイレントアンインストールは、設定内容が似ている複数のホスト上の Java ES コンポーネントをアンインストールする場合に便利です。サイレントモードでのアンインストール手順は、第 5 章「サイレントモードでのインストール」で説明したサイレントモードでのインストール手順に似ています。
サイレントアンインストールを実行するには、まずグラフィカルモードまたはテキストベースモードで false を指定してアンインストールを実行し、状態ファイルを生成する必要があります。「状態ファイルの生成」を参照してください。
root としてログインしていない場合は、スーパーユーザーになります。
アンインストーラのディレクトリに移動します。
Solaris OS の場合: /var/sadm/prod/SUNWentsys4
Linux の場合: /var/sadm/prod/sun-entsys4
アンインストーラのグラフィカルインタフェースを使用する場合は、ローカルディスプレイへのアクセスを確保します。「グラフィカルモードでのアンインストーラの実行」を参照してください。
サイレントモードでアンインストーラを実行します。次に例を示します。
グラフィカルモードの場合:
./uninstall -no -saveState statefile_path |
テキストベースモードの場合:
./uninstall -no -nodisplay -saveState statefile_path |
uninstall コマンドの完全な構文については、「アンインストールコマンド」を参照してください。
アンインストーラを最後まで実行します。
ユーザーが入力要求に応答するたびに、アンインストーラはその内容を指定された状態ファイルに記録します。アンインストールが完了すると、指定した場所に状態ファイルが保存されます。ソフトウェアのアンインストールは行われません。
サイレントアンインストールを実行するホストごとに、状態ファイルのコピーを作成します。
各ファイルを編集して、サイレントアンインストールを実行するホストに固有の情報を設定します。
状態ファイルを編集する際の指針については、「状態ファイルの編集」を参照してください。状態ファイルの編集には状態ファイル ID の生成も含まれます。これについては、「プラットフォームに適した状態ファイル ID の作成」を参照してください。
Java ES コンポーネントをアンインストールするホストの状態ファイルが適切に準備され、編集されていることを確認します。
端末ウィンドウを開きます。
root としてログインしていない場合は、スーパーユーザーになります。
アンインストーラのディレクトリに移動します。
Solaris OS の場合: /var/sadm/prod/SUNWentsys4
Linux の場合: /var/sadm/prod/sun-entsys4
アンインストーラを起動します。次に例を示します。
./uninstall -noconsole -state statefile_path |
uninstall コマンドの完全な構文については、「アンインストールコマンド」を参照してください。
端末ウィンドウで、ログファイルのディレクトリに移動します。
Solaris OS の場合: /var/sadm/install/logs
Linux の場合: /var/opt/sun/install/logs
現在のアンインストールに関するログファイルを探します。監視対象のログファイルは、次のとおりです。
Java_Enterprise_System_uninstall.Btimestamp |
timestamp 変数は、ログの作成時刻を表します。変数は MMddhhmm 形式で指定します。 各表記の意味は次のとおりです。
MM |
月を示す |
dd |
日付を示す |
hh |
時間を示す |
mm |
分を示す |
tail コマンドを使用して、ログに書き込まれるメッセージを監視します。次に例を示します。
tail -f logfile_name |
tail プログラムを終了するには、Ctrl+C キーを押します。
Sun Cluster ソフトウェアがインストールされているが、クラスタノードの設定に一度も使用されていない場合を除き、Sun Cluster ソフトウェアの削除には Java ES アンインストーラを使用しないでください。Sun Cluster ソフトウェアのアンインストールには、Sun Cluster ソフトウェアのインストール時に提供されるユーティリティーを使用します。Sun Cluster Core と Sun Java System 用 Sun Cluster エージェントは、同時に削除する必要があります。Sun Cluster ソフトウェアの設定解除およびアンインストールの詳細については、『Sun Cluster Software Installation Guide for Solaris OS』を参照してください。
Sun Cluster ソフトウェアを手動でアンインストールしたら、Java ES アンインストーラを実行して Sun Cluster と Sun Cluster エージェントを製品レジストリから削除します。
ここでは、システムから Java ES コンポーネントをアンインストールしたあとで実行が必要となる作業について説明します。実際に必要となる作業は、アンインストールしたコンポーネントによって異なります。
Access Manager はアンインストールしたが、その Web コンテナ (Application Server または Web Server) はアンインストールしなかった場合、Access Manager が配備されていたインスタンスに対して設定変更を適用する必要があります。
場合によっては、アンインストーラでは Access Manager ファイルの一部またはすべてが削除されないことがあります。その場合は、次の 2 つのディレクトリとその内容を削除して、最終的なクリーンアップを行います。
/opt/SUNWam
Access Manager がデフォルトの場所にインストールされなかった場合:
AccessManager_base/SUNWam
Access Manager はアンインストールしたが、その配備先の Application Server はアンインストールしなかった場合、次の手順を実行する必要があります。
必要に応じて Application Server の管理インスタンスを起動します。たとえば、Solaris ホストの場合は次のようにします。
cd /opt/SUNWappserver/appserver/bin./asadmin start-domain --user admin_user --passwordfile path_to_admin-password_file domainname
ブラウザから Application Server の管理コンソールにアクセスします。デフォルトの URL は、https://hostname:4849 です。
左の区画で、「アプリケーションサーバーインスタンス」の左の鍵をクリックします。
サーバーまたは Access Manager が配備されていた Application Server インスタンスの名前を選択します。
「Apply Changes」をクリックします。
場合によっては、アンインストーラではインストールファイルの一部またはすべてが削除されないことがあります。最終的なクリーンアップを行うには、Messaging Server のベースディレクトリとその内容を削除します。デフォルトのベースディレクトリは、次の場所です。
/opt/SUNWmsgsr
また、次の場所にある Messaging Server の設定ディレクトリも削除できます。
/var/opt/SUNWmsgsr
Messaging Server をアンインストールしたあと、Messaging Server 用の sendmail の設定をすべて元に戻してください。
場合によっては、アンインストーラではインストールファイルの一部またはすべてが削除されないことがあります。最終的なクリーンアップを行うには、次の場所にある Service Registry のベースディレクトリとその内容を削除します。
Solaris OS の場合: /opt/SUNWsoar
Linux の場合: /opt/sun/SUNWsoar
Service Registry データベースが格納されたディレクトリは、レジストリのアンインストール時に削除されません。
Solaris OS の場合: /var/opt/SUNWsoar
Linux の場合: /var/opt/sun/SUNWsoar
必要であれば、このディレクトリを手動で削除してもかまいません。ただし、このデータベースを保存しておき、将来のインストール時やリリース時に使用するには、レジストリの再インストール前に次のディレクトリを別の場所にコピーし、再インストール後にそれを元の場所にコピーして戻します。
Solaris OS の場合: /var/opt/SUNWsoar/3.0
Linux の場合: /var/opt/sun/SUNWsoar/3.0
Access Manager はアンインストールしたが、その配備先の Web Server はアンインストールしなかった場合、次の手順を実行する必要があります。