Sun Java System Messaging Server 6 2005Q4 管理ガイド

サービスを起動および停止する

サービスを起動および停止する方法は、そのサービスが HA 環境にインストールされているかどうかによって異なります。

HA 環境でサービスを起動および停止するには

Messaging Server を HA 制御下で実行している場合は、個々の Messaging Server サービスを制御するための通常の Messaging Server コマンド (起動、再起動、停止) を使用することはできません。HA 配備で stop-msg を試みると、HA 設定が検出されたという警告と適切なシステムの停止方法が示されます。

次の表に、適切な起動、停止、再起動のコマンドを示します。ほかの Messaging Server サービス (たとえば SMTP) を個別に起動、再起動、停止するための特定の HA コマンドはないことに注意してください。ただし、stop-msg service コマンドを実行して、imappopsched などの個々のサーバーを停止または再起動することはできます。

Sun Cluster の最小単位は、個々のリソースです。Messaging Server は Sun Cluster でリソースとして認識されるため、scswitch コマンドがすべての Messaging Server サービスに影響を及ぼします。

表 4–2 Sun Cluster 3.0/3.1 環境での起動、停止、再起動

動作 

個々のリソース 

リソースグループ全体 

起動 

scswitch -e -j resource

sscswitch -Z -g resource_group

再起動 


scswitch -n -j resource
scswitch -e -j resource

scswitch -R -g resource_group

停止 

scswitch -n -j resource

scswitch -F -g resource_group

表 4–3 Veritas 1.3、2.0、2.1、および 3.5 環境での起動、停止、再起動

動作 

個々のリソース 

リソースグループ全体 

起動 

hares -online resource -sys system

hagrp -online group -sys system

再起動 


hares -offline resource -sys system
hares -online resource -sys system

hagrp -offline group -sys system
hagrp -online group -sys system

停止 

hares -offline resource -sys system

hagrp -offline group -sys system

HA 環境以外でサービスを起動および停止するには

サービスは、コンソールまたはコマンド行を使って起動および停止できます。ほかに必要な操作は、サーバーが実際に使用しているサービスを実行するだけです。たとえば、MTA (Message Transfer Agent) として、特定の Messaging Server を 1 つだけ使用している場合は、MTA だけを起動できます。また、保守、修復、セキュリティー上の必要からサーバーをシャットダウンしなければならない場合は、影響が及ぶサービスだけを停止できます。実行する予定のないサービスは、停止するのではなく無効にしてください。


注 –

POP、IMAP、HTTP などの各サービスを起動または停止するには、まずそれらを使用可能な状態にする必要があります。詳細は、「サービスの有効化と無効化」を参照してください。


重要: サーバープロセスがクラッシュすると、ほかのプロセスがハングアップする可能性があります。これは、それらのプロセスが、クラッシュしたサーバープロセスによって保持されていたロックを待機しているためです。自動再起動 (「障害が発生したサービスや応答がないサービスの自動再起動」を参照) を使用していない場合で、サーバープロセスがクラッシュした場合は、すべてのプロセスを停止し、再起動するようにしてください。これには、POP、IMAP、HTTP、MTA の各プロセス、stored (メッセージストア) プロセス、およびメッセージストアを変更するすべてのユーティリティーが含まれます。このユーティリティーには、mboxutildeliverreconstruct readershipupgrade などがあります。

コンソール: コンソールでは、個々のサービスを起動または停止したり、各サービスに関するステータス情報を表示したりできます。

フォームには、IMAP、POP、SMTP、および HTTP の各サービスに対し、現在の状態 (オンまたはオフ) が表示されます。また、サービスが実行中である場合には、そのサービスが最後に起動した時刻が表示されます。このフォームでは、その他のステータス情報も表示できます。

メッセージングサービスを起動またはシャットダウンしたり、そのステータスを表示するには、次の手順に従います。

Procedureメッセージングサービスの起動、シャットダウン、またはステータスの表示を行うには

手順
  1. コンソールで、サービスを起動または停止する Messaging Server を開きます。

  2. 次のいずれかの方法で、「サービスの一般構成」フォームを表示します。

    1. 「タスク」タブをクリックし、「サービスの起動/停止」をクリックします。

    2. 「設定」タブをクリックし、左側のペインの「サービス」フォルダ選択します。次に、右側のペインで「一般」タブをクリックします。

  3. 「サービスの一般構成」フォームが表示されます。

    「プロセスコントロール」フィールドの左側のカラムには、サーバーによってサポートされているサービスの一覧が表示されます。右側のカラムには、各サービスの基本ステータスが表示されます (オンまたはオフ。オンの場合は、前回起動したときの時刻)。

  4. 現在実行中のサービスに関するステータス情報を表示するには、「プロセスコントロール」フィールドでそのサービスを選択します。

    「サービスステータス」フィールドに、そのサービスに関するステータス情報が表示されます。

    POP、IMAP、および HTTP の場合、フィールドには、最終接続時間、合計接続数、現在の接続数、最後にサービスを起動してから接続に失敗した回数、最後にサービスを起動してからログインに失敗した回数が表示されます。

    このフィールドの情報を確認すれば、サーバーにかかる負荷やそのサービスの信頼性などを把握できます。また、サーバーのセキュリティーに対する攻撃を調べるのにも役立ちます。

  5. サービスを起動するには、「プロセスコントロール」フィールドでそのサービスを選択し、「起動」をクリックします。

  6. サービスを停止するには、「プロセスコントロール」フィールドでそのサービスを選択し、「停止」をクリックします。

  7. 有効なサービスをすべて起動または停止するには、「すべて起動」ボタンまたは「すべて停止」ボタンをクリックします。

    コマンド行: start-msg および stop-msg コマンドを使って、任意のメッセージングサービス (smtpimappop storehttpenssched) を起動または停止できます。次に例を示します。

    msg_svr_base/sbin/start-msg imap

    msg_svr_base/sbin/stop-msg pop

    msg_svr_base/sbin/stop-msg sched

    msg_svr_base/sbin/stop-msg smtp

    サービスを停止または起動するには、サービスが有効になっている必要があります。「起動するサービスを指定するには」を参照してください。


    注 –

    start-msg smtp および stop-msg コマンドを実行すると、SMTP サーバーだけでなく、すべての MTA サービスが起動または停止します。特定の MTA サービスだけを起動または停止する場合は、ディスパッチャおよびジョブコントローラに対して start/stop msg コマンドを使用します。詳細については、『Sun Java System Messaging Server 6 2005Q4 Administration Reference』「start-msg」および『Sun Java System Messaging Server 6 2005Q4 Administration Reference』「stop-msg」を参照してください。


起動するサービスを指定するには

デフォルトでは、start-msg を使って次のサービスが起動されます。


#./start-msg
Connecting to watcher ...
Launching watcher ...
Starting ens server .... 21132
Starting store server .... 21133
checking store server status ... ready
Starting imap server .... 21135
Starting pop server .... 21138
Starting http server .... 21141
Starting sched server .... 21143
Starting dispatcher server .... 21144
Starting job_controller server .... 21146

これらのサービスは、次の configutil パラメータを有効化または無効化することによって制御できます。service.imap.enableservice.pop.enableservice.http.enablelocal.smsgateway.enablelocal.snmp.enablelocal.imta.enablelocal.mmp.enablelocal.ens.enable、および local.sched.enable。IMAP を無効にするには、service.imap.enableservice.imap.enablesslport の両方を 0 に設定する必要があります。POP および HTTP の場合も同様です。これらのパラメータの機能の詳細については、『Sun Java System Messaging Server 6 2005Q4 Administration Reference』「configutil Parameters」を参照してください。