アンインストーラを使用する場合は、データが紛失したり相互依存関係が消失したりしないように、事前にインストール状況を調査して、作業手順の計画を立てる必要があります。各種 Java ES コンポーネントをアンインストールしたときに、残るコンポーネントがどのように動作するかを理解しておくことは重要です。
ここで説明する内容は、次のとおりです。
各ホストにすでにインストールされている Java ES コンポーネントソフトウェアを確認するには、次のいずれかの手順を実行します。
root として、アンインストーラが格納されているディレクトリに移動します。
Solaris OS の場合: /var/sadm/prod/SUNWentsys4
Linux の場合: /var/sadm/prod/sun-entsys4
ローカルシステムを調査するために、ソフトウェアをアンインストールしない設定でアンインストーラを実行します。
グラフィカルモードの場合:
./uninstall -no |
テキストベースモードの場合:
./uninstall -no -nodisplay |
uninstall コマンドの完全な構文については、「アンインストールコマンド」を参照してください。
インストールされている製品のリストが表示されるまでアンインストーラのページを切り替えます。
インストールされているコンポーネントのリストを確認したら、アンインストーラを終了します。
ソフトウェアのアンインストールは行われません。
prodreg ユーティリティーを使用して、Java ES コンポーネントを含む、システムにインストールされているすべてのパッケージに関する情報を表示することができます。
この情報は、コンポーネントの依存関係を調べる場合に便利です。また、prodreg ユーティリティーは、インストールが不完全で、特別な処理が必要なパッケージも示します。Solaris 10 および Solaris 9 オペレーティングシステム、および一部のバージョンの Solaris 8 オペレーティングシステムでは、次を実行してこのユーティリティーを起動します。
prodreg
詳細については、prodreg のマニュアルページを参照してください。
以下の中から関係のある表を調べて、アンインストーラが各 Java ES コンポーネントに対して行う内容を確認してください。さらに、作業手順の計画を立てて、データが紛失したり相互依存関係が消失したりすることがないようにします。
ここで説明する内容は、次のとおりです。
項目 |
詳細 |
---|---|
設定データ |
|
依存 |
Directory Server |
このインストールを必要とする製品 |
Directory Proxy Server と Messaging Server には、管理サーバーが必要です。設定によっては、Directory Server にも管理サーバーが必要です。 注: 管理サーバーを削除し、Directory Server を削除しなかった場合、Directory Server に付属するその他のユーティリティーを使用して Directory Server を管理する必要があります。詳細については、Directory Server のマニュアル (http://docs.sun.com/coll/DirectoryServer_05q4_ja) を参照してください。 |
アンインストール前の作業 |
設定 Directory Server が稼働していることを確認し、管理者ユーザー ID とパスワードを指定できるように準備します。 |
アンインストール後の作業 |
なし |
項目 |
詳細 |
---|---|
設定データとユーザーデータ |
|
依存 |
同一システム上に Message Queue が必要です。 |
このインストールを必要とする製品 |
|
アンインストール前の作業 |
設定データを保存するために、管理ドメインディレクトリのコピーを作成します。 |
アンインストール後の作業 |
システムから Application Server を完全に削除するために、残っている Application Server のログファイルとディレクトリを削除します。Application Server ディレクトリのデフォルトの場所は次のとおりです。 Solaris OS の場合: /var/opt/SUNWappserver /opt/SUNWappserver Linux の場合: /var/opt/sun/appserver /opt/sun/appserver Message Queue のアンインストール後の作業については、「Message Queue のアンインストール動作」を参照してください。 |
項目 |
詳細 |
---|---|
設定データとユーザーデータ |
設定データとユーザーデータはアンインストール時には削除されず、以後のインストール時に上書きされます。 Calendar Server のカスタマイズ情報はアンインストール時に削除されます。 |
依存 |
|
このインストールを必要とする製品 |
|
アンインストール前の作業 |
設定データやユーザーデータの再利用を予定している場合は、『Sun Java System Calendar Server 6 2005Q4 Administration Guide』に記載されている移行手順に従ってください。 |
アンインストール後の作業 |
不要なログファイルと Calendar Server ディレクトリを削除します。 |
項目 |
詳細 |
---|---|
設定データとユーザーデータ |
すべての設定データ、ユーザーデータ、UI カスタマイゼーションは、アンインストール後も維持されます。 Communications Express ファイルは、次の 2 つの場所に保持されます。 デフォルトのパッケージインストール: Solaris OS の場合: /opt/SUNWuwc Linux の場合: /opt/sun/uwc 設定時にデフォルトで作成されるアプリケーション配備: Solaris OS の場合: /var/opt/SUNWuwc Linux の場合: /var/opt/sun/uwc Communications Express をアンインストールすると、アンインストーラはパッケージインストールの場所だけからデータを削除します。アプリケーション配備の場所にあるデータは、そのまま残されます。アプリケーション配備の場所からアプリケーションにアクセスすることができます。 ただし、すべての設定データと UI カスタマイゼーションは再設定時に上書きされます。ユーザーデータは再設定後もそのまま維持されます。 |
依存 |
|
このインストールを必要とする製品 |
なし |
アンインストール前の作業 |
Communications Express を設定解除します。『Sun Java System Communications Express 6 2005Q4 Administration Guide』の「Communications Express の設定解除」の節を参照してください。 |
アンインストール後の作業 |
不要なログファイルと Communications Express ディレクトリを削除します。 |
項目 |
詳細 |
---|---|
設定データ |
設定データとユーザーデータはアンインストール時に削除されません。このデータは以降のインストール時に上書きされます。 Delegated Administrator へのカスタマイズはアンインストール時に削除されます。 |
依存 |
|
このインストールを必要とする製品 |
なし |
アンインストール前の作業 |
設定データやユーザーデータの再利用を予定している場合は、『Sun Java System Communications Services 6 2005Q4 Delegated Administrator Guide』の「Preserve an Existing Configuration」を参照してください。 |
アンインストール後の作業 |
不要なログファイルと Delegated Administrator ディレクトリを削除します。 |
項目 |
詳細 |
---|---|
設定データとユーザーデータ |
設定ディレクトリをホストする Directory Server をアンインストールする場合、設定ディレクトリの情報はアンインストール時に削除されます。ユーザーデータをホストする Directory Server をアンインストールする場合、Directory Server の LDAP データベースはアンインストール時に削除されます。 注: データの損失を避けるために、アンインストール前に Directory Server 情報をバックアップする必要があります。Directory Server には、Directory Server をバックアップしたり、設定データを移行したりするためのツールやユーティリティーが、いくつか用意されています。詳細については、Directory Server のマニュアル (http://docs.sun.com/coll/DirectoryServer_05q4_ja) を参照してください。 注: o=NetscapeRoot サフィックスの下にある、設定情報を含む設定ディレクトリをアンインストールする場合、警告は出力されません。その他のディレクトリの設定情報も含む中央の設定ディレクトリをアンインストールすると、アンインストール後にそれらのディレクトリを管理できなくなります。 |
依存 |
なし |
このインストールを必要とする製品 |
|
アンインストール前の作業 |
|
アンインストール後の作業 |
Directory Server のアンインストールでは、残りのファイルとディレクトリの手動削除が必要となる場合があります。 |
項目 |
詳細 |
---|---|
設定データとユーザーデータ |
すべての設定データとカスタマイズ情報はアンインストール後も残されるため、以後のインストールで再利用できます。 |
依存 |
|
このインストールを必要とする製品 |
|
アンインストール前の作業 |
なし |
アンインストール後の作業 |
状況によっては、「Messaging Server インストール後」に記載されているアンインストール後作業が必要になる場合があります。 |
項目 |
詳細 |
---|---|
設定データ |
インスタンスに固有の設定データ、ユーザーリポジトリ、およびアクセス制御ファイルはアンインストール後も残され、以後の再インストール時に再利用できます。 |
依存 |
Directory Server (オプション) |
このインストールを必要とする製品 |
Application Server (Message Queue と同じホストに存在する必要がある) |
アンインストール前の作業 |
|
アンインストール後の作業 |
Message Queue の再インストールを予定していない場合は、コンポーネントのマニュアルで説明されているコマンドを実行してシステムをクリーンアップします。Message Queue のマニュアルは、次の場所から入手できます。http://docs.sun.com/coll/MessageQueue_35_SP1_ja |
項目 |
詳細 |
---|---|
設定データとユーザーデータ |
|
依存 |
Portal Server のチャネルを使用するように設定されている場合:
|
このインストールを必要とする製品 |
なし |
アンインストール前の作業 |
なし |
アンインストール後の作業 |
|
レジストリ設定プロセスは、レジストリデータベースおよびサーバーキーストアを次のディレクトリ内にインストールします。
Solaris OS の場合: /var/opt/SUNWsoar
Linux の場合: /var/opt/sun/SUNWsoar
このディレクトリは、Service Registry をアンインストールしても削除されません。このため、必要であればそのデータベースを保存しておき、将来のインストール時やリリース時に使用することもできます。そうするには、レジストリの再インストール前に Solaris OS の場合は /var/opt/SUNWsoar/3.0 ディレクトリを、Linux の場合は /var/opt/sun/SUNWsoar/3.0 を別の場所にコピーし、再インストール後にそれを元の場所にコピーして戻します。
項目 |
詳細 |
---|---|
設定データ |
インストールされてはいるが、クラスタノードの設定に一度も使用されていない Sun Cluster ソフトウェアを除き、Sun Cluster ソフトウェアの削除には Java Enterprise System アンインストーラを使用しないでください。詳細については、「Sun Cluster ソフトウェアのアンインストール」を参照してください。 |
依存 |
Sun Cluster コアと Sun Cluster エージェントは、同時に削除する必要があります。 |
このインストールを必要とする製品 |
なし |
アンインストール前の作業 |
Sun Cluster ソフトウェアのアンインストールには、Sun Cluster のインストール時に提供されるユーティリティーだけを使用します。 |
アンインストール後の作業 |
Sun Cluster ソフトウェアのアンインストール後に、productregistry ファイルのアップデートが必要になる場合があります。詳細については、「Sun Cluster ソフトウェアのアンインストール」を参照してください。 |
項目 |
詳細 |
---|---|
設定データ |
インストール場所の下にある alias ディレクトリ内の証明書データベースファイルのみが維持されます。その他のファイルはすべて削除されます。 |
依存 |
Directory Server (省略可能。外部 LDAP アクセス制御が選択された場合) |
アンインストール前の作業 |
Web Proxy Server のすべてのインスタンスを停止します。 |
アンインストール後の作業 |
WebProxyServer-base/alias ディレクトリの下に証明書データベースが保存されています。再インストールを実行する前に、この証明書データベースを移動し、古いインストールディレクトリを削除する必要があります。 |
アンインストール対象として選択したコンポーネントによっては、Access Manager、管理サーバー、および Directory Server への管理者アクセス権をアンインストーラに付与する必要があります。
Application Server 上の Access Manager Web アプリケーションの配備を取り消し、Access Manager スキーマを削除するには、Access Manager の管理者アクセス権が必要です。
アンインストール時に設定ディレクトリを管理する必要がある場合は、管理サーバーと Directory Server の管理者アクセス権が必要です。
次の表は、管理者アクセス権を付与するためにアンインストーラが必要とする情報を示しています。各表の左の列は、指定が必要な情報のグラフィカルモードのラベルと状態ファイルのパラメータを示します。右の列は、その説明です。
表 8–18 必要な管理情報
ラベルと状態ファイルのパラメータ |
説明 |
---|---|
Access Manager | |
管理者ユーザー ID IS_IAS81_ADMIN |
Application Server 管理者のユーザー ID |
管理者パスワード IS_IAS81_ADMINPASSWD |
Application Server 管理者のパスワード。 |
ディレクトリマネージャー DN IS_DIRMGRDN |
Directory Server に対して無制限のアクセス権を持つユーザーの識別名 (DN)。 デフォルト値は cn=Directory Manager です。 |
ディレクトリマネージャーパスワード IS_DIRMGRPASSWD |
ディレクトリマネージャーのパスワード。 |
Administration Server | |
管理者ユーザー ID ADMINSERV_CONFIG_ADMIN_USER |
設定ディレクトリ管理者のユーザー ID。管理サーバーは、この ID を使用して設定ディレクトリのデータを管理します。 |
管理者のユーザーパスワード ADMINSERV_CONFIG_ADMIN_PASSWORD |
設定ディレクトリ管理者のパスワード。 |
Directory Server | |
管理者ユーザー ID CONFIG_DIR_ADM_USER |
設定ディレクトリに対して管理者権限を持つユーザー。このユーザーは、サフィックスの作成や削除など、Directory Server の設定を変更できます。アクセス制御の制約を受けます。 |
管理者パスワード CONFIG_DIR_ADM_PASSWD |
管理者のパスワード。 |
Portal Server | |
管理者パスワード PS_DEPLOY_ADMIN_PASSWORD | |
Access Manager 管理者パスワード PS_IS_ADMIN_PASSWORD | |
Directory Server 管理者パスワード PS_DS_DIRMGR_PASSWORD | |
Directory Server 管理者ドメイン PS_DS_DIRMGR_DN |