Sun Java ロゴ     前へ      目次      索引      次へ     

Sun ロゴ
Sun Java System Message Queue 3 2005Q4 管理ガイド 

第 17 章
JMS リソースアダプタのプロパティーのリファレンス

Message Queue の JMS リソースアダプタ (JMS RA) では、標準的な J2EE コネクタアーキテクチャー (JCA) により、Sun Java System Message Queue を任意の J2EE 1.4 アプリケーションサーバーと統合できます。Message Queue の JMS リソースアダプタをアプリケーションサーバーに組み込むと、そのアプリケーションサーバーに配置したアプリケーションでは、Message Queue を使用して JMS メッセージを送受信できるようになります。

Message Queue の JMS リソースアダプタでは、次の 3 つの JavaBean コンポーネントを介して設定プロパティーが公開されます。

これらのエンティティーのプロパティー値を設定するには、リソースアダプタの設定用と配置用、および MDB の配置用にアプリケーションサーバーによって提供されるツールを使用します。

この章では、Message Queue の JMS リソースアダプタの設定プロパティーを一覧表示して説明します。この章は、次の節から構成されています。


ResourceAdapter JavaBean

ResourceAdapter 設定では、JMS リソースアダプタのデフォルト動作を設定します。表 17-1 で、この JavaBean を設定するためのプロパティーを一覧表示して説明します。必須プロパティーには脚注マークが付いています。

表 17-1 リソースアダプタのプロパティー 

プロパティー

デフォルト値

説明

addressList1

mq://localhost:7676
   /jms

リソースアダプタが Message Queue サービスに対して作成する接続。メッセージサービスのアドレス形式で指定します。

リソースアダプタによってデフォルト値が提供されます。

このプロパティー名 addressList は、Sun Java System Message Queue に固有ですが、標準プロパティー connectionURL と同じ意味です。Sun Java System Message Queue では、両方のプロパティー名が提供されます。connectionURLaddressList のどちらかを設定してください。この 2 つは同じものです。

addressListBehavior

PRIORITY

リソースアダプタが Message Queue サービスに接続する方法を指定する文字列。値は、PRIORITYRANDOM です。

PRIORITY 接続では、アドレスリスト addressList に指定した最初のものが選択されて Message Queue ブローカが選択されます。

RANDOM 接続では、アドレスリストから Message Queue ブローカがランダムに選択されます。

接続障害後の再接続は、PRIORITY RANDOM で同じです。再接続の試行は、接続がエラーになったブローカから始まります。その試行がエラーになった場合、リソースアダプタはアクティブなアドレスリストを順番に処理します。

addressListIterations

1

アドレスリストを繰り返す回数。この値は、最初の接続、およびその後の再接続の試行に適用されます。

connectionURL

mq://localhost:7676
   /jms

 

リソースアダプタが Message Queue サービスに対して作成する接続。メッセージサービスのアドレス形式で指定します。

addressList プロパティーと同じです。詳細については、前述の説明を参照してください。

userName1

guest

リソースアダプタが Message Queue サービスに接続するときに使用するデフォルトユーザー名。

リソースアダプタによってデフォルト値が提供されます。

password1

guest

リソースアダプタが Message Queue サービスに接続するときに使用するデフォルトパスワード。

リソースアダプタによってデフォルト値が提供されます。

reconnectAttempts

6

アドレスリストの 1 つのエントリに再接続を試す回数。reconnectEnabledtrue に設定すると、このプロパティーが使用されます。

reconnectEnabled

false

接続障害後に再接続を試すかどうかを指定するブール値。

再接続の動作の試行は、reconnectIntervalreconnectAttempts の値によって制御されます。

reconnectInterval

30000

再接続を試す間隔 (ミリ秒単位)。reconnectEnabledtrue に設定すると、このプロパティーが使用されます。

1このプロパティーは必須です。


ManagedConnectionFactory JavaBean

管理対象接続ファクトリでは、リソースアダプタがメッセージ駆動型 Bean に提供する接続の提供と定義を行います。ResourceAdapter JavaBean に類似の属性がある属性を設定した場合、その設定は、ResourceAdapter Bean に指定した類似値より優先されます。

表 17-2 で、Message Queue リソースアダプタによって提供される管理対象接続ファクトリについて設定可能な属性を一覧表示して説明します。

表 17-2 管理対象接続ファクトリの属性 

属性

デフォルト値

説明

addressList

なし

この管理対象接続ファクトリから派生した接続のリスト。

この属性の形式は、表 17-1 で説明したメッセージサービスの addressList と同じです。この値を設定しない場合は、前の表で説明した ResourceAdapter JavaBean に指定した addressList の値が接続で使用されます。

addressListBehavior

PRIORITY

リソースアダプタが Message Queue サービスに接続する方法を指定する文字列。値は、PRIORITYRANDOM です。

PRIORITY 接続では、アドレスリスト addressList に指定した最初のものが選択されて Message Queue ブローカが選択されます。

RANDOM 接続では、アドレスリストから Message Queue ブローカがランダムに選択されます。

接続障害後の再接続は、PRIORITY RANDOM で同じです。再接続の試行は、接続がエラーになったブローカから始まります。その試行がエラーになった場合、その接続ではアクティブなアドレスリストが順番に処理されます。

addressListIterations

1

アドレスリストを繰り返す回数。この値は、最初の接続、およびその後の再接続の試行に適用されます。

clientID

なし

この管理対象接続ファクトリから派生した接続に使用するクライアント識別子。

password

guest

(任意指定) 接続のパスワード。

この値を設定しない場合は、表 17-1 で説明した ResourceAdapter JavaBean に指定したパスワードが接続で使用されます。

reconnectAttempts

6

アドレスリストの 1 つのエントリに再接続を試す回数。

reconnectEnabled

false

接続の障害後に再接続を試すか新しい接続を試すかを指定するブール値。

再接続の試行は、reconnectInterval 属性と reconnectAttempts 属性によって制御されます。

reconnectInterval

30000

Message Queue サービスへの再接続を試すまでに待機する最小ミリ秒数。

userName

guest

(任意指定) 接続のユーザー名。

この値を設定しない場合は、表 17-1 で説明した ResourceAdapter JavaBean に指定したユーザー名が接続で使用されます。


ActivationSpec JavaBean

アプリケーションサーバーは、ActivationSpec JavaBean のプロパティーを使用して、メッセージ終端をアクティブにしてメッセージ終端とメッセージ駆動型 Bean を関連付けるようにリソースアダプタに命令します。

表 17-3 で、メッセージ終端のアクティブ化仕様について設定可能な属性を一覧表示して説明します。この表では、Message Queue のリソースアダプタに固有のプロパティー、および Enterprise JavaBean 2.1 標準か J2EE Connector Architecture (J2EE CA) 1.5 標準に固有のプロパティーについて説明します。

表 17-3 アクティブ化仕様のプロパティー 

プロパティー

デフォルト値

説明

acknowledgeMode

Auto-acknowledge

(任意指定) コンシューマに使用する JMS セッション通知モード。

これは、標準的な EJB 2.1 と J2EE CA 1.5 のプロパティーです。

値は、Auto-acknowledgeDups-ok-acknowledge にすることができます。

addressList

ResourceAdapter JavaBean 設定の addressList から継承

(任意指定) メッセージ終端に代わってリソースアダプタが作成する接続の仕様。

このプロパティーは Message Queue JMS リソースアダプタに固有です。

有効な値は、メッセージサービスの接続アドレス構文に従う必要があります。

clientId

なし

このコンシューマ用に作成された JMS 接続によって使用される JMS クライアント ID。

subscriptionDurability プロパティーを Durable に設定した場合は、このプロパティーを設定する必要があります。

これは、標準的な EJB 2.1 と J2EE CA 1.5 のプロパティーです。

customAcknowledgeMode

なし

MDB メッセージの消費のモードを指定する文字列。

このプロパティーの有効な値は、No_acknowledge か NULL です。

No_acknowledge モードは、処理済みでも永続的でもないトピックサブスクリプションのみに使用できます。処理済みサブスクリプションか永続サブスクリプションでこの設定を使用すると、サブスクリプションのアクティブ化はエラーになります。

destination

なし

この MDB がメッセージを消費する送信先の名前。

これは必須のプロパティーです。標準的な EJB 2.1 と J2EE CA 1.5 のプロパティーです。

Message Queue の送信先管理対象オブジェクトの destinationName プロパティーの値に設定する必要があります。

destinationType

なし

destination プロパティーで指定した送信先のタイプ。有効な値は、javax.jms.Queuejavax.jms.Topic です。

これは必須のプロパティーです。標準的な EJB 2.1 と J2EE CA 1.5 のプロパティーです。

endpointExceptionRedelivery
Attempts

6

メッセージ配信中に MDB で例外がスローされたとき、MDB にメッセージを再配信する回数。

messageSelector

なし

(任意指定) コンシューマに配信されるメッセージのフィルタリングに使用する JMS メッセージセレクタ。値のタイプは String です。

これは、標準的な EJB 2.1 と J2EE CA 1.5 のプロパティーです。

sendUndeliverableMsgsToDMQ

true

MDB で実行時例外がスローされ、再配信回数が endpointExceptionRedeliveryAttempts の値を超えたとき、デッドメッセージキューにメッセージを配置するかどうかを指定するブール値。

false に設定した場合、Message Queue ブローカは、同一 MDB も含めた有効なコンシューマにメッセージを再配信しようとします。

subscriptionDurability

NonDurable

トピック送信先のコンシューマが永続的であるかどうかを指定する文字列。値は、NonDurableDurable にすることができます。

このプロパティーは、永続的でないサブスクリプションでは任意指定であり、永続サブスクリプションでは必須です。この値を Durable に設定した場合は、clientID プロパティーと subscriptionName プロパティーも設定する必要があります。

標準的な EJB 2.1 と J2EE CA1.5 のプロパティーであり、destinationType プロパティーを avax.jms.Topic に設定した場合にのみ有効です。

subscriptionName

なし

永続サブスクリプションの指定に使用する文字列。

subscriptionDurability プロパティーを Durable に設定した場合は、このプロパティーを設定する必要があります。

これは、標準的な EJB 2.1 と J2EE CA 1.5 のプロパティーです。



前へ      目次      索引      次へ     


Part No: 819-3560.   Copyright 2005 Sun Microsystems, Inc. All rights reserved.