csresource ユーティリティーは、会議室や機器など、LDAP エントリとリソースのカレンダを作成および管理します。csresource ユーティリティーは、リソースに関連付けられているカレンダだけに対して使用でき、ユーザーのカレンダに対して実行した場合はエラーが返されます。次のコマンドがあります。
create: 指定したカレンダ ID (calid) の新しいリソースを追加する
delete: 指定したリソースまたはすべてのリソースを削除する
disable: 指定したリソースまたはすべてのリソースを無効にする
enable: 指定したリソースまたはすべてのリソースを有効にする
list: 指定したリソースまたはすべてのリソースを表示する
このユーティリティーは、Calendar Server がインストールされているマシンでローカルに実行する必要があります。
Calendar Server は稼動中でも停止していてもかまいません。
インストール時に指定した Calendar Server の実行ユーザーまたはグループ (icsuser、icsgroup など)、または root としてログインする必要があります。
csresource [-q|-v] [-a aces] [-b basedn] [-d domain] [-t description] [-k yes|no] [-o owner] [-y otherowners] -m email -c calid create common_name csresource [-q|-v] [-b basedn] [-d domain] delete|disable|enable [common_name] csresource [-q|-v] [-b basedn] [-d domain] [-h host] list [common_name] |
次の表は、csresource ユーティリティーで使用できるコマンドを示しています。
表 D–28 csresource ユーティリティーのコマンド
コマンド |
説明 |
---|---|
create common_name |
指定したカレンダ ID の新規リソースを作成します。 |
delete [common_name] |
指定したリソースを削除します。common_name を指定しない場合は、すべてのリソースが削除されます。 |
enable [common_name] |
指定したリソースを有効にします。common_name を指定しない場合は、すべてのリソースが有効化されます。 |
disable [common_name] |
指定したリソースを無効にします。common_name を指定しない場合は、すべてのリソースが無効化されます。 |
list [common_name] |
指定したリソースカレンダを表示します。name を指定しない場合は、すべてのリソースカレンダが表示されます。 -h host オプションが指定されている場合、そのバックエンドサーバー上の指定のリソースカレンダ (またはすべてのリソースカレンダ) のカレンダ属性が表示されます。 |
上のいずれかのコマンドで name に空白文字が含まれる場合は、引用符 (" ") で囲む必要があります。
次の表は、csresource ユーティリティーのコマンドオプションを示しています。
表 D–29 csresource ユーティリティーのコマンドオプション
オプション |
説明 |
---|---|
-v |
冗長モードで実行します。実行コマンドに関するすべての情報が表示されます。デフォルトはオフです。 |
-q |
非出力モードで実行します。
|
-a [aces] |
指定したカレンダの ACE (アクセス制御エントリ)。ACE は、グループスケジュールのためにカレンダにアクセスできるユーザー、およびこれらのユーザーが持つアクセス権の種類 (作成、削除、読み取り、書き込みなど) を決定します。ACE 文字列または ACL (アクセス制御リスト) は、引用符 ("") で囲む必要があります。 デフォルトは、ics.conf ファイルの resource.default.acl パラメータの設定です。 ACE の形式については、「カレンダのアクセス制御」を参照してください。 |
-b [basedn] |
指定したリソースに適用される LDAP ベース DN (識別名)。デフォルトは、ics.conf ファイルの local.ugldapbasedn パラメータの設定から取得されます。 |
-c calid |
icsCalendar 属性。create コマンドを使用する場合は、このオプションの指定は必須です。詳細は、「 カレンダ固有の識別子 (calid) の作成」を参照してください。 |
-d domain |
ホストされた (仮想) ドメインの名前を指定します。デフォルトは ics.conf ファイルの service.defaultdomain パラメータの設定から取得されます。 |
-t [description] |
カレンダの目的として表示されるコメントを指定します。デフォルトは説明なしです。 |
-h host |
リソースカレンダが存在するバックエンドサーバーの名前を指定します。このオプションは list コマンドだけに適用されます。 |
-k yes|no |
会議室などのリソースに関連するカレンダで、複数のユーザーからの予約を許可するかどうかを指定します。たとえば、yes を指定した場合は、リソースカレンダの同じ時間帯に複数の予定をスケジューリングできます。 -k オプションを省略した場合のデフォルトは、 ics.conf ファイルの resource.allow.doublebook パラメータの設定から取得されます。ただし、resource.allow.doublebook パラメータはカレンダの作成時にだけ使用されます。 カレンダの作成後は、Calendar Server はカレンダのプロパティーデータベース (ics50calprops.db) を参照して複数のユーザーからの予約の可否を決定します。カレンダのカレンダプロパティーを変更して複数のユーザーからの予約の可否を変更する場合は、-k オプションを指定した csresource コマンドを再実行します。 |
-m email |
リソースの LDAP mail 属性 (一次電子メールアドレス) を指定します。 |
-o owner |
一次所有者。 デフォルトは、ics.conf ファイルの service.admin.calmaster.userid パラメータの設定から取得されます。 |
-y otherowners |
その他の所有者。複数の所有者を指定する場合は引用符 ( " ") で囲み、空白文字で区切ります。デフォルトはその他の所有者なしです。 |
version |
ユーティリティーのバージョンを表示します。 |
すべてのリソースカレンダと、その LDAP 属性をリスト表示します。
csresource -v list
カレンダ ID (calid) が room100 で、表示名 (LDAP cn 属性) が MeetingRoom100 のリソースカレンダを作成します。
csresource -m room100@sesta.com -c room100 create MeetingRoom100
表示名が MeetingRoom100 のリソースカレンダの LDAP 属性を表示します。
csresource -v list MeetingRoom100
表示名が MeetingRoom100 のリソースカレンダを無効にします。
csresource disable MeetingRoom100
表示名が MeetingRoom100 のリソースカレンダを有効にし、複数のユーザーからの予約を許可します。
csresource -k yes enable MeetingRoom100
表示名が MeetingRoom100 のリソースカレンダを削除します。
csresource delete MeetingRoom100
sesta というバックエンドサーバーに存在する、表示名が MeetingRoom100 のリソースカレンダの LDAP 属性を表示します。
csresource -v -h sesta list MeetingRoom100