Sun Java Enterprise System 2005Q4 配備計画ガイド

保守性要件

保守性は、システムの監視、発生した問題の解決、システムに対するユーザーの追加および削除、ハードウェアおよびソフトウェアコンポーネントのアップグレードなどのタスクを含め、配備されたシステムの保守の容易さを意味します。

保守性の要件を計画するときは、次の表に示される事項を考慮します。

表 3–6 保守性要件について考慮すべき事項

項目 

説明 

停止時間の計画 

特定のサービスが利用できなくなる、または部分的に利用できなくなる保守作業を特定します。 

ユーザーに対してシームレスに行われる保守とアップグレードもありますが、サービスの中断を必要とするものもあります。ユーザーが事前に停止時間に備えることができるように、可能であれば、停止時間を必要とする保守作業についてユーザーと共同で予定を立てます。 

使用パターン 

使用パターンを特定して、保守を予定するのに最も適した時間帯を決定します。 

たとえば、通常のピーク利用が一般的な業務時間帯であるシステムの場合、夜または週末に保守を予定します。地理的に分散したシステムの場合、この時間帯の特定はより困難になります。 

可用性 

多くの場合、可用性の設計は保守性に反映されます。保守とアップグレードのための停止時間を最小化する戦略は、可用性戦略を中心に展開されます。高度な可用性を必要とするシステムでは、保守、アップグレード、修復のための機会は限られています。 

可用性要件に対処するための戦略は、保守やアップグレードの処理に影響します。たとえば、地理的に分散したシステムでは、サービスの可用性は、保守期間中のリモートサーバーへの作業負荷のルーティング機能に依存します。 

また、高度な可用性を必要とするシステムは、人的な介入をほとんど必要とせずに、システムを自動的に再起動する、より洗練されたソリューションを必要とします。 

診断と監視 

診断ツールと監視ツールを定期的に実行して問題領域を特定することで、システムの安定性を向上できます。 

定期的なシステムの監視により、発生前に問題を回避したり、可用性戦略に基づく作業負荷のバランスに役立てたりすることができます。 また、保守と停止時間の計画も改善されます。